「地獄大一番」 閻魔殿の法廷に、閻魔大王の指示を求めて押し寄せる獄卒達。 不喜処地獄の人材不足、阿鼻地獄の川の氾濫、黒縄地獄は財政破綻寸前。 加えて天国からの人員派遣要請と、閻魔大王はパンク寸前。 困った閻魔大王は、いくつかの問題を不喜処地獄で視察中の第一補佐官・鬼灯に回す事に。 それを聞き、何でもかんでも私に回してくるとボヤく鬼灯の元に、さらなる問題がやって来た! 「地獄不思議発見」 忙しさに追われて、旅行どころか休日もろくに取れない鬼灯。 趣味の金魚草の世話すら昼休みにするしかない。そんなある日の夕食どき。 閻魔殿の食堂で、激務の合間の息抜きとばかりに現世の番組を見ながら夕食をとる鬼灯。 シーラカンス丼を手にした閻魔大王もやってきて、二人でTVに映るオーストラリアの風景を見ながら話し始めるが…
「鬼とパンツとカニ」 現世でもよくとりあげられる河川のゴミ問題。 地獄の三途之川も例外ではなく、河原はゴミだらけ。 特に多いのが、三途之川の渡し賃としてお棺に入れられた六文銭、メガネや時計、 生前の嗜好品なんかもそこかしこに落ちている。 そんなゴミの掃除を命じられた新人獄卒の唐瓜と茄子。 はじめは真面目にやっていたが、飽きっぽい茄子が突然ある歌を歌い出す! 「地獄の沙汰とあれやこれ」 EU地獄の王、サタンが日本にやってきた。 閻魔大王に手土産を渡しながら、愛想よくふるまうサタン。 その心中では、いずれ東洋も傘下に収めてやろうという野望が渦巻いていた。 鬼灯に案内され地獄を巡るサタン。 気味の悪い声で泣く謎の動植物、上司を見殺しにしようとする部下。 激しいカルチャーショックがサタンに襲い掛かる!
「白澤」 先輩に渡す結婚祝いの相談をしようと、鬼灯に会いに来たシロ。鬼灯が休みと聞いてがっかりする。 もうお昼だし起こして良いと思うけど、と閻魔大王に言われて、一緒に来ていた柿助・ルリオと共に起こしに行く事に。 ところが閻魔大王、鬼灯の寝起きの悪さをひとしきり語って三匹を引きとめる。 自分は絶対に一緒に行かない、まだ逝きたくないと力説する閻魔大王をよそに、鬼灯の部屋へと向かう三匹。 扉を開いたその先には… 「いかにして彼らの確執は生まれたか」 鬼灯のハンコを貰いに閻魔庁の鬼灯の執務室を訪れていた桃太郎。 何気なく、鬼灯と白澤が似ていると口にした瞬間、この一言にキレた鬼灯の無言の裏拳が背後の柱に炸裂する。 無表情に詫びながらも、やはり痛かったのか拳をさする鬼灯の背後、 どこからともなく現れた閻魔大王が、千年前のある出来事を機に、 いかにして鬼灯と白澤の確執が生まれたかを語りだす!
「美男にもいろいろある」 風呂敷包みを手にして、どこかへと向かう様子の鬼灯、駅前で自分の尻尾を追いかけていたシロに会う。 非番のシロ、鬼灯が烏天狗警察のある人物に会いに行くと知り興味津々。 シロも一緒に連れて行くことにした鬼灯、約束の時間が近いのか時計を気にして地獄タクシー乗り場へと向かう。 するとそこには、現世のタクシー強盗の話しで盛り上がる、地獄のタクシー・朧車達の姿があった。 「かちかぢごく」 針山の上に立つ二つの影。 獄卒達の仕事ぶりを見下ろした鬼灯、 鼻をほじりながら亡者を呵責する新人獄卒の姿に、正直見ていられないと嘆く。 この状況をどうするか、隣の影に意見を求めると… それから数日後、新人獄卒達のゆるんだ根性を叩き直すため再研修が行われる事に。 閻魔殿の法廷に集められた、唐瓜・茄子をはじめとする新人獄卒達。 各地獄で活躍する先輩獄卒達の亡者への呵責っぷりを見学することになるが…
「龍虎の二重奏」 桃源郷にある漢方薬局、極楽満月。 そこでは白澤が桃太郎を前に、女子に大人気となる秘訣を話しながら薬膳鍋を作っていた。 同じころ、地獄の閻魔殿では、鬼灯が簡法と功科について説明しながら、シロ達とともに天罰鍋を作っていた。 亡者や針口虫を煮込むなか、一つ大事な材料が足りないことに気付く鬼灯。 その材料を持つという地獄の門番に会うため、地獄の門へと向かった一行の前に現れたのは?!? 「精神的運動会」 地獄中の獄卒達が集まり賑わう広場の一角。 いつも通りの茄子と、いつもと違って緊張気味の唐瓜。 お香をはじめとする女獄卒達。 白澤とやってくる桃太郎を見つけて駆け寄るシロ・柿助・ルリオ。 柿助は組体操、ルリオは先輩達と歌を披露すると話すが、シロは自分が何をするのかよく分かっていない様子。 集合の合図を告げる花火が鳴り響くと、閻魔大王がおごそかに「獄卒大運動会」の始まりを宣言する!
「地獄アイドル ピーチ・マキ」 地獄アイドル、ピーチ・マキ。 桃源郷の仙桃農園での「仙桃キャンペーン」のグラビア撮影を終えたマキをねぎらうように、甘い声が近づいてくる。 いつもの調子でやってきた白澤、仙桃を渡しながらマキの手を握ると、これまたいつもの調子で口説きだす。 その様子を伺うように、頭上の枝影に潜む怪しい影。 清純派で売るマキのスキャンダルを狙って、ゴシップ記者のカメラのシャッターが今切られる! 「右腕のブルース」 悪魔暦十万二千十四年。 EU地獄から、サタン王の右腕が日本地獄に到着した。 彼の名は、蠅の王と書いてベルゼブブ。 エリート中のエリート、高級官僚にも関わらず、一般人と同じ対応をされ屈辱に震えていた。 しかも地獄飛行場の危険物検査機を通り抜けることも出来ず、いぶかしむ鬼灯に、 胃液が毒物だと申告すると、バケツに全部吐けとまで言われてしまい… 耐えきれなくなったベルゼブブは思わず…
「男と女と衆合地獄」 洗い場で、各地獄から集められた獄卒達の洗濯物を洗う新人獄卒達。 洗っても洗っても減らない洗濯物の山を前に、唐瓜と茄子は手分けして作業する事にしたものの、 衆合地獄の洗濯物はオシャレ着が多く、手間がかかるばかりで、なかなか終わらない。 次々と洗い終わって片づけを始める同期達。 洗濯物を干すのに飽きた茄子が、ボヤく唐瓜に、思いついたばかりの一発芸を披露するが! 「地獄式鍼灸術と浄玻璃鏡の使い方」 「この鏡を見よ!」。 裁判中の閻魔大王が、この期に及んで言い逃れようとあがく亡者に、閻魔殿の法廷に置かれた鏡を指し示す。 「浄玻璃鏡」は、あらゆる亡者の現世での行いを映す、いわば超高性能監視カメラ。 目の前に映し出された過去の自分の悪業を見た亡者は、たちどころに白状し罪を認める。 そんないつもの裁判風景の後、閻魔大王が疲れた体をほぐそうと腰をひねった瞬間、 とんでもない激痛が襲いかかる!
「えげつなき戦い」 ゴシップ雑誌『週刊三途之川』。 記者の小判が湯のみ片手に、最近のスクープを思い返して静かに一人ごちていた。 白澤とピーチ・マキの密会、不喜処の涙の出産ドキュメント。 そこまではよかったが、中途半端に閻魔殿に首を突っ込もうとして、 鬼灯の計らい?で激写してしまった奪衣婆の水浴びの瞬間を思い出し、胃を押さえる。 ゴシップ一本、よりえげつなくいくと決意した小判がターゲットにした人物とは? 「地獄三十六景」 たまの休日。ノミと槌を手にした茄子が、今にも動き出しそうな蛙を木の枝に彫っていた。 しかし、どこか納得いかない様子。 最近どうもビビッとこないと、唐瓜に打ち明けてみた茄子は、 いつも通りにしてりゃいいと言われて、何となく合点がいった様子。 少しして、気持ちよさそうに風に吹かれる金魚草を見た茄子、 唐瓜の言葉にしたがうように、金魚草とともに風に身をまかせてみると?
「酒と女でダメになる究極の例」 昼間から厠にこもりっきりで、二日酔いからくる吐き気に苦しみながら、 もう飲みませんお許し下さいと唱えては吐く白澤。 色々な酒をちゃんぽんして飲んでは繰り返される見慣れた光景ながらも、呆れた様子の桃太郎。 溜息まじりに、これじゃあ鬼灯さんにとやかく言われるのも仕方ない、 鬼灯さんがウワバミなら、ひとつ負けてるとこぼした一言が、白澤の妙な負けん気に火をつける! 「溢れ返ってきたヨッパライ」 なりゆき任せで、閻魔大王の飲み会に参加することになった白澤と桃太郎。 宴もたけなわ、日本の伝統とばかりにこのまま飲み明かす勢いの閻魔大王に、 鬼灯はただの因習だとバッサリ切り捨て、閻魔大王の自伝語りが始まる前に獄卒達を家に帰そうとする。 店内の酔いどれたちの姿に、まるで叫喚地獄の亡者のようだと嘆く鬼灯の元に、 急を知らせる一報が飛び込んでくる。
「十王の晩餐」 人が死に、初七日から三回忌までの間に受ける裁判。 そこで重要なのが遺族の手厚い供養と供物の量。 それらをかんがみ、舌抜きの拷問だけで天国行きとなる亡者達が長い列を作る簡易地獄前では、 遺族への感謝をとうとうと諭す鬼灯の声が響いていた。 祭壇の供物の山を見上げていた唐瓜は、 鬼灯に言われてこれらの判決を下した十王達の晩餐の手伝いをする事に。 そこで鬼灯が歌に合わせて十王を紹介! 「ダイエットは地獄みたいなもの」 供物のお菓子をおやつに、デザートにケーキ、風呂上がりにアイスと暴食が続いた閻魔大王。 先日の十王の晩餐がとどめをさしたか、お腹がつかえて床に落とした筆も拾えないほどに太ってしまう。 さすがにマズイと思った閻魔大王の、仕事終わりにジムでも行こうかとの呟きを鬼灯が聞き逃すはずもなく… 亡者の齧り過ぎで太ったシロや柿助、ルリオを巻き込み、鬼灯’sブートキャンプが幕を開けた!
「一寸だった法師」 閻魔殿には図書館もある。 倒錯系本棚の前で本を読む鬼灯の元に、「一寸法師」の絵本を口にくわえたシロがやってくる。 図書館にあった「桃太郎」のお供の犬がアフガンハウンドだったとひとしきり不満を語るシロ、 今度は「一寸法師」に書かれた漢字の読み方をきいてくる。 漢字に四苦八苦しながら、子犬たちに絵本を読んでやるシロを見た鬼灯、代わりに読んでやることにしたのだが… ところで一寸法師は今どこに? 「お山の泥沼姉妹」 醜女はよし!美人が山入ったら大木倒してマジ殺す!!! と山神のイワ姫は今日も不機嫌。 ところかわって閻魔殿の食堂では、TV特集の「容姿が原因で起こる女の諍い」を話題に鬼灯とお香が食事をとる横で、木霊が深い深い溜息をついていた。 現世の山に住むはずの木霊が地獄に来た理由は二つ。 一つは花粉症。もう一つは、山神ファミリーツートップであるイワ姫とサクヤ姫の不仲にあると言うのだが?
「レディ・リリスとその夫」 レディ・リリスは、EU地獄の補佐官ベルゼブブの妻、になる前に 最初の人類アダムの一番目の妻だったとも言われている。 そのリリス、サタン王の講演会の付き添いという名目で来た東洋地獄で買い物を楽しんでいた。 何でも買える魔法のカードという名の、夫のキャシュカードで浪費三昧のリリスの本分は誘惑。 閻魔庁に挨拶に行くと言い出したのは、まさか誰かを誘惑するためか? 「中国現世に妖怪が広まった訳」 鬼灯と白澤は今日も仲が悪い。 そばで薬を作っている桃太郎の目には、罵倒しあっているだけに見えるのだが、 実は勝敗も競っているのが互いに一筋縄ではいかないところ。 極楽蜻蛉、朴念仁。最後に「ん」がついた方が負けの、しりあげ足とりに負け、 心底悔しがる白澤をよそに、待ちくたびれた様子の鬼灯が、薬の催促をする。 すると桃太郎、薬ができるまでの時間つぶしか、以前から思っていた疑問を口にする。
「盂蘭盆地獄祭」 地獄にお囃子が鳴り響く。 今日は年に一度の獄卒達の楽しみ、盂蘭盆地獄祭の日。 盂蘭盆は、地獄の釜の蓋も開いて亡者が現世に戻る、つまり獄卒の夏季休暇。 初めての盂蘭盆祭を楽しみながら歩くシロ・柿助・ルリオの三匹。 立ち並ぶ露店からは威勢のいい掛け声が聞こえ、和牛ステーキの焼けるいい匂いがシロを誘う。 そんな三匹の前に現れたのは、鬼のお面をかぶり、祭りを全力で楽しむ鬼灯! 「雑談閻魔大王」 盂蘭盆祭も終わり、通常業務に戻った閻魔庁。 閻魔大王への報告を遮る亡者の恨み節を力ずくで黙らせた鬼灯は、 何事もなかったかのように、裁判にかけられる亡者達の到着が遅れると伝え直す。 閻魔大王、思いもかけず出来た時間に休憩を取ろうとするが、どうも喉の調子がよくなく咳払い。 盂蘭盆祭前の駆け込み裁判が多く、 また声を張り過ぎたせいで喉を傷めたかも、と話す閻魔大王に鬼灯がした事とは?
「神代あの世革命」 閻魔殿の書類棚を整理していた唐瓜と茄子。 うっかり落としてしまった大そう古い巻物には、十王の名前と、代々の第一補佐官達の名前が書かれていた。 閻魔大王の第一補佐官は鬼灯。しかし、そこには二代目と書かれている。 鬼灯が初代補佐官と思っていた唐瓜達は驚くものの、鬼灯の生い立ちのほうが気になってくる。 鬼灯に子供の頃はあったのか?補佐官になったのはいつなのか?今、鬼灯の秘密に迫る! 「恨みつらみあってこそ」 かの有名な伊邪那美命。かつてはバリバリ地獄で働いていた彼女も、今は一線を退き、地獄の一角に御殿を構える隠居の身。 オブジェの立ち並ぶ御殿はある意味壮観だが、そのデザインには大いに問題があった。 「このオブジェ、いつまでここにあるんだろう」と常々感じていた伊邪那美命は、いい加減見飽きたのもあり、リフォームを決意する。 それを鬼灯に申し出たところ、ある人物がデザインすることに!?
「体験一日獄卒」 地獄アイドル、ピーチ・マキと、同じ事務所の売れないアイドルのミキは『鬼卒道士チャイニーズエンジェル』で共演……正確に言えば、ストーカーをぶっとばしたのをきっかけに、ユニット「まきみき」を組み大ブレイク! 歌にテレビにと忙しい日々を送っていたが、一日獄卒の仕事で閻魔庁に行くことになる。 二人を待ち受けていたのは勿論、第一補佐官の鬼灯。 さて、二人が体験する一日獄卒の仕事とは? 「ワーカホリックと匠の境」 十王の裁判はとても厳正で、嘘など決して許されない。 しかも、生前の善行、悪行は全て記録され、言い逃れを封じる尋問グッズまで実はある。 閻魔大王いわく、裁判に使われる亡者達の記録は、細かい上に浄玻璃鏡でウラを取っても一寸の狂いもない正確さ。 では、その記録は一体誰が書いているのか?丁度、裁判も終わったお昼の時間。 使った記録を返しに、鬼灯は唐瓜と茄子を連れ、ある場所へと向かう!
「瑞兆連盟」 古代の中国では、麒麟・鳳凰・霊亀・応龍を四瑞とし、優れた王の治世に現れるという伝説を持つ神獣・白澤などを合わせて瑞獣と呼んでいた。 為政者達は彼らをめでたい吉兆の印として敬っていたという。 それからウン千年がたち、所変わって現在。 白澤の経営するうさぎ漢方極楽満月の店内では、麒麟・鳳凰・白澤が互いに「じじい」「じじい」と言いあう姿を、冷や汗まじりの桃太郎が見守っていた。 「エキセントリック不思議妖怪」 閻魔殿裏の金魚草畑で揺れる金魚草。一番大きな金魚草に乗り機嫌よさげな座敷童子を見た桃太郎は、ホッと胸をなでおろす。 実は以前に座敷童子の性質のために、白澤とともに引っ越しを余儀なくされたが、座敷童子が立ち去ってからは、その行く先を心配していたのだった。 座敷童子は家専門の妖怪。住みつけば好きに暮らすが具体的にどう暮らしているかは、鬼灯も知らないという。座敷童子の一日とは?
「芥子ちゃん伝説」 衆合地獄の花割烹狐御前の店先で、今日もだらりと寝そべり煙管をふかす檎。 そこに貸した金を回収がてら特ダネを探す小判が声をかける。「金返せ」。 しかし、だらけきった檎は木の葉を小判に変えるのも面倒くさいと、ただの木の葉を渡して手を打てと言う。 呆れた小判が、金返せないならネタ寄こせと凄むと檎は、『かちかち山』の兎、つまり如飛虫堕処の獄卒・芥子の過去を小判に耳打ちするのだった。 「蕪式百鬼夜行」 うさぎ漢方極楽満月で働く桃太郎。 用事を済ませ戻って来ると、店先に何やら置いてある。 それは、カボチャで作った提灯。つまり、ジャック・オ・ランタン。 現世はハロウィンシーズンの真っただ中なのだ。 女の子はハロウィンが好きだし、当日はコスプレした女の子がたくさん来るとほくほく顔の白澤に、桃太郎は渋い顔。 桃源郷なんだよここはと苦々しく言うものの、素直に楽しもうと白澤が言いだし……
「小野篁」 誰もが思いえがく閻魔大王像。 そのイメージに一番近いのが、十王の一人、第一裁判長の秦広王。 いつも亡者に閻魔大王と間違われては大王に申し訳ないと嘆いている。 そんな秦広王をフォローするのは鬼と見まごう天然パーマの第一補佐官、小野篁。 平安前期に実在した貴族であり、かの有名な小野妹子の子孫! 頭もよく、武道の才もあり、少々変わり者で文才のある詩人の彼には数々の逸話があるのだった! 「閻魔大王と逸話」 仕事にはげむ閻魔大王。そこに突然、鬼灯が夕食を運んでくる。 普段であれば、痩せろとは言っても、閻魔大王が急に100キロ痩せようが食事など絶対に運んでこない鬼灯が見せた謎の気遣いに、戸惑いを隠せず冷汗を流す閻魔大王。 鬼灯の真意がわからないまま、目の前に置かれた食事を見るが、その瞬間に、思わず口から出たのは「……なんの冗談だろうか?」の一言。 閻魔大王が見たその食事とは一体?
「プリンセスサクヤのショータイム」 昔も昔、大昔。神代の現世では、山神ツートップの一人、サクヤ姫が天孫ニニギノミコトの子を身ごもるが「ほんとに俺の子?」と疑われてキレていた。 時を同じくして地獄では、幼い鬼灯が友人の烏頭と蓬に自作のマジックを見せようとして失敗。 納得いかずに、理屈ではうまくいくからと蓬を実験台にしようとしていたが、マジックにまったく興味のない烏頭があることを思いつく。 そうだ、現世に行こう! 「賽の河原の攻防」 現世の山の中。ぽつんと佇むお地蔵様に、お供えのチョコをおすそ分けしようと木霊がやってくるが、挨拶をしても返事がない、ただの石のようだ。 それもそのはず、お地蔵様の本業は子供を守り、弱い物を救うこと。 今日も賽の河原をおとずれ、DSやりたい!スマホもないの?と言いたい放題の現代っ子達を優しくいさめていたが、それを不服に思う子供が数人。 さっさと転生しようと反乱を企て動き出す!
「あの頃君はトガってた」 小さな頃から悪ガキで有名な歌がある。 15で不良と呼ばれたその歌詞を、ギターがわりに箒を掻き鳴らして無邪気に歌うシロ。 15の夜といい人間の15歳には何かあるのかと柿助が不思議がり、トガる時期の象徴ではないかとルリオは推察する。 そんな三匹をよそに、仕事のかたわら閻魔大王がサボらないよう威嚇する鬼灯をふと見たシロは、好奇心のおもむくままに質問する。 「鬼灯様も15のころトガってた?」 「Dr.トリカブト」 小地獄の一つ、鉄钁処にある4番目の大鍋・極利刀蔓では亡者を煮ながら、内側に刃物のついたカツラを被せる拷問を行っている。 ここに堕ちた亡者は、宗教家が禊といつわり信者を殺す事件を起こした者ばかり。 そんな奴は髪の代わりに血でも生やして激しく禿げ散らかるがいいと激しく葉鶏頭が怒るそばから、騒音が響き渡る。 怒り心頭で抗議に向かう葉鶏頭の姿を、物陰から座敷童子たちが見つめていた。
「地味庁」 ネタを探して、今日も小判が衆合地獄の花街にやって来る。 今日も今日とてだらける檎だが、小耳に挟んだ話を話し出す。 なんでも十王は道具を使って亡者の罪を量るが、第三裁判長の宋帝王は猫と蛇で罪を量るらしい。 それを聞き、初耳とばかりに目を輝かせる小判。宋帝王のいる庁は、他の十王に比べてあまり話題にならない地味な庁。 首尾よく取材ができれば目新しいネタになるとふんだ小判が動き出す! 「八寒地獄」 八寒地獄。そこは灼熱の八大地獄とは反対にとても寒い。とにかく寒い。体が裂けるほど寒い。 ここで働くのは寒さに強い動物・妖怪・雪鬼たちだが、現世においては、文献や日本むかし話、怪談・伝承・地獄絵にすら題材にされていない謎の土地である。 そんな八寒地獄の吹雪が珍しく弱まったある日、八寒地獄の本部をめざす鬼灯たちは、温泉につかる人影を見つけるが、あれは温泉じゃない、凍った湖だ!!?
「加々知の冷徹」 人ゴミで賑わう現世のオフィス街。 雑踏の中では、地獄アイドルのマキとミキの二人が「まきみきのあちこちレポート」の収録を行っていた。 鬼だとバレないように現世の服を着た二人、さっそく現世日本を守るビジネス戦士にインタビューしようと、横を通り過ぎようとしたサラリーマンを捕まえ勤め先を聞くが、返って来た答えは意外にも「地獄」。 勤め先が地獄って?!?そういえばこの顔どこかで見た様な??? 「必殺仕事鬼」 先週、現世の視察に行っていた鬼灯。朝は9時から18時まで会社で営業事務。夜は地獄に戻っていつもの業務をこなす激務。 のんびりしているように見えるが、閻魔大王も日々の裁判に加えて、地獄の代表として会議や挨拶で忙しい。 この前も一日出張で出雲に行っていたと聞いた唐瓜がピンとくる。 それは日本中の神様が出雲に集まる「神無月」。 そこで行われているのはなんと、現世の人間たちの縁結び!?
「家族」 茄子の歌う歌を不思議がる鬼灯。 母親がよく歌っていたので、メジャーだとばかり思いこんでいた茄子は驚く。 母ちゃんって急に変な持ち歌歌いだすよな、と言う茄子に、わかるといった様子で唐瓜が笑う。 どこのお宅にもある「家族あるある」も、実家も家族の記憶もない鬼灯にはよくわからない。 そんな鬼灯の過去を察した唐瓜たちは、今度の土日に自分達の実家に遊びにきませんかと鬼灯を誘うのだった。 「地獄の犬」 たまには犬だけで飲みにいこう。 シロは同僚の柴犬たちと、先輩の夜叉一に声をかける。 新人獄卒のコーギー犬も誘ってみるが、先輩を先輩とも思わぬ新人の口のきき方に、厳しく怒る夜叉一。 同時に、後輩がこういう失敗をしないよう教えてやるのが先輩の責任だ! そう叱る夜叉一の男らしさに思わずシビれ憧れるシロたち。 先輩より迫力ある犬っていないんじゃ、と話したそばから迫力満点の声が響き渡る!
「五官王の第一補佐官」 ギリシャにエジプト、世界の神話では善悪を測る道具として「秤」を使うことが多く、日本の地獄にも秤を所有する庁がある。 そこは4番目の裁判所だが、名前は五官庁。 第一補佐官・樒の口癖は「大丈夫?ちゃんと美味しい物食べて、あったかい布団で寝ている?」。 その優しさに獄卒たちは、お母さんとお呼びしたくなるという。 そんな彼女が管理しているのが、件の秤「業の秤(ごうのはかり)」である。 「地獄温泉」 突然シロが語りだす。 地獄でけっこう働いていて、地獄の酸いも甘いもわかる犬になってきたのに、地獄名物中の名物、地獄温泉に入っていなかった! それさえクリアすれば、自分は完璧な地獄の犬! 一度でいいから本場のベタな地獄温泉を体験したい! 地獄温泉というなら地獄中のお湯全てがそうであり、中でも閻魔殿の大浴場こそが本場中の本場と知ったシロは、自分たちも入ってみたいと鬼灯に頼み込む。
「地獄太夫」 「そもさん」「せっぱ」ではじまる禅問答。 どこにいて、どこに行くのか。ここにいて、ここで仕事しています。と答えた鬼灯の目は、何徹目なのかすわりきって怖い。 問い掛けた主は一休さんこと、一休禅師。 有名な人物だが、勝手に来て勝手に禅問答を始められては仕事の邪魔。 帰れと言われても、「ワシが帰る、しかし、ワシは存在する」とかわし続けるばかり。 どうやら誰かを待っているようなのだが? 「酒盛って休め」 歳の瀬のあわただしさに、疲れきった様子で鬼灯を飲みにさそう閻魔大王。 先週行ったばかりでしょうと咎められ、君は来なかったじゃないかとボヤき返す。 鬼灯が行かなかったのは、飲みを理由に閻魔が任せてきた仕事を片付けていたからだが、基本的に強制的な飲み会反対派の鬼灯は、そういったものは忘年会などの節目で十分と考えている。 ならばと閻魔大王は宣言する。だったら明日、忘年会をしよう!
「閻魔庁の日々」 緊迫した空気のなか、裁判長席の閻魔がビシっと笏を突きつけ、威厳をもって亡者に判決を言い渡したその瞬間!裁判の見学は以上、と新人たちに告げる唐瓜。 研修中の新人たちに、先輩らしくテキパキと指示を出す唐瓜の横の茄子はいつもの調子ではあるが、それでも二人の姿に成長を感じとった鬼灯とお香が、感慨深げな様子を見せる。 しかし、地獄は常に人手不足。今日は獄卒の採用試験があるようだが? 「一汁三菜十肉」 にぎわう昼時の食堂で「飼い主あるある」を話す犬獄卒たち。 そこに駆け込んできた大興奮のシロがくわえていたのは「大盛り、20分で完食したらタダ!」と書かれたチラシだった。 竹コースはステーキ大盛り、松コースの地獄飯も気になるが、梅コースは高級小豆使用の赤飯&ぜんざい大盛りという組み合わせ。 それを聞きつけた小豆大好き座敷童子とシロに、店に連れていってほしいと頼み込まれた鬼灯は!
「魔女っ娘とはなんぞや」 初めての映画出演を終えたマキは、監督に次の作品の役をオファーされる。 なんとその役は「ドジ魔女っ娘」。 年齢的にギリアウトでしょと怒るマキは気を取り直して台本を見るが、その呪文の難解さと奇妙さに不安になる。 リサーチを兼ねて一度本物の魔女に会ってみたいと言いだした監督が、金魚草飼育DVDの打ち合わせでスタジオに来ていた鬼灯に声をかけた数日後。 リリスの紹介で、魔女の谷から本物の魔女がやって来た! 「洋装道楽」 テレビで現世の子供服を見た座敷童子。私たちも洋服が着たいと、とっておきの伊藤博文と寛永通宝を取り出し鬼灯に頼みこむ。 根負けした鬼灯が子供服を買ってくるが、どうにもセンスが悪く、買ってきてもらった手前文句が言えない座敷童子の表情は遠慮と悲哀の混じった埴輪のよう。 それではどんな洋服が似合うのか? 現世の人を見て方向性を決めてはどうかとの茄子の提案に、浄玻璃鏡を覗き込む鬼灯たち。そこに映っていたのは?
「お迎え課の荼吉尼」 お稲荷さんこと、稲荷大明神の主神は、宇迦御魂と荼吉尼天の二人である。 元々悪鬼だった荼吉尼天は、今では閻魔庁のお迎え課の主任として働いているが、そのお迎え課、どうもマゾ男の巣窟になりつつあるという。 ちなみに、荼吉尼天の見た目と人となりを一言で言うなら、誰でも一回は妄想するイカン女教師。 そんな荼吉尼天がどうして地獄で働くことになったのか、と興味津々の唐瓜と茄子に聞かれた鬼灯が経緯を話し出す。 「草葉の陰」 閻魔殿の金魚草畑で叫ぶ金魚草と座敷童子。 それを見ていたシロは疑問に思う。金魚草は草なのか、何なのか。 金魚草は元々、ずいぶん昔にあの世とこの世の境あたりに自生していた物を鬼灯が見つけて閻魔殿の中庭に植えなおして育てたもので、詳しいことはわからない。 それ以外にも、地獄の植物は現世では見たことのないものばかり。 ならばと鬼灯、昼休みにシロと柿助とルリオを連れて、近くの植物園に行くことに!
「天邪鬼」 昔々、天照大神が突然、現世は我が子に治めさせよとのたまい、大国主命に使者を出したものの、全員大国主側についてしまう。 そこで雉を遣わし使者に忠告させるが、使者は天探女にそそのかされて雉を殺す。 この天探女が、天邪鬼へと派生していくのだが……時は流れて焦熱地獄。 鬼灯がルリオに紹介したのは、植物から生まれた人間の特色なのか、全身で桃人間アピールしていた桃太郎と同じく、全身で瓜を主張する女性・瓜子姫だった。 「帰れ鶴」 どうしたらこんな所に挟まれるのかという挟まれ方をした鶴がいた。 その怪しさに通り過ぎようとした鬼灯だったが、呼び止められてしまう。 結局、鶴を助けた鬼灯は、どこのどなたと聞かれて、閻魔庁の第一補佐官の鬼灯とだけ告げ立ち去る。 そんな事があり、シロは鶴の恩返しを期待してワクワクし、柿助は地獄で鶴を助ける機会があるなんてと驚き、ルリオは何か引っ掛かるものの何も思い出せないまま夜になり……昔話通りに鶴が来た!!!
「瓢箪鯰」 狐喫茶・ヤカンカンで食い逃げが発生する。責任者の檎を前に妲己が始めたのは中国の拷問話。要はさっさとそいつを見つけてとっ捕まえてこい、この能無し。という意味だが、人から金を取ることに関しては人一倍の檎をあざむける者はそうそういない。そんな話を小判としている檎を、雑踏の中から必死で呼ぶ声がする。しかし、その存在感の薄さに檎も小判も、道行く誰もが気づかない。気づいたのはただ一人だけ、鬼灯だった! 「檎働く」 獲物を丸呑みにした蛇は美味しい。人を丸呑みした蛇は特に美味しい。そう話す妲己を前に、最近、客引きも売り上げもイマイチの檎は冷や汗が止まらない。このままでは解雇されるか食われるか。刑場にいる蛇を分けてくれと閻魔庁で頼み込む。騒ぎを聞きつけた鬼灯が、一週間、獄卒手伝いをするなら亡者を丸呑みして腹がはち切れた地獄の蛇をあげてもいいと言う。働くのはまっぴら御免の檎だが、背に腹は代えられず……檎、働く?!
「ゲーム」 トコトコとどこかへ向かう柿助を、シロとルリオが呼びとめる。どうやら休日を利用してゲームセンターに行くらしい。柿助は猿。犬やキジと違って器用に手が動くので、遊べるゲームが多いと言う。そのせいか、自分についてゲームセンターに行こうとするシロとルリオに、その前足じゃできないゲームの方が多いんじゃないか、と少し上から目線で言ってしまった柿助がゲームセンターで見たのは、驚愕の事実だった! 「絡繰補佐官」 あの世の門をくぐって最初の泰広庁から最後の五道転輪庁への道は亡者の一人旅。閻魔庁から変成庁に向かう途中の鉄丸所では、岩が転がり襲ってくる。その先にそびえ立つのは第六裁判所・変成庁。鬼灯の案内で変成庁見学に来たリリスがジャパニーズ絡繰屋敷と喜ぶ横では、鉄丸所でボロボロになったベルゼブブが荒い息を吐いていた。変成王は絡繰好きで、変成庁も鉄丸所も機械仕掛け。それら全てを作る変成王の第一補佐官とは?
「芥子という兎」 『かちかち山』のあの兎こと、芥子。ニホンノウサギのメスだが、絵本の場合は仇討ち話からしてオスっぽく見える。それは芥子の硬派な気質によるところが大きく、友人の兎たちからイケオスが来るからと合コンに誘われても、そんな浮かれた場に大兎撫子は行かぬと一蹴するほど。しかし今日に限って、断ったはずの合コンの頭数合わせに、もう一人誰かを誘っていかなくてはならなくなる。困った芥子が合コンに誘った相手とは? 「範疇」 風呂敷包みを金棒に下げやってきた鬼灯が、甘味処の縁台で何かをぼんやり見つめる芥子に気づく。元上司が牛頭さんとデートをしているのです。と芥子が指さす向かいのカフェのテーブル席には、何やら話す白澤と牛頭の姿。白澤はどこからどこまでOKなのかと思っていた芥子だが、牛頭を受け入れている時点で牛目はOKなのではと鬼灯は判断する。はたして、女の子はみんな可愛いと言う白澤の範疇は一体どこまで広いのか?
「野干兄妹」 アイドルユニット・まきみきとしてブレイク中のミキ。街を歩けば、そこかしこで人々の話題にあがっているが、いい話ばかりとはいかない。そんなミキが訪ねてきたのは、花割烹狐御前。居合わせた小判が、ミキの語尾を真似てニャ~ンといった瞬間、ミキのストレスが大爆発。狂気的な笑いとともに、このキャラに疲れたと嘆く姿に、さすがの小判も撮るのを諦める。そんなお疲れ気味のミキが、わざわざ檎に会いに来た理由とは? 「シロの尻が大ピンチ」 大焦熱地獄の火髻処には「似髻虫」という名の、亡者の尻から内臓にもぐり込み、脳から出てくる危険な虫がいる。なにぶん虫なので、亡者と獄卒の区別ができるはずもなく、尻の穴しか見ていないため、獄卒たちは金属製の防護服を着用して業務を行っている。似髻虫に食われたら即手術。最悪、後遺症が残ることもあり、決して丸腰でうろついてはいけない。そう注意をうながす鬼灯の視界に、あってはいけないものが映ってしまう!
「こんぽんてきに 」 桃太郎や一寸法師が過去を克服したのを見てきた芥子は、自分の「○ヌキ」嫌いを克服せねばと思っていた。芥子が目指すのは、狙いをコントロールし亡者のみを攻撃する精度。頭では「タ○キ」の全てが悪い訳ではないと分かっていながら、「タヌ○」と聞けばすぐに爆発してしまう今の自分は足軽の精度の良くない乱れ打ち。精神修行してさらに強くなりたい。そう打ち明けられた鬼灯は、修行といえば、というある場所を思い出す。 「異種格闘技戦」 ジムでひたすら己を鍛え上げていた芥子がふと思う。自分は今どのくらい強いのか、他の動物獄卒に追いつけているのか、と。セコンドとして芥子の猛烈な攻撃を受け止めながら問われた鬼灯は、他の肉食動物たちとの手合わせを提案するが、芥子の全勝。捕食者と被食者の間に革命が起こっている。そう感じた鬼灯は芥子の実力を試すついでに、動物獄卒を世間により認知してもらういい機会と、『窮鼠猫を噛む大一番!』を開催する。
「奪衣婆と懸衣翁」 亡者が渡る三途之川。シロと柿助が水遊びをしていると、ルリオが慌てたように、ここは遊泳禁止だと言いに来る。一足遅れて、奪衣婆が鬼婆のような剣幕でそこから出ろと怒鳴りつけ、ルリオの足を掴んで「舌切ってやろうか」と脅してくる。賽の河原の子供たちに端的に乳婆と呼ばれている奪衣婆だが、実は懸衣翁(けんえおう)という夫がいる。この懸衣翁、現世だと資料にのってない事すらあるのだが、一体どのような人物なのか? 「お料理ミキちゃん」 頭もよく真面目で何でもそつなくこなせそうなミキにも苦手なことがある。ちゃんと本を見て料理しても、どうにも不思議な感じになってしまうのだ。一方マキは、お昼もロケ弁ではなく自分で作ったお弁当が多い。ブログにのせろとの事務所命令もあって、今日のお弁当は針口虫のキャラ弁。正直キモイが、おかずは彩りも良く味も良い。意を決したミキは、料理が普通にできるようになりたいとマキに打ち明けてみるのだが……
「瘟鬼」 現世はパソコンウィルスにネット犯罪といろいろ大変。シロも自分が生まれた室町時代も悪い鬼は来るし病は流行るし大変だった事を思い出す。そこに、鬼灯が桃太郎と知り合いと聞いた源義経から、相談事が持ち掛けられる。何やら困ったことが起きており、桃太郎に協力してもらいたいらしい。それから少しして、天国のうさぎ漢方極楽満月では、鬼灯からの電話で意外な言葉を聞いた桃太郎が驚いていた。その言葉とは「鬼ヶ島」! 「動物は恩を忘れない」 微動だにしないカピバラを見たシロが思わず尋ねる。「この動物生きてる?」「死んでますよ。貴方も私も死んでます」と返す鬼灯。二人がいるのは、第二裁判所・初江庁へと向かう道の途中。いつもは鬼灯の用事にシロがついていくパターンだが、今日は柿助とルリオも一緒にいる。鬼灯によれば、前々から初江王にシロ・柿助・ルリオの三匹を連れてきてほしいと言われていたらしい。なぜなら初江王は、あるものが大好きだったのだ!
「ポーカーなら無敵」 鬼灯による「マルキ・ド・サドとレーオポルト・ファン・ザッハ・マゾッホの生涯」の朗読が終わる。座敷童子たちは静かに立ち上がり、完全な無表情のまま拍手し続ける。おそらくスタンディングオベーションなのだろうが、シュールな光景に、物陰から様子をうかがっていた唐瓜は震え上がる。接客業をするわけではないが、座敷童子は女の子。こんな無表情のままでいいのだろうかと、唐瓜はふと心配になってしまう。 「逝き先は地獄の方で宜しかったでしょうか」 何度言っても汚すぎる字が直らない書類に、葉鶏頭の堪忍袋の緒が切れる。怒髪天の葉鶏頭に、汚い字の主・烏頭は言葉なんざ伝わりゃいいんだと応戦するが、鬼灯はその内容が伝わってないから問題なんだと返す。誤字脱字なく正しい日本語を使うべき派の葉鶏頭と、誤字脱字があろうが大事な事が伝わればいい派の烏頭。どちらの主張も間違ってはいないが、みんなはどちら派なのか。鬼灯は意識調査をして多数決をとることに!
秋は紅葉の季節。地獄では金魚草も紅葉する。閻魔殿裏の金魚草畑で水をやる鬼灯のそばでは、写生する茄子と、息も絶え絶え青紫色の金魚草を気味悪そうに見つめる唐瓜の姿。唐瓜にはただのチアノーゼにしか見えないその金魚草も、鬼灯によると「ざわめくトルコ石」と呼ばれマニアの間で高値がつくという。鬼灯の金魚草語りが続く中、茄子が急に金魚草コンテストに行ってみたいと言い出した!/江戸の頃のお話。吉原の端女郎が可愛がっていた飼い猫を道づれに、どこぞの手代と壮絶な心中を遂げる。辛くも生き残った飼い猫も、飼い主のその死に様が原因となり、辛く険しい猫生ののち地獄に住みついた……。時は流れて衆合地獄の花街。妲己が経営する花割烹狐御前の店先では、従業員の野干の檎がだらけた様子で客引きの真っ最中。そこへ、今日も今日とて特ダネを探す小判が現れるが
薬の配達中か帰り道か、「またも現世の会社倒産」そんな見出しの新聞片手に地獄の商店街を歩く桃太郎。せちがらい現世とは裏腹に、お人形をねだる子供の姿を微笑ましく思って何気に玩具屋の店内をのぞいて驚愕する。そこに並んでいたのは、お寺で供養されてもおかしくないような恐怖人形の数々。その不気味さに震えながら、一番人気は「きせかえお松」と店員に勧められていると、意外な人物がお松をもとめてやって来た!/「くたばれ魔王!」叫ぶ地獄アイドル、ピーチ・マキ。魔王の三段変形と猛攻に全てのアイテムを使い果たしたマキに残されたのは、運と気合のBボタン連打のみ。命運ここで尽きるか!?マキの運命やいかに?!決死の一撃で見事魔王を倒して一息ついたマキに、マネージャーの声がかかる。どうやら、ちまたで大人気の地獄アニメ『鬼卒道士 チャイニーズエンジェル』のうぐいす役が舞い込んできたというのだが!?
桃太郎の眉間にしわが寄る。白澤の描いた謎の絵図を見るたび、眉間のしわが深くなる。桃太郎が手にしたこの絵図、どうやらある薬の作り方のようなのだが、常人の理解をはるかに超えた絵図の下手さが、桃太郎の困惑をよりいっそう深めていた。書き添えられた説明文を頼りに何とか薬を作って届けに来た桃太郎のぼやきを聞いた鬼灯、おもむろに携帯を取り出し電光石火の素早さで誰かを呼び出すが!?/小さなお友達から大きなお友達まで、みんな大好き『鬼卒道士 チャイニーズエンジェル』!!!今やその人気は地獄だけにとどまらず、桃源郷にある極楽満月のベテラン兎スタッフ達も、毎週欠かさず見ているほど。真剣に画面を見るうさぎ達の姿を、ほのぼの見ていた白澤と桃太郎。ところが、エンジェル朱色が繰り出す奥義「エンジェルクロッキー」を見た白澤が、この技が使えると言い出して……
「閻魔帳と竜宮城」 閻魔帳を手に現世に下り立った鬼灯、唐瓜、茄子の三人。獄卒とバレないように、角や耳を隠して現世の服装をした鬼灯たちの今日の目的は、現世をウロつく亡者の回収。お迎えから逃げたり、お迎えが来る前にどこかへ行ってしまった亡者を地獄に連れ戻そうというのだが、どうして彼らは逃げたのか? 鬼灯によると、たんに裁判が嫌な場合もあるが、死んだら行ってみたかった所にいく場合も多いという。「例えば」と鬼灯が向かった先は? 「十八番がないと辛いアレ」 裁判も終わって静かな閻魔殿の法廷で、パーーーっとストレス解消がしたいとボヤく閻魔大王。そばで黙々と働く鬼灯に、飲みに行こうと声をかけてみるが、鬼灯は頻繁に強制飲み会をするのは反対派。忘年会などの節目にやれば充分と誘いを断る。飲み会がだめならカラオケに行きたい! 部下と仲良くデュエットとかしたい! 諦めきれずにグチる閻魔大王の姿に、鬼灯はしぶしぶ大叫喚地獄のカラオケ店に予約をいれるのだった。
「けっこう毛だらけ猫灰だらけ」 猫又の小判は、今日もゴシップ記事のネタを探して衆合地獄の花街にいた。猫は隠れひそんで張り込むことに関しては群を抜いて得意。そのため、地獄にいる猫又には、記者のほかに探偵をやっている者もいるらしい。寝ているように見せかけ、実は張り込み中だった小判だが、人ごみの中を、猫らしからぬ妙に良い姿勢で二足歩行する猫を見つける。時おり謎の動きを見せるその猫に見覚えがあった小判は、こっそりあとをつけるのだった。 「よきにはからえ」 漢さん。それは、宋帝庁で男亡者の邪淫の罪を調べる家系の五代目にあたる猫獄卒。漢ちゃんと呼んでもいいが、漢の兄貴なら最高。そう語る漢さんの一日は謎に包まれている。先日は初江庁へ赴き、動物好きで有名な初江王に癒しを与えるなどしたらしい。今日はどこに行こうか悩む漢さん。初江王から鬼灯が動物好きだと聞いたのを思い出し、忙しい鬼灯に癒しを与えようと閻魔庁に赴くことに。はたして、漢さんを前にした鬼灯の反応は?