いま太陽観測は、かつてない黄金時代を迎えている。日本の太陽観測衛星「ひので」やアメリカの「SDO」など宇宙から望遠鏡で太陽を観測する衛星は6つにもなる。これによりダイナミックに活動を続ける太陽の姿が、これまでになく詳細に捉えられ続けている。 くしくも今、その太陽に異変が起きている。地球上の生き物を支える母なる太陽の活動が、停滞しているのだ。しかも、近代観測始まって以来最低のレベルという。このまま太陽活動が低下つづけると、地球に影響があるかもしれない。実は過去にも太陽活動が、長く低下した時期があり、さまざまな調査の結果、当時の地球の気温が低くなったという。 太陽活動と地球環境の間にはどのような関係があるのか? 迫りくる太陽の異変を、最新の観測成果をもとに紹介。
オリオン座の赤い一等星「ベテルギウス」は、まもなく死の時を迎える年老いた星。その大きさは太陽の1000倍と巨大だ。しかも最新の観測から、ベテルギウスは太陽のような丸い形の星ではなく、巨大なコブを持ち、ガスを猛烈な勢いで吹き出す荒ぶる巨星であることが明らかになった。さらにベテルギウスは間もなく死の瞬間をむかえ、大爆発し壮絶な最期をとげると予測されている。超新星爆発だ。爆発の3時間後には明るさは満月のおよそ100倍のまぶしさで輝き、その様子は昼間でも見えるという。いま世界中の科学者が注目する赤い巨星ベテルギウスに迫る。
中央アメリカの密林で2千年にわたって栄え、16世紀に滅亡したマヤ文明。 2012年の終末予言をしたとも言われるマヤは、今も多くの謎に包まれている。ピラミッドをはじめとする遺跡の天文学的な分析や、天体の観測結果が記された古文書の解読などから、マヤは天文学を高度に発達させていたことがわかってきた。マヤの太陽暦の精度は"4千年で1日の誤差もない"というほどで、同時代では世界一の正確さを誇った。望遠鏡はもちろん、金属すら用いなかったマヤの人たちの暦を支えたものは、数百万という膨大な数字を簡潔に記すことができるマヤ数字や、ロング・カウントと呼ばれるマヤ独特の時間概念の存在だった。近年急速に進みつつある象形文字の解読や、遺跡の調査から、マヤ天文学の秘密に迫る。
2011年夏、135回目のフライトを最後に、30年にわたって世界の宇宙開発をリードし続けてきた宇宙船スペースシャトルがその歴史の幕を閉じる。"ポストアポロ計画"として打ち出され、地上と宇宙を人と物資が頻繁に行き来する"宇宙往還型宇宙船"スペースシャトルの実現には、全く新しい設計思想と製造技術が必要だった。設計コンセプトは開発途中で何度も変更、エンジンや耐熱タイルの開発は難航を極めた。1981年4月、初フライトにこぎ着け、以来30年、5機のシャトルで400名近い飛行士を宇宙へ送り届け、ハッブル宇宙望遠鏡や国際宇宙ステーションと いった人類の夢を次々と実現してきた。2度の悲劇に見舞われながらも、そのたびに不死鳥の様に復活してきた歴史を振り返り、人類の宇宙への夢を紡ぎ続けたシャトルの軌跡を追った。
小天体の地球への衝突。数多くの映画で描かれてきたこの話は、決して空想の物語ではない。2006年、NASAが米連邦議会に提出した書類によると、地球に衝突する可能性のある小天体は、およそ2万個にのぼると報告された。そんな中、2029年に衝突する可能性のある小惑星「アポフィス」が発見される。徹底した追跡観測の結果、地球から32500キロというギリギリの距離を通過することが分かった。しかし脅威はアポフィスだけではない。世界各国の天文台は協力して、地球に衝突する可能性のある小惑星を発見し、その軌道を把握するための観測を行っている。さらに、NASAでは、衝突を回避する手段の研究も進められている。知られざる天体衝突の実態と、それを防ぐための研究最前線に迫る。
強烈な重力で、近づくものは何でも飲み込み、光さえも逃れられないという「ブラックホール」。その存在を最初にみいだしたのは、観測ではなく人間の脳だ。しかし、ブラックホールの存在をめぐっては、半世紀におよぶ激しい論争が繰り広げられた。このブラックホールに、観測から迫る上で、大きな貢献をしたのが日本人科学者であった。独創的なその観測のアイデアも元となったのは、ペットショップで見た意外なものであった・・・ 最新研究から、ブラックホーがひきおこす奇妙な物理現象、さらには実現に向けて動き出した見えない天体・ブラックホールを"直接見る"という試みも紹介。見えざる天体ブラックホールを追い続ける科学者たちの挑戦の物語。
1969年夏、人類初の有人月面着陸を成し遂げたアポロ11号。持ち帰った月の石は「人類の宝」と呼ばれた。しかし調べてみると石のほとんどが地球にもあるありふれた玄武岩だった。アポロ11号では月面の移動手段が徒歩だけで、狭い範囲しか探査できなかったためだ。急きょ、貴重な月の石を求めて月面車開発が始まる。ただ開発に許された期間はわずか1年半。しかも難題は山積だった。そのような中で人類初の月面車を完成させた陰には、月着陸船のわずかなスペースに月面車を格納するための秘策や、軽くて走行性能がよいタイヤを生み出す奇想天外なアイデアなど、技術者たちの血と汗のドラマがあった。そして月面車はアポロ15号から搭載され、月面を縦横無尽に走り回り、月誕生の謎や月のたどった歴史を明らかにする大発見へと導いた。アポロ計画最後の難関といわれた月面車の開発秘話を、当時の貴重な記録映像をもとに描く。
2012年中にもアメリカで、宇宙新時代の幕開けとなる民間の宇宙旅行が行われようとしている。今まで宇宙開発は国家事業であったのが、いまや民間企業の参入が急速に進んでいるの。その最前線が、アメリカ・カリフォルニア州の砂漠の中にある町・モハベ。14社のベンチャー企業が集結し、次世代の宇宙船の開発でしのぎを削っているさまは、まさに宇宙版シリコンバレーの様相を呈している。この民間宇宙開発の発端となったのは、1人の技術者バート・ルターン氏の挑戦だった。2004年6月、ルターン氏が率いるわずか20名余りのエンジニアが作った宇宙船「スペースシップワン」で、民間として初めて有人宇宙飛行に成功したのだ。今、民間企業による宇宙開発は、宇宙船にとどまらず、宇宙港や宇宙ホテルにまで広がっている。想像を越えるスピードで進む民間による宇宙開発の最前線を追った。
南半球の夜空に輝く天空の雲「マゼラン雲」は、見かけの大きさが満月20個分という巨大な天体だ。人類は百年以上にわたって、マゼラン雲の正体を追い続けてきた。21世紀に入り南半球の巨大望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡での観測により、マゼラン雲の星々の一粒一粒まで鮮明に捉えられるようになり、ついに驚きの正体が明らかになる。そして遙か130億年前の宇宙誕生まもない時代の謎を解く鍵だとわかった。研究最前線に密着。
40年以上も前のこと、宇宙から届く極めて規則的な信号が見つかった。研究者は宇宙人からの信号ではないかと考え、緻密な調査が行われたがその正体はわからず、大騒ぎとなった。この規則的なパルスを出す新天体「パルサー」だった。 そのパルサーの正体を探る研究者たちの挑戦の様子を紹介する。さらに最新研究により、私たちの身近にある金などとの深い関わりも紹介。
数千億個もの星々が群がる銀河。そのほとんどの中心に、太陽の数百万~百億倍もの質量をもつモンスター・ブラックホールが見つかっている。しかも観測によれば、銀河とモンスター・ブラックホールの大きさは奇妙な一致を見せていることも解ってきた。今や銀河を支配する宇宙の主役ともいわれるモンスター・ブラックホール。宇宙137億年の歴史の中で、大いなる役割を果たしたというモンスター・ブラックホールの謎に迫る。
宇宙で最初に生まれた星々、太陽の百万倍の明るさで青白く輝く「ファーストスター」について。
高度な天文知識はどのように生まれ、なぜ歴史の闇に消えたのか、世界最古の天文盤が秘めたロマンを解き明かす。
着陸以来1年に及ぶ火星探査車キュリオシティと、地球上でそれを支えるクルーたちの奮闘。
ロバート・オデール[2]の研究を辿りながら、ダイナミックなオリオン大星雲をCGで再現。
宇宙から地球にもたらされた宝物、隕石。その最前線に迫る。
最新のシナリオをもとにシミュレーション映像を交えて、火星改造、テラフォーミング計画の最前線を描く。(出)クリストファー・マッケイ(英語版)
日本の天文学者が発見した2つの超巨大なモンスター銀河「ヒミコ」と「オロチ」。なぜ太古の宇宙でこのような巨大な銀河が存在したのか。
巨大隕石衝が恐竜絶滅の原因とされているが、かつてそれは否定されていた。巨大隕石衝が恐竜絶滅の所以となったかを無名の地質学者達が証拠の裏付けを取り解明してゆく。