白昼、惨劇は突然に訪れた。私立藤美学園の昼下がり、校門の前に謎の不審者の姿が。事態の収拾にあたる教師たちだが〈奴ら〉は男子教師の腕に噛み付くと、他の教師たちも次々と〈奴ら〉化してしまう。正体不明の侵入者により藤美学園は一瞬のうちに殺戮の舞台に。その出来事を目撃していた2年生の小室孝は、ただならぬ事態に幼馴染の麗の身を案じ教室へと急ぐ。
〈奴ら〉の侵入により藤美学園は混乱をきわめていた。平野コータはその状況下でも冷静な高城沙耶と行動を共にする。一方、屋上の天文台に立てこもる孝と麗は、警察官である麗の父親に連絡をとろうとするが携帯電話が不安定でうまく繋がらない。そして今にもバリケードを破りそうな〈奴ら〉を前に、孝たちは屋上からの脱出を決意する!
職員室に逃げ込んだ孝たちは世界中で同じ現象が起きていることを知る。生き残りの中には古武術の心得もある毒島冴子の姿もあった。冴子は生き延びるためにはチームを組むことが大切だと説く。孝たちは校医の鞠川静香が運転するマイクロバスで学園からの脱出を試みようとするが、校門の前には、いつの間にか増え続けていた〈奴ら〉の姿が!
鞠川校医が駆るマイクロバスで学園を脱出した一行は幹線道路の渋滞で身動きが取れなくなってしまう。別行動となった孝と麗はバイクで警察署を目指すが、無人と化した街には無残な日常の残骸があるのみ。二人は給油のためガソリンスタンドへ立ち寄るが、そこには物陰から麗をみつめる不穏な視線があった。
渋滞で遅々として進まないバスの中で、状況を的確に分析する沙耶たちは混乱の中で生き残る方法を考えていた。一方の孝たちも合流を急ぐが、他の生存者からの襲撃や当局による交通規制などで思うような動きがとれない。そんな中、鬱屈としたムードのバスでは教師の紫藤を中心に不穏な勢力が出来上がりつつあった…
静香の友人宅で束の間の休息をとる孝たち。入浴中の麗、冴子、沙耶、静香たちをよそに、ロッカーから武器を入手した孝とコータ。銃器についての深い知識を持つコータに孝は畏敬の念すら覚える。一方、市街地では橋の警備に当たる警察が混乱を極めていた。指揮系統がダウンした警察は“治安維持”のためある判断を下す。
静香の友人リカのメゾネットでのつかの間の休息。孝たちは〈奴ら〉で溢れかえったこの街では「全ての命あるものを救う力などない」と悟る。〈奴ら〉だけでなく極限下での理性を無くした人間同士の醜い争い…今しも少女が〈奴ら〉の手に落ちようとしたその時、コータの銃が火を噴く!
警察の配備が薄い御別川・上流に着岸した孝たちは武装を整え沙耶の自宅を目指すことに。堅牢なハンヴィーを駆って進むが、住宅街においても圧倒的多数の〈奴ら〉に押し込まれてしまう。仲間のピンチに沙耶までが武器を持ち〈奴ら〉へ立ち向かう。消耗戦となり、やがて弾丸も尽き、覚悟を決めたその時…。
別ルートから沙耶の家を目指すことになった孝と冴子。日没により神社での一泊を余儀なくされた二人だが、そこで孝は冴子の心の闇を知る。迫りくる<奴ら>…まるで狂気の表情すら浮かべ次々と討ち取っていく冴子。孝は冴子の全てを受け入れると叫ぶ!
沙耶の家に到着した一行。高城家のまわりでも更に増え続ける<奴ら>。 絶望的な状況、そして大人たちの集団の中で、そこに飲み込まれるか否かが必要だと説く沙耶。屋敷の大人たちから詰問を受けたコータは沙耶の父、壮一郎の前で力強く「沙耶を守りぬく!」と誓う。
現実から目を背け、状況を受け止めきれない大人たちと、 数々の修羅場をくぐり抜けてきた孝たちの間には埋めることのできない決定的な溝ができていた。 リーダーとしての自覚に目覚めていく孝。 一方、<奴ら>のパンデミックは世界同時多発的に広がっていた。 コントロールを失った世界の大国から核ミサイルの閃光が走る!
大気圏上層で核弾頭が爆発。 電磁パルスにより集積回路がダウン、電子機器が不能となった。 高城邸に猛然と雪崩れ込む<奴ら>。 応戦する孝たちだが、この状態での消耗戦は不利と判断する。 ハンヴィーを駆って高城邸脱出を決意する孝、麗、冴子、沙耶、コータ、静香、そしてありす。 この先、彼らにはいったい何が待ち受けているのか。
岸田教団&THE明星ロケッツ - 学園黙示録