ダイナマイトを腹に巻いた男(泉谷しげる)が、「警視総監に会わせろ!バカヤロー!コノャロー!」と警視庁にやってきた。亀山薫(寺脇康文)がまたドジをふんで・・・人質になってしまう。ダイナマイト男は薫を人質に警視総監室に篭城する。警視庁特殊犯はヘリコプターからダイナマイト男を狙撃しようとするが薫が邪魔になって思うようにならない。そうこうしているところに杉下右京(水谷豊)が警視総監室の中へ・・・。 右京の機転を利かせた判断でダイナマイト男を無事逮捕。だが、そのダイナマイト男は別の事件のカギを握ることになる・・・。 警視庁の上層部は特殊班の邪魔をするような右京らの勝手な行動にカンカン。せっかく逮捕に協力したのに…。納得いかない薫は怒り心頭、勢いで同棲相手の美和子(鈴木砂羽)とも大げんかをしてしまう。 ムシャクシャする薫は出庁もせず、デパートでブラブラ。トイレへ入ると、紙袋を抱えた男(矢島健一)が飛び込んできた。その男はトイレに紙袋を置き忘れていった。薫は紙袋の中に入っていた社員証を頼りに、その男の勤務先へと向かう。が、現れたのは秘書室次長の麗子(純名りさ)という美女。持ち主の男・三木は休暇中だという。薫は美しい麗子に少し心を動かされつつも、紙袋を返す。 翌日、三木の水死体がとある川から発見された。所轄署で三木の遺体の状況 などを調べた右京は、何者かが三木の所持品を調べていた形跡を発見。薫の話ではあわててトイレに駆け込んできたというから、もしかして何者かに追われていたのかもしれない。ということは酔って川に転落したという事
美和子(鈴木砂羽)とランチを、とひとり高層ビルの最上階にあるレストランに出かけた薫(寺脇康文)。彼女が来るのを待ちながらふと外を見ると、近くのビルの屋上で今にも投身自殺しようとする女性を発見する。 「ウソだろ、オイ!」。 あわてて飛び出しビルの屋上で彼女を保護することに成功。薫はホッと胸をなでおろすが、なんと女性は「人を殺した」とポツリつぶやいて…。 自らの車の中で男を刺し殺した、という彼女の証言に従い、とある地下駐車場に置かれたままの彼女の車を調べた右京(水谷豊)と薫だが、死体どころか血痕すらない。ひょっとしたら自力で病院に駆け込んだのかも…。薫は現場近くの病院を調べようとするが、例によって捜査一課の伊丹(川原和久)らに邪魔をするなと釘を刺されてしまう。 女性の身元が大学教授で国家公安委員でもある神林寿一朗(山本圭)の妻・淳子(洞口依子)であることが判明。その夫・神林によると、今回の一件は精神的に不安定なところがある淳子の妄想だという。確かに被害者の所在も不明、車からも死体があった痕跡が発見されないとあれば、事件そのものがなかった可能性が高い。が、正義感に燃える右京は、怒る幹部の目の前で「奥様が気を病まれた理由は?」と堂々と質問する。神林は平然と自分に愛人がいることがバレてしまい、それが原因で不安神経症になったのだと答える。一応は納得する右京だったが…。 淳子が元芸者だったことを知った右京は、かつて付き合っていた性質のよくない男に金を無心されていたのでは、と推理。薫は伊丹を絞り上げ、淳子が殺したという猪口
歩道橋の上で暴力団員で麻薬の売人の加賀山(桐生康詩)の遺体が発見された。所見では転落死となっているが、それならなぜ歩道橋の上に遺体があるのか。捜査一課の伊丹(川原和久)らは対立している陳風偉=チェン・フォン・ウェイ(立花政治)の仕業ではないか、と推理する。 偶然にも右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、そのチェンを逮捕しようと張り込みを。目の前で麻薬取引の現場を確認、いざ逮捕、と思った瞬間、伊丹らが現れチェンを殺人容疑者として逮捕してしまった。 とんだ邪魔が入り、チェンの仲間を取り逃がしてしまった右京ら。逃げた連中を探せといわれおろおろする薫をよそに、右京はのんびり寄席へと入っていく。高座には昼席のトリ、橘亭青楽(小宮孝泰)が登場。始めはイライラしていた薫も次第に青楽の話術に引き込まれ、右京とともに落語を楽しむ羽目に。が、当の右京は手紙を手ぬぐいで表現していた青楽が、途中から手紙を扇子に変えたことに不審を覚え険しい顔。と、そこへ逃げたチェンの仲間が現れ、右京らはあっさり逮捕に成功する。 すべては犯人が寄席に逃げ込むと読んだ右京のお手柄。右京はその足で薫とともに青楽の妻・美奈子(大西結花)が女将をしている店を訪ねる。実は美奈子は元アイドルの荻野美奈子。以前から彼女の大ファンだったという薫はたちまちご機嫌に。ちょうど店にやってきた青楽との仲の良いところをうらやましげに見つめる。 帰る途中、右京らは加賀山の遺体が発見された現場へ。鑑識のルミノール検査から遺体が階段の下から歩道橋の上まで運ばれたことが確認された。どうや
下着泥棒事件の裏付け捜査をしていた薫(寺脇康文)。順調に確認作業を続けるが、なぜか一件だけ被害者がわからない下着が。不審を覚えた右京(水谷豊)が下着ドロの二木(有薗芳記)に確認すると、その下着をとろうとしたとき近くのコンビニの前に止まっていた車に乗っていたメガネの男に見られたという。その男の証言があれば、下着の被害者がわかるはず。右京らはコンビニで聞き込みをすると、事件当夜、強盗事件があり、警察に通報、大騒ぎだったことがわかる。ということは、コンビニ前の車は覆面パトカーの可能性が高い。右京らは当日強盗事件を捜査した佐古巡査部長(山崎一)らに話を聞くが、メガネの男など見覚えがないという。 しかし、当日の宿直日誌から佐古が強盗事件捜査のあと、酔っ払いを保護していたことが判明。その保護した男は病院に着く前に死亡していたが、その死んだ男こそ二木が見たメガネ男だったこともわかる。 右京は強盗事件の前に保護した酔っ払いを捜査にかまけて車に乗せたままにしてしまい、死なせてしまったのでは、と推理。佐古の上司である織田署長(井田國彦)が本庁への栄転を前に事実を隠蔽した疑いもある。 右京と薫は織田らとの対決を決意するが、自らのクビが飛ぶかもしれない…。このあと特命係のふたりには衝撃の大波乱が待っていた!?
小学校教師・平良(岡部務)がボウガンで胸を刺され殺された。偶然、第一発見者となった小野田(岸部一徳)からこっそり通報を受けた右京(水谷豊)は捜査を開始。目撃者の生徒・守(染谷将太)から話を聞く。図書室でひとり難しい本を読む守によると、本屋へ行く途中、ボウガンを手にした鉄工所の“ろくでなし”と平良が会っているところを目撃したという。“ろくでなし”とは「いい年して親のすねをかじっている馬鹿息子」の佐々木(川口真吾)。これまでにも下校途中の生徒たちをボウガンで脅かし喜んでいたらしい。 頭はいいらしいが、生意気な口をきく守にコケにされ、薫(寺脇康文)は面白くない。そんな薫を気遣うように、教師の恭子(美保純)は「何か失礼なことでも」と声をかけるが・・・。 そんな中、拘束された佐々木の部屋の天井裏からボウガンが発見された。そのボウガンが、今回の事件の凶器であることが判明。佐々木は最重要容疑者となるが、決定的な証拠がない。そんな折り、恭子が以前学校で平良に襲われていた事実が明らかになる。 右京と薫はもう一度、少年と女教師に会いに行くが・・・そこには衝撃の結末が待っていた!
薫(寺脇康文)と親しい情報屋の土田(モロ師岡)が何者かに殺害された。つい先日、薫からの借金を返すと、さらにはぶりよく酒をおごってくれた土田がなぜ…。6歳の息子の養育権を別れた妻から取り戻すため、働くための資金も出来たと言っていたのに…。薫は口惜しさに唇をかむ。 その土田に1億5000万円の詐欺容疑が浮上した。被害にあったフィナンシャル会社の柿崎(田邉年秋)によると、得意先の専務から電話で架空口座に金を振り込むように依頼を受け、あっさりだまされたのだという。架空口座から現金を引き出す土田の姿が防犯カメラにもしっかりと映っている。薫は信じられないとショックを隠せない。が、右京(水谷豊)は初犯にしては手口が鮮やか過ぎると土田の犯行に疑問を。薫は右京と一緒に土田の汚名をそそぐ決心をする。 土田の遺体から、右京が以前訪ねたことがある美術館の半券が発見された。その美術館の館長・アヤ(根岸季衣)は、右京が好きだった秋山緑風の「光る風の少年」を買い戻すことになったと嬉々としている。その美術館の学芸員から土田が美術館で何もせずベンチにすわっていたことを確認。あの土田が美術館に?右京と薫は、土田の意外な行動に首をかしげるが・・・そこには刹那過ぎるほどの結末が待っていた!
都内で飲食店を経営する倉沢フーズグループの社長・倉沢(和田周)の他殺体が発見された!倉沢はその経営不振の店の関係者ともめていたという。そんな中で唯一カクテルバー「リメンバランス」だけは黒字で、近々カクテルを缶入りドリンクにして売り出す計画もあった。そのために捜査一課では「リメンバランス」のバーテン・三好(蟹江敬三)を対象外として捜査を進めることに。そんな捜査会議にこっそり出席していた右京(水谷豊)は、そっと席を立ち・・・。 一方、薫(寺脇康文)のもとにロンドンで暮らす美和子(鈴木砂羽)の叔母・アキコ(草村礼子)が突然やってきた。イギリス人の夫を1ヶ月前に亡くしたというアキコ、「日本でどうしても行きたい夫との思い出の店があるから・・・」と帰国したらしい。アキコの思い出の店探しを右京も手伝うことになった。少しの塩気があってミントの味がさわやかで…。そんなアキコの思い出のカクテルの味を聞いた右京は、思いをめぐらして…。 捜査一課では、倉沢が殺される直前に酒を飲んだことが判明した。胃からは梅干とペパーミントの成分が検出された。右京は梅干を手に三好のもとを訪ね、梅干とミントを使ったカクテルを作って欲しいと依頼すると・・・。
フランケンシュタインのマスクをかぶり、若い女性を襲って金品を強奪する通り魔事件が続発した。薫(寺脇康文)が挙動不審な男を職務質問、バッグの中からフランケンシュタインのマスクを発見し、その男・黒岩(長谷川朝晴)を容疑者として逮捕する。が、裁判では薫や捜査一課・伊丹(川原和久)の捜査ミスが指摘され、黒岩は無罪に。敏腕女性弁護士・かおり(松下由樹)の手腕によるものだった。 あくまでも黒岩を犯人と確信する薫と伊丹は、いつものように互いにののしり合いながらも協力して黒岩を追うことに。一方、右京(水谷豊)も独自に捜査を開始し、最近の被害者が犯人を蹴飛ばしていたという新事実をつかむ。裁判では黒岩が取り調べで肋骨を折られたと言っていたが、そのケガは被害者に蹴飛ばされたことが原因では…。無罪を勝ち取りながらも黒岩への疑惑が晴れないかおりも、その新たな事実にショックを受ける。 黒岩が動き出した。マークしていた薫と伊丹ははやる気持ちを抑えつつ、尾行を開始するが…。
右京(水谷豊)の大学時代のチェスクラブの後輩・森島(篠井英介)が勤務する会社で、経理部の人間15人が同じ瞬間に仕事場を放棄、謎の奇行をはたらく!?その隙に、金庫から大金が盗まれるという奇妙な事件が発生した。防犯ビデオには催眠術にかかったように社員が集団で席を立ちあがり、1階の噴水の中へ。ずぶ濡れの社員たち・・・。 経理部の人間の証言ではまるで覚えがなく、気が付いたら席を離れていたという。まさに集団催眠のようだが、そんなことは可能なのだろうか。右京と薫(寺脇康文)は経理部全員の行動記録から、リサ(山本未来)という講師から英会話を習っていたという共通項を見つけ出す。 リサはハーバード大出身の才女。しかも専攻は心理学だとか。リサと犯人を結びつける衝撃の真実とは?そして15人もの人間を煙に巻いた方法とは?
映画監督の仲瀬古(鈴木瑞穂)が、美和子(鈴木砂羽)とのインタビュー中に急死した。10秒ほど停電で部屋が真っ暗になっている間に息を引き取ったらしいが、鑑識の調べによると死因は窒息死。部屋には美和子のほか、スクリプターの玲子(銀粉蝶)しかいなかった。 過去の事件から窒息死と感電死がよく間違われるという事実をつかんだ右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とともに改めて現場を捜査。仲瀬古が部屋では靴を脱いで電気カーペットの上にいたことを知る。電気カーペットをごみ捨て場で発見した右京と薫。さっそく持ち帰って調べようとすると、フルフェイスのヘルメットをかぶった男に襲われて…。 しばらくの間、記憶を失っていた右京と薫。見知らぬ海で意識を取り戻した右京らは、ケガを負いながらも捜査に復帰。やがて美和子の取材テープから電飾の猪野(山谷初男)という男が、仲瀬古が死ぬ直前カーペットの上にコーヒーをこぼしていたことを知り…
特命係が廃止されることになった。右京(水谷豊)は警察庁へ復帰、薫(寺脇康文)は運転免許試験場への配属が決定。納得がいかない薫をよそに、右京は警察庁・官房室長の小野田(岸部一徳)のもとへ出かけていく。 やはり右京がにらんだ通り、今回の廃止、転属は小野田の考えによるもの。どうやら小野田は右京の力が再び必要になったらしい。 15年前、右京は小野田から直々に緊急対策特命係の作戦参謀、つまり小野田の右腕に指名され、ある事件解決のため行動をともにしたことがある。小野田によると、その15年前の事件の関係者がこの1年の間に3人も変死。あの事件が再び頭をもたげ始めているらしいという。その謎を解明するため、小野田は右京を呼び戻したのだが、そんな事情を説明している途中、何者かが小野田をめがけてライフルを発射。銃弾は小野田の頭をかすめ、右京の腹部に命中してしまう。 そんな中、美和子(鈴木砂羽)から、小野田がかつて右京の上司だったことを知らされた薫は、今回の特命係廃止のワケを聞くため、直接小野田を訪ねる。そして、ついに小野田の口から小野田と右京の関係、そして特命係誕生の秘密、小野田が狙われた理由が明らかになるが…。
右京(水谷豊)は薫(寺脇康文)を警察庁へ呼び寄せた。そして、小野田(岸部一徳)のもと、警察庁で15年前の外務省公邸人質篭城事件を洗い直すことになった。15年前、武装グループの人質となったのは、当時外務省条約局長だった北条晴臣(長門裕之)ほか高官が北条邸に閉じ込められた。強行突入の結果、犯人を全員射殺。5人の突入班のうち隊員3名と高官の人質・柳田が流れ弾を受けて死亡したという。柳田以外、北条ほか人質は無事に救出されたが・・・。15年経った今、その人質だったうちの3人がこの1年の間に謎の変死をしている。 右京と薫はまず、公邸料理人をやめて現在レストランを経営しているという、15年前の事件の人質の生き残り・鈴原(川島宏知)を訪ねるが、鈴原はすでに何者かに殺されていた。 現場の状況から鈴原が殺される直前、北条が鈴原の店に来ていたのでは・・・。 右京と薫は北条を訪ねた。 するとそこには、ひとりのミステリアスな女性の影が・・・。北条の身の回りの世話をするかわりに、学校に通わせてもらうなど養ってもらっている蘭子(池脇千鶴)である。数日前「やなぎだくにお」という人間から北条宛てに手紙が舞い込んだという。北条は手紙を読み、かなり狼狽していたらしいが、なぜ死んだ人間から手紙が届くのか…? 右京らは、15年前の突撃隊員のひとり、石嶺(森本レオ)から突撃した当時の状況を聞く。彼の話によると、石嶺は隊員の萩原(内藤剛志)とともに少し遅れて突入。先に入った3人の隊員は人質のいる2階で犯人と撃ち合っていたが、銃撃戦の音がいったん静かになると、そのあと
元検事で“平成の切り裂きジャック”とあだ名された死刑囚・浅倉(生瀬勝久)が脱獄。薫(寺脇康文)に連絡をとってきた。特命係時代、右京(水谷豊)とともに浅倉の正体を暴き、逮捕へと追い込んだ薫。「いったい何を考えているんだ!?」と、美和子(鈴木砂羽)とともに浅倉が隠れている場所へと駆けつけた薫は、浅倉に怒りをぶつける。そんな薫に浅倉は、右京の手で小暮ひとみ(須藤理彩)という女性を殺人容疑で逮捕して欲しいという。浅倉は数年前、とある薬科大学で発生した教授殺人事件の容疑者として取り調べたことがあったが、証拠不十分で釈放。事件はそのまま迷宮入りしたが、浅倉によるとひとみからは自分と同じ殺人犯の匂いがしたという。浅倉は薫に念を押すと再び連行されていく。
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)の追及に犯行を自供したひとみ(須藤理彩)が、直後に服毒自殺を図った。幸い一命を取り留めたが、勝手な捜査でひとみを追い詰めたと判断された右京らは処分が下るまで謹慎するよう命じられる。「謹慎か…」。さすがの薫も肩を落とすが、なぜか右京は闘志満々。「売られた喧嘩は買います、そして必ず勝ちます」。右京は命令を無視し、ひとみにお詫びと言いながら花束を手渡す。しかしそれは新たなる宣戦布告だった…。 改めてひとみの周辺を調べた右京らは、ひとみの母親が7年前に病死していたことをつかむ。ひとみの父も愛妻家だったらしく家族関係は良好だったようだが、なぜかひとみの部屋にはひとみと父親の写真しかなかった。愛妻家の父が亡き妻の写真を飾らないわけがない。どうやらひとみはファザコンで母親にヤキモチを焼いていたらしい。
ある日曜日の夕方。不眠に悩まされる右京(水谷豊)は、予約を入れたメンタルクリニックの扉をノックした。しかし診察室からの応答がない。そっと扉を開くと、ドアは内側からガムテープで目張りされ、室内からは鼻を刺す亜硫酸ガスの異臭が…。 そのころ薫(寺脇康文)は同棲相手の美和子(鈴木砂羽)とお見合いパーティーに参加していた。参加者が足りないためのサクラ、とは半分言い訳、実は美和子がお見合いパーティーに参加することを心配しているようだ。と、そこにはなんと捜査一課の伊丹刑事(川原和久)の姿が。どうやらマジで参加しているらしい。斎東リカ(加藤貴子)と七森雅美(中島ひろ子)という女性と話をしている伊丹にさっそく近寄っておちょくる薫。そしてパーティー会場ではくじ引きでペアを組みカップルを作るというイベントが。薫は暗い感じの大人しい雅美とペアに、伊丹はなんと美和子とペアになってしまい不機嫌になる。
大企業・神田グループのトップ、神田喜一(中原丈雄)が人を殺したと自ら通報してきた。酔っていたため記憶ははっきりとしないが、庶民的な飲み屋が並ぶ人生横丁で行きずりの男をビール瓶で殴り殺してしまったという。 しかし神田ともあろう人間が庶民的な人生横丁などで酒を飲むのだろうか。不審を抱いた右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とさっそく聞き込みを始める。が、どの店にも神田がやってきたという形跡はない。神田の妻・礼子(五十嵐五十鈴)の話では神田が家を出たのが深夜1時ごろ。自宅から人生横丁まで車で1時間はかかるが、人生横丁の店は遅くても深夜2時には閉まってしまう。ということは、神田は人生横丁で酒など飲めるはずがない…。
とある個人経営の外科病院で手術中に患者が死亡するという騒動が起きた。執刀医の手術ミスという噂も聞かれたが、死んだのは執刀した青木周作医師(鶴見辰吾)の実の父・征十郎(梅野泰靖)。これでは訴訟にもならず事件にはなりそうにないが、なぜか右京(水谷豊)は興味を示す…。 周作を取材しようとして断られた美和子(鈴木砂羽)のもとに、周作の病院に勤める外科医・小林(坂上忍)から電話が入る。小林は迷った挙句、征十郎の死は周作による手術ミスが原因だと言い切る。小林によると征十郎の死因は、周作が動脈を傷つけたことによる出血多量。小林のフォローも間に合わなかったという。なぜ今さら、という右京らの問いに小林は、過去に2度も医療事故を起している周作は医師免許を返上すべきだ、という。
衆議院議員・蜷川輝政(十貫寺梅軒)の変死体が産廃処理場から発見された。遺体は両手、両足など5つに切断された上にまっ黒焦げ。鑑識の米沢(六角精児)から写真を見せられた薫(寺脇康文)は思わず目をそむけるが、右京(水谷豊)は冷静に分析し始め、さまざまな角度から撮られた写真を見つめる。 どうやら政治家の汚職を常に追及していた蜷川は、かつて暴力団に襲われて重傷を負ったこともあるらしい。今回も事件が明るみになってまずい関係者による謀殺という見方が有力なようだ。しかし、右京は蜷川の遺体そのものに疑問を抱く。切断するのも、焼くのも、遺体の身元を特定しにくくするため。なぜ犯人は見ただけで身元がわかるぐらい中途半端に燃やし、せっかくバラバラにした遺体をまとめて捨てたのか…。
久々の記録的な寒波に襲われた東京で会社員の池永という男の凍死体が発見された。都内では凍死者が続出していたが、池永の遺体は心臓まで凍りついていたという。鑑識の米沢からそんな話を聞いた右京は興味を示す…。 調べを進めると、都内で発見された9件の凍死者のうち、心臓が凍っていたのは池永のみだったということが判明する。薫も首をかしげるが、捜査一課では事件性はないと判断。右京らはまたも独自で調べを始めるが、既に池永の財布を盗んだという男が拘束されていた。単なる昏睡強盗の仕業だったのだろうか?しかし男は倒れていた池永から財布を奪っただけで酒など飲ませていないという。しかも男が財布を盗んだときには、池永は汗をかいていたとか。心臓が凍りついていたのに汗を?右京らはますます悩みを深くする…。
ある日、美和子と待ち合わせていた薫は、男から金をもらってホテルへ行こうとする女性を拘束した。その女性は北海道警が売春と売春斡旋で逮捕、公判を前に逃亡していた沙雪という女性だった。偶然とはいえ札幌地検へ沙雪を送り届けることになった薫。右京の許可をもらい、周囲から嫌味を言われつつも無事札幌へとやってくる。 札幌では美濃部と北川という2人の刑事に沙雪を預ける。しかし、その途端に美濃部が沙雪に激怒。北川によると、美濃部は沙雪が中学生の時から補導していたらしい。沙雪の母・みどりからホストクラブの加茂内という男にだまされ、売春を始めるようになったと聞き、薫はさっそく加茂内のもとへ。しかしいくら問い詰めても証拠がなければどうしようもない。
加茂内に情報を流していたのは北川刑事だった。その北川は加茂内を殺し、真相を知ってしまった美濃部も殺害。さらに沙雪に接近したところを、右京と薫が無事逮捕にこぎつけた。そのとき沙雪を守るように例の50過ぎの男が姿を現した。北川が放った銃弾で傷ついた男は工藤といい、「私は人を殺しました」という言葉を残し病院から姿を消してしまう。 工藤とは一体何者なのか。右京らは病室に残された「みどり」というマッチを手がかりに、その店を訪ねる。するとその店は小樽にある沙雪の母・みどりが営む小料理屋だったことがわかる。案の定、工藤はよく店に来ていた。そして常連となった工藤にみどりが沙雪のことを相談したらしい。それで工藤は沙雪の後を追うような行動をとったのだろうか…。
都内各地で次々と子供たちが誘拐される事件が発生した。大規模なテロか!?警視庁も人手が足りなくなり、普段は仕事など回ってこない特命係の右京と薫も駆り出されることになる。 事件は15人もの子供たちが誘拐されるまでに発展し、右京と薫は事件に巻き込まれた児童養護施設を訪れる。施設は学園長のちとせと副園長の則彦夫妻が経営しており、誘拐された純平君はちとせ夫妻の実子ではなく、施設に預けられた子供だった。そんな純平と同じような境遇の子供たちが心配そうに右京らを見つめている。犯人から要求された身代金は1億円。ちとせは警察の準備金に頼ろうとするが、数が数だけに手配できるかどうかわからない…。 そして右京と薫が児童養護施設で待機していると、犯人から2回目の電話が入った。要求は「金をデイバッグに入れて都庁前の都民広場へ行け」というもの。犯人は金を運ぶ人間を女性に限定、都民広場にはデイバッグを抱えた女性たちが集合する形になる。そんな折り、被害者の一人で船村エリという女性の携帯に犯人から連絡が入る。新宿駅の高速バスターミナルからバスに乗れ、という指示だったが、行き先はバラバラだ。警察はそれぞれをマークすることにするが、そのとき母親が16人いることに気が付く。まさか犯人が紛れ込んでいるのか…?一瞬緊張が走ったが、どうやら警察に通報して来なかった被害者だったことが判明する。結局、16人もの子供たちが誘拐されたことに…。 状況を無線で確認した右京と薫は、バスに同乗しようとするがチケットは売り切れ。犯人が買い占めてしまったようだ。仕方なく右京らは
警視庁警務部勤務の湊とOLの里香の心中と思われる遺体が発見された。小指と小指を靴紐で結び、かみそりで頚動脈を切っていた。妻のある湊にとって里香は不倫相手。しかも無理心中とあっては警察にとって大スキャンダルになってしまう。上層部は心中ということで細かいことには目をつぶろうとする。 そんな中、湊の上司だった大河内が特命係にやってきた。「湊が女と心中するとは思えない」という大河内は、右京と薫に調べて欲しいという。断れば聴聞会にかけられる可能性もある。右京らは大河内の依頼を引き受けることにする。 改めて遺体を調べた右京らは里香の傷が自分でつけたものではないことを確認する。どうやら先に里香を殺してから、湊が自殺したらしい。これが無理心中ということになれば殺人事件だ。捜査一課の伊丹らも動き出す…。 里香がアルバイトをしていた店のママによると、湊が里香に一目ボレし、二人の関係が始まったらしい。里香もすっかり湊に惹かれていたようだったが、肉体関係はなかったという。そんな2人がいきなり無理心中などするのだろうか?しかも、積極的だった里香からではなく、湊から無理心中を仕掛けるとは…。右京らは首をかしげる。 事件を無理心中で立件しようとする動きの裏には上層部の権力争いが絡んでいるという情報も入る。様々な思惑が絡み合う中、捜査を続ける右京と薫は、現場検証の写真からホテルの部屋に湊と里香以外に誰かが来ていたことをつかむ。男と愛人、そしてもう一人となると、男の妻である可能性が高い。右京らは湊の妻・杏子が事件に深く関わっているので
オカマバーのママ・ヒロコが思いを寄せていた青年実業家・坪井を歩道橋から突き落とした容疑で拘束された。しかし、ヒロコは坪井の後をつけたことは認めたものの、歩道橋から突き落としたのは別の女性だと証言。薫に助けを求める。が、状況的にヒロコは不利。そんな中、右京はヒロコの証言をもとに女性の似顔絵を作らせると、その女性が坪井との間で仕事上のトラブルに巻き込まれていた留奈であることを突き止める。右京らは留奈と会い事情を聞こうとするが、なんと留奈には留美という双子の妹がいることがわかった。 ヒロコも坪井を突き落としたのは留奈なのか留美なのか区別がつかない。事件発生時、留奈はとある喫茶店にいたとアリバイを主張。しかし、妹の留美も留奈が行っていたという喫茶店に自分も行っていたという。もちろん喫茶店の店員には客が2人のうちのどちらなのか見分けがつくはずがない。 留奈か、留美か、どちらかが犯人ではあるものの、どちらとも喫茶店にいたと言っている以上、特定することができない。ということは、訴訟も出来ず完全犯罪が成立することになってしまう。さすがの右京も2人の巧妙な“口裏合わせ”に脅威を感じる。 万策尽きた右京は、現場ではなく喫茶店を訪ね、留奈と留美のどちらがいたのかを証明しようとする。しかし、指紋採取の結果、出てきたのは留奈、留美両方の指紋が。さらに当時の喫茶店の状況を個別に聞くと、それぞれにまったく同じ答えが返ってくる。どうやら口裏合わせも完璧らしい。 右京は強い信念のもと、さまざまな角度から事件を見つめ直すが…。 被害者の坪井
死刑判決を受けながら脱獄していた薫の友人で、“平成の切り裂きジャック”こと浅倉が、ホームレスとなっているところを拘束された。騒ぎを聞きつけた薫は浅倉と対面するが、まるで薫のことなど記憶にない。心因性の記憶喪失では仕方がない。自らが犯した過去の罪もすべて忘れてしまった浅倉に、薫はやり場のない怒りを抱え込む。 最高検察庁次長検事の千登勢は、浅倉に対して1日も早い刑の執行をと画策するが、肝心の臼井法務大臣が死刑執行命令にサインしようとしない。苛立つ千登勢は臼井に直談判するが…。 薫は千登勢の部下で法務省刑事局刑事課長の紘子に間に入ってもらい、なんとか浅倉との面会にこぎつける。が、やはり記憶は戻っておらず、断片的に母親を殺した記憶が顔を覗かすだけ。紘子は右京からの受け売りで提案してきた薫の話を参考に、思い切って催眠療法を試してみることにする。 その催眠療法の1回目が行われる日の朝、浅倉が自殺体で発見された。紘子は拘置所の刑務主任・中津から、部下の刑務官たちから浅倉が殺されそうになるVTRを見せられる。浅倉が脱獄するときに刑務官を殺したことを根に持っていたらしい。自殺の原因はそんな拘置所の状況にあったのかも。紘子はVTRを千登勢に見せて相談。マスコミへの露出を気にしながら、刑務官たちの処分を検討し始める。 薫は浅倉が自殺した独房を映したビデオ映像を、拘置所が提出を拒んでいることを聞き出す。何か知られたらまずいことでもあるのか。右京と薫は紘子と会い、ビデオについて質問するが、刑務主任が刑務官らの暴行ビデオを抜き取った際
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、古谷の自宅2階のトイレの壁に今回の事件と設定がそっくりなストーリー案が書かれているのを発見。偶然とは思えないと夕月(羽田美智子)、松永(岡田浩暉)に話を聞きに行く。2人を犯人とにらむ右京は、今回発見された事実をもとに2人を追い詰めようとするが、逆に夕月から松永と婚約したことを知らされる。夕月が犯人ならあえて婚約を発表するなどと疑われることなどするだろうか。夕月の不敵な挑発に右京も納得せざるを得ない。右京は改めてトイレのメモを見たかと夕月に確認すると、2階のトイレは古谷専用だったため入ったこともないという。 夕月がトイレに入ったという証拠が見つかれば、夕月を追い詰めることができる。右京と薫は改めてトイレ周辺の捜索を。が、何も見つからずイライラを募らせていると、薫がトイレのスリッパのウラについていた女性のものと思われる髪の毛を発見した。薫のお手柄にさすがの右京も舌を巻くが…。
ある日、右京(水谷豊)はふと立ち寄った書店で女性から広い支持を集めている女流作家・沢村映子(筒井真理子)のサイン会に巻き込まれてしまう。丁寧に説明したはずなのに、名前を右京ではなく左京と書かれてしまう。小さく溜息をついていると、映子の担当らしい編集者が何やら話している声が聞こえてくる。 「先生、今日は輝いているわねえ」。 「スポットライトが好きな人だから」。 輝いている、と言った女性に対し、男性の言葉はどこかトゲがあるように聞こえたが…。 映子の夫・三原健夫(西ノ園達大)が自殺した。新聞記事を見た右京は健夫がサイン会のときにいた男性だと確認。しかも、そのサイン会で買った本「愛の果て」は恋人に自殺された女性を描いたものだ。
捜査一課の要請を受け、薫(寺脇康文)は犯罪被害者の集いの見学へ。姉をストーカーに殺された愛(一戸奈未)が臨床心理士の堀(樋口浩二)から発言を促されるが、いまだにショックが大きく何も言えない。堀の説明によると、被害を訴えた警察からも相手にされず、殺害されたとき白昼にも関わらず誰も助けようとしなかったとか。会が終了した後、薫は堀に挨拶するが、強烈な嫌味を言われ…。 ヤマモトヒロミという人間を殺すという予告電話が警察に入った2日後、予告どおり山本弘己(山本東)という男性が殺害された。その前には同様の手口で伊藤洋子という女性が殺されている。このままでは第3、第4の犯行もありえる。イタズラ電話と放っておくわけにはいかなくなった警察は記者会見を開くが、あまりの無策ぶりにマスコミから激しい非難を浴びてしまう。
バスの中、前の席には死んだはずの浅倉(生瀬勝久)が座っている。 「俺は……殺していない。今度はちがう」。 薫(寺脇康文)にそう告げる浅倉は、そのまま立ち上がって去っていき・・・。 ある早朝、薫は不穏な夢で目を覚ました。殺人鬼と言われた浅倉が死んでもうすぐ1年。薫は美和子(鈴木砂羽)と墓参りへ行く約束をする。 トランク詰めの女性の遺体が発見され、容疑者として浅倉が浮上した。検察庁の検事でありながら売春婦ばかりを狙う連続殺人鬼として“平成の切り裂きジャック”と怖れられた浅倉。逮捕後、死刑が確定していたが、拘置所から脱走。その後、記憶を失いホームレスとなっていたところを逮捕されるが、当時の次長検事の指示で拘置所内で殺害されていた。
野口史明(渡辺憲吉)の部屋。テーブルには蝶の標本と札束が置かれている。「お断りですよ」。テーブルをはさんで対峙する相手を、帰そうとする野口。その時…! 翌日、野口は自室で刺殺体となって発見される。そこへ、熱心な蝶コレクターの染井繁(飯田基祐)が、警察の制止を振り切り飛び込んでくる。「蝶を取り返してください!」。染井は、野口が持っていた世界に2体しかない新種の蝶『ミヤモトアゲハ』の標本のことを言っているのだ。確かに、前日、札束と一緒に置かれていたその標本は、室内から姿を消していた。ミヤモトアゲハの相場は300万円。もし、標本目当ての殺人だとすると、もう1体の持ち主も危ない。杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)はさっそく、保管場所の城南大学へミヤモトアゲハの第一発見者、宮本洋一郎教授(並樹史朗)を訪ねる。
ルポライター・堂島丈一(長谷川公彦)が死亡する。自宅マンションで何者かに襲われ、はずみで窓から転落したらしい。堂島の部屋の机や壁は、気味が悪いほどに傷付けられていた。その上に残る血の跡。 堂島は、大きな賞を獲得したこともある骨太のライター。最近は筆が振るわなかったが、杉下右京(水谷豊)はその実力を認めていた。死亡した日に発売された芸能雑誌には、暴力団がらみの記事と、政治家・古賀由紀男に関する好意的な記事が、堂島の署名で掲載されていた。それを読んだ右京は、どんな記事にも鋭い視点を残してきた堂島らしからぬ、誰にでも書けそうな古賀議員のインタビュー記事に、強い疑問を抱く。右京に勧められ、過去の堂島のルポを読んだ亀山薫(寺脇康文)も同意。堂島が、古賀議員にインタビューしたのかも疑わしい。2人は早速、議員会館へと向かう。
ミリタリーマニアに襲撃され、殺害されたホームレスの所持品の中から恩賜の懐中時計が見つかった。右京(水谷豊)は22年前、旧伯爵家・御手洗邸で発生した強盗殺人事件で恩賜の懐中時計が盗難品として届けられていたことを思い出す。強盗は御手洗家の長男・晃一(佐藤 一平)を殺害して逃亡。事件はそのまま時効となっていた。右京は今回見つかった懐中時計を手に御手洗家へ。認知症を患っている晃一の母・嘉代(馬渕晴子)に時計を見せると、以前書生をしていた里中(横田エイジ)に父があげたものだという。ということは殺されたホームレスは里中なのか?右京は晃一の妻・律子(平淑江)から里中の写真を借りるが、律子は「もう時効だから」と22年前の事件に触れられることをなぜか嫌がる。
行きずりの女性を次々と殺害、片方の耳からピアスを奪うという事件を起こした安斉(高橋一生)が何者かに殺害された。快楽殺人者・村木のカウンセリングを担当していた美咲(奥貫薫)の助手をしているうちに、村木が抱える闇に飲まれ自らも殺人者となってしまった安斉。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)の手によって逮捕されたが、鑑定の結果「刑事責任能力なし」となり不起訴に。世論の批判を浴びた検察は安斉を指定医療機関に強制入院させたが、最近退院が検討され、外出訓練をしていた矢先の事件だった。 安斉の遺体のそばには外出訓練に付き添っていたナースの真帆(石橋けい)も傷つき倒れていた。どうやら犯人は安斉が外出訓練をする時間を狙っていたらしい。
街金の社長・石場(柄沢次郎)が殺害された。後頭部の傷から赤レンガの粉が発見されたことから、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は石場と付き合いがあったワイン評論家・藤巻(佐野史郎)の店へ。そのレンガ造りのワインセラーには高級ワインがズラリと並んでいる。店は大赤字と自嘲気味に笑う藤巻。どうやら購入資金を街金の石場から借りた可能性が高い。街金の社員の話では、生前石場は藤巻と仲が良かったらしいが、ワインの選択で藤巻が石場を馬鹿にすることがあったという。以来、2人は疎遠になったらしいが、それでも石場は裏帳簿まで作り藤巻に金を貸していた可能性がある。さらにカレンダーに残されたメモによると、月に1回は藤巻の店を訪れていた。いったい、なぜ…?
雄一(三村和敬)と亮司(井桁雅貴)という2人の少年が何者かに誘拐された。が、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は粗大ゴミ置き場で眠る2人を偶然発見する。雄一らによると、見知らぬ男にゴミ置き場の中に閉じこめられたというが、犯人像が今一つはっきりしない。伊丹(川原和久)ら捜査一課は、現場周辺をうろついていた不審者・神崎(木下ほうか)を拘束する。雄一らも神崎が犯人と証言するが、神崎は黙秘。物的証拠もなく釈放する。 それでも神崎をマークしていた伊丹らは、神崎が美紀(菊池麻衣子)という元カノに無理やり言い寄ったところを別件で逮捕する。 右京と薫は美紀から事情を聞くが、神崎のストーカー行為に悩まされていた美紀は、誘拐事件があった当日、神崎を呼び出して抗議していたという。ということは神崎のアリバイが実証され、神崎は無実ということになるが…。
薫(寺脇康文)のマンションの隣室に住む欣司(野村宏伸)の妻・麗子(城島あこ)がトイレで変死体となって発見された。折しも薫宅では右京(水谷豊)らが集まって美和子の新作料理を味わっていたところ。さっそく現場で調べるが、まるまる太った麗子はトイレにすわった際に便座を壊してしまい、便器にすっぽりとはまってしまった。夫・欣司が海外出張中のため、誰にも助けてもらえず、そのまま餓死したらしい。なんとも不幸な事故だが、右京は帰国したばかりの欣司の行動に不審を抱く。もし欣司がわざと便器が壊れるようにヒビを入れていたら…。そして、自分が海外出張中に便器が壊れるようなっていたら…。まるでそれは“時限装置”のようだ。はたしてそんなことができるのだろうか?
専業主婦の久美子(奥田由美)が何者かに射殺された。鑑識の米沢(六角精児)によると、凶器はモデルガンの改造銃。銃弾の形などからかなりのマニアではないか、という。 右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は過去の改造モデルガンによる発砲事件を調べ直し、マニアと思われる岩崎(宮崎吐夢)という男をピックアップ。当時岩崎を送検した池波署を訪ねる。 その池波署の組織犯罪対策課には、かつて薫の教育係だった北村課長(金田明夫)がいた。再会を喜び合った後、北村から事件の説明を受ける2人。岩崎は改造モデルガンで猫を撃ち、器物損壊で逮捕されたという。逮捕の決め手となったのは女性の目撃証言だが、実は久美子が目撃者で今回の事件は岩崎の逆恨み?しかし調書によると、目撃者は久美子ではないという。
プログラマーの瀬沼優(山崎勝之)がビルから転落死、他殺の可能性が浮上する。しかし、その証拠となる足痕や現場写真が鑑識の部屋から消失。何者かが奪い去った可能性もあるが、警察関係者の仕業か? 小野田(岸部一徳)のかつての部下で公安幹部の嶋村(宮内敦士)が心臓発作で急死する。不振を抱く小野田は何気に右京(水谷豊)に捜査を依頼。右京と薫(寺脇康文)は、第一発見者の警官の証言で嶋村がサザンカを手に死んでいたことを知る。何か意味があるのだろうか? 右京らは嶋村の部屋を調べるが、そこで盗聴器と小型カメラ、さらに押収したMOディスクから発信機を発見する。何者かが右京らの行動を逐次マークしているらしい。誰が…?
人気ミステリ作家・蓬城静流(荻野目慶子)の夫・田橋(江藤潤)の遺体が発見された。遺書が残されており自殺と見られたが、拳銃に不自然な細工があったこと、クッションと百科事典が一冊現場から消えていたことなどから、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は他殺の可能性を探り始める。 夫の自殺にもなぜか冷静な静流。最近では新作も発表されず、スランプという噂も流れていたとか。田橋の妹の話では、静流は田橋を小間使いのようにこき使っており、夫婦仲も良くなかったとか。が、美和子(鈴木砂羽)によると、年に1回は必ず2人で温泉に行くなどオシドリ夫婦のように見えたという。 しかし、静流のアリバイも曖昧だ。右京らは静流に田橋の死が他殺で、さらに静流がその容疑者であることを直接ぶつけてみる。が、なぜか余裕で受け流す静流は「動機がわかったら教えて」と右京らを挑発する。
タクシー運転手の八嶋(斎藤歩)がおびただしい血痕を残したまま、タクシーから姿を消した。どうやら何者かに殺害されたらしい。酔っ払って路上で寝ていたところを薫(寺脇康文)に助けられた丸田(大河内浩)が容疑者として拘束される。丸田は行きつけのバーで酒を飲んだ後、八嶋が運転するタクシーで帰宅したらしい。 右京(水谷豊)と薫は、丸田がホステスの美紀(遠山景織子)からストーカー被害の相談を持ちかけられていたことをつかむ。タコグラフから八嶋の行動を探ると、八嶋が美紀の尾行していたことがわかる。ということは、八嶋がストーカー? 美紀が丸田に頼んでストーカーの八嶋を殺害させた可能性もある。 しかし、美紀はそんな右京の推理を一笑に付すと、今もストーカーに悩まされているという。が、ストーカーからかかってくる電話に悩まされているはずなのに、着信相手を確認せずに電話に出ていた。右京らは美紀のウソを暴くため、彼女をストーカーからガードするフリを。
かつて右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)に殺人未遂で逮捕された“ついてない女”幸子(鈴木杏樹)が刑務所から脱獄した。すっかり更生した幸子は、あと1年半で出所したら服飾の仕事がしたいと右京らに手紙を送ってきていたのに。健康診断で異状が見つかった幸子は春麗(MEGUMI)という囚人と医療刑務所に送られることになったが、その途中、春麗の仲間らしき男たちが護送車を急襲。実は幸子は春麗脱獄に巻き込まれただけだった。 が、幸子も春麗らとグルかもしれない。捜査一課は検問を張り巡らすが、右京はあえて幹線道路を避け、裏道に検問を集中させるよう提案。中園警視正(小野了)も賭けとも言える右京の提案に「自分が決めたこと」と言い訳しつつ従う。
護送車襲撃は元・城代金融の向島(正城慎太郎)が幸子(鈴木杏樹)への復讐のため仕掛けた罠だった。右京(水谷豊)らは向島らのアジトを探し出そうとするが、幸子は春麗(MEGUMI)の機転で向島らのもとを脱出。奪った拳銃を手に2人で逃亡を続ける。 捜査一課もアジトを発見、向島らを拘束するが、その連絡を受けた右京はふと疑問を口にする。資金力のない向島に今回のような事件を起こせるとは思えない。もしかして向島らを操る黒幕が別にいるのでは…。右京らは戸崎刑務官(久世星佳)をそれとなく締め上げ、犯人と通じていたことを引き出すと、彼女がゴッドという黒幕の命令で動いていたことを知る。ゴッドとは何者か?右京らは取調べ中の向島を締め上げるが、向島もそれが何者で目的が何かはわからないという。ただ、幸子は好きにしていい、もう一人、春麗はビルから放り出せと言われていたらしい。
有名なウイスキー評論家の勝谷(伊藤高)が何者かに殺害された。現場には「PAIRTICHE(パーチー)」「1970」という高級スコッチが残され、勝谷がそのスコッチをオンザロックで飲んだらしいことがわかる。しかし、このスコッチに氷を入れてはせっかくのシェリーの香りが台無しだ。勝谷ほどウイスキーに精通した人間がそんな飲み方をするだろうか。ということは、ウイスキーに疎い犯人が偽装工作を行った? しかし、同時にウイスキーに詳しい犯人が、わざと疎い人間であるかのように装った可能性もある。右京(水谷豊)は不審を抱くが、薫(寺脇康文)は氷を入れたのは勝谷の趣味かも、と疑問を。そこで右京らは勝谷のなじみの店で勝谷の酒の飲み方を調べることにする。
ダンボール箱に仕掛けた爆弾を遠隔操作で爆発させる連続爆弾事件が発生。その犯人が今度はコンビニに置かれたダンボール箱に爆弾を仕掛けた! 犯人はコンビニ店員の佐藤(近藤公園)に電話をかけ、客を人質にとるよう指示。偶然居合わせた薫(寺脇康文)も人質となってしまう。 現場に駆けつけた右京(水谷豊)は、鑑識の米沢(六角精児)から、犯人は半径1km圏内でしか操作できない受信機を使用していることを知らされる。ということは、犯人はコンビニから半径1km以内にいるということか。 が、犯人の携帯の電波を辿ると9km離れた場所を移動していることがわかった。さらにこれまでの爆破は人気のない場所だったのに対して、今回犯人は他人と接触する危険を冒している。右京は犯人の行動に疑問を抱き…。
美和子(鈴木砂羽)がスキーで足を負傷、動けなくなってしまった。さぞや不便をしているのではないか、と右京(水谷豊)とたまき(高樹沙耶)は料理を持って亀山家を訪ねる。 マンションの前で薫(寺脇康文)と出会った右京とたまきは、亀山家の一つ上の階に住む主婦・白鳥寿々美(中島知子)を紹介される。どうやら薫は寿々美にも右京のことをしゃべっているらしい。それぞれの部屋へ向かう途中、4人の話題は犯罪の検挙率に。およそ30%という低さに驚く寿々美。が、右京は殺人事件については約96%で、人殺しはほぼ間違いなく捕まっているとクギを刺すように付け加える。 ほどなく亀山家には角田課長(山西惇)も見舞いに訪れ、部屋は一気ににぎやかに。
死刑囚の錦貴文(久松信美)が獄中で死亡した。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は病死であることを証明するための解剖に立ち合うが、右京は貴文の刑が19年間も執行されなかったことに疑問を抱く。 25年前、解雇されたことを恨み、元上司の妻を包丁で刺すと家に火を放ち娘をも殺害した貴文。無罪を主張したが、いくつかの証拠が決め手となり死刑が確定していた。 しかし、一方で貴文を無罪と信じる弁護士・茂手木(ベンガル)は再審を請求していたが棄却されていた。 右京は当時の裁判官の生き残り、あの三雲判事(石橋凌)から事情を聞くが、三雲は正式な捜査でなければ、と多くを語ろうとしない。 そんな折り、貴文の事件を担当していた黒木警部補(成瀬正孝)が何者かに殺害された。
右京(水谷豊)がロンドンから帰国した。空港まで迎えに来ていたたまき(益戸育江)と仲良く帰ろうとすると、なんと尊(及川光博)も「お迎えに…」とやってきた。たまきを尊に紹介、そのままたまきの車に乗り込もうとした右京だが、たまきに「仲良くしないと」と促され尊の車で送ってもらうことに。 右京を助手席にスポーツカーを走らせる尊。途中、右京は一台の車を止めて職務質問をしている白バイを振り返り、ふと疑問を口にする。「あの白バイは警視庁のようでした…」。 つまり千葉県で警視庁の警察官が取り締まりをするはずがないという。右京と尊は車を止めると、後からやってきた白バイのナンバーをチェック。そのままパーキングエリアへ入っていく白バイを尾行する。 しかし、いくら白バイをさがしても見つからない。パーキングエリアから白バイが忽然と消えてしまったのだ。右京は「徹底的に調べますよ」といい帰国早々捜査に乗り出す。 右京と尊の新しいコンビがいよいよ動き出す!
京都で呉服店を経営する高村の遺体が東京で発見された。手には謎の4桁の数字が羅列された紙の切れ端が握られていた。 高村は死の直前、都内のホテルに電話をかけていたことが判明。右京(水谷豊)と尊(及川光博)がそのホテルを訪ねると、偶然にも尊は学生時代の恋人・唯子(檀れい)と再会する。ぎこちなく言葉を交わして別れる2人だが、なぜかその唯子に不審な行動が見られ、さらには高村が最後にかけた電話と唯子につながりがあることがわかる。さっそく右京と尊は唯子から話を聞こうとする。しかし、唯子は男たちに守られ、ホテルから逃げるように姿を消してしまう。なぜ唯子は警察から逃げるのか? 唯子は高村の死となにか関係しているのだろうか。
大学の農学部の倉庫が大爆発し、心理学科の曽田准教授が爆死した。偶然大学を訪れていた右京(水谷豊)と尊(及川光博)は現場を目の当たりにし、捜査を開始する。原因はLPガスのボンベからガスが漏れて充満。そこにタバコを吸おうと入ってきた曽田がライターに火をつけたらしい。なぜ心理学科の准教授が農学部の倉庫にいたのか?曽田の上司・鶴見教授は教授の座を曽田か、もう一人の准教授・槙子(鳥居かほり)に譲るか迷っていたという。さらにガスボンベのバルブが何者かによって緩められていた可能性も出てきた。曽田と教授の座を狙い争う槙子が事故に見せかけて殺害したのか!? が、曽田のデスクから高性能のカメラが発見され、そこには意外な二人と思いがけない瞬間が写っていた! 右京と尊が深層心理にかかわる事実を明らかにする!
人気女流作家の水元湘子の遺体が自宅で発見された。第一発見者は夫の吉野(近江谷太朗)。文学賞の楯やトロフィー、生原稿がなくなっていたことから熱狂的ファンの川芝が浮上。しかし右京(水谷豊)は最近の資料ファイルがないことに疑問を抱く。また恋愛小説を書く湘子が最近なぜか商社マンの笠井を取材していたことが判明。さっそく商社へ向かう右京だが…。さらに右京がある推理に基づき夫の吉野を追及すると意外な真相が暴かれる!未だ見つからない肝心の資料ファイルの行方を追う右京と尊(及川光博)。そんな彼らを尻目に先回りする謎の男(徳重聡)の姿…。
自宅で死亡した人気作家・湘子のアシスタント・岡崎が自宅マンションの屋上から転落死。屋上で見かけた男を逃した右京(水谷豊)と尊(及川光博)は岡崎の部屋で湘子から宅配便で何かが送られてきたことを知る。逃げた男の狙いは宅配便で送られてきた“何か”だったのではないか。さらに部屋から湘子が取材していた商社マンの笠井らが写った写真を発見して…。屋上から元SAT隊員の上遠野(徳重聡)の指紋が検出された。元SATの上遠野なら、岡崎も湘子も自殺に見せかけ殺害する能力はある。が、その動機が見えてこない。そんな折、写真の分析を終えた米沢(六角精児)から意外な情報がもたらされ…。
イベント運営会社社長・三木の他殺体がオフィスで発見された。現場に落ちていた書籍の新刊案内に目を留めた右京(水谷豊)は、夭折した天才画家・有吉比登治の生涯を描いた小説本から落ちたのではないか、と推測。調べると、三木の会社は有吉の回顧展を請け負っていた。その回顧展では有吉が死の直前に引き裂いた最後の作品『晩鐘』も展示されるという。三木のオフィスを訪ねた右京と尊(及川光博)は、有吉の友人だった榊(米倉斉加年)という老人と出会う。回顧展に提供した有吉の手紙を自ら確認する榊、その作業を見た右京と尊はささやかな疑問を抱く…。 一点の名画に秘められた殺人事件の謎に右京と尊が挑む!
世界を放浪していた立松という男がホテルの非常階段から転落死した。立松の祖母は15年前に殺害されており、時効撤廃がなければ2、3日後には時効が成立していた。海外にいた立松は時効撤廃を知らずに、時効に合わせて帰国した可能性もある。右京(水谷豊)と尊(及川光博)はいまだに事件を捜査している総務課の猪瀬(螢雪次朗)から話を聞く。が、鑑識係の丸山(新井康弘)ともども歯切れが悪い。その後、特命係にやってきた猪瀬は、立松から時効について聞かれたことを明らかにする。事件を執拗に追い続けた猪瀬は苦い過去を抱えているらしい…。その過去とは?立松の狙いは?右京と尊が15年前から転落死へと絡み合う謎をひも解いていく。
惚れっぽい陣川(原田龍二)がひょんなことから知り合った奈緒(京野ことみ)と食事をしていたころ、空き巣に入られてしまった。犯人は鍵を使って部屋に入ったようだが、右京(水谷豊)は陣川が「落とした」という鍵は何者かが空き巣目的で盗んだのではないか、と推理。しかも陣川は前日に駅前に結婚式の引き出物袋を置き忘れていた。右京と尊(及川光博)は陣川と引き出物袋を取りに行くが、陣川の袋は朝一番に来た女性がプレミアの財布が入っているから、と言って引き取っていた!果たしてその女性は何者なのか?空き巣の目的とは?陣川の些細な出会いが、またも意外な事件へと発展する!?
右京(水谷豊)と尊(及川光博)は、角田課長(山西惇)率いる組対5課と、薬物を違法に流している二見会の一斉摘発に参加。が、事務所から男の射殺体が発見された。組員たちが殺人について黙秘する中、厚生労働省の麻薬取締部、通称「麻取」の五月女課長(尾美としのり)が、自分たちも内偵していた二見会の送検を手伝わせてほしいと言ってきた。見返りに薬物の入手ルートなど貴重な情報を、という条件に上層部も承諾する。一方、右京らは、薬物を買った人間が検挙の情報を事前に得ていたかのように逃亡したことを知る。さらに麻取が取り調べを行った翌日、突然、組員たちは死んだ男は銃の暴発が原因だった、と口を揃えて証言・・・。右京と尊が暴く薬物売買摘発の裏に隠された衝撃の真実とは?
あなたは相棒をリアルタイムで目撃する!?午後9時、たまき(益戸育江)と映画に出かけた尊(及川光博)は、帰りに立ち寄ったラウンジのトイレで話し合う2人の男を見かける。席に戻ると、一人(黄川田将也)は美術商らしく高価な景徳鎮の皿を前に商談を行っており、もう一人はそれを離れて見つめている。知り合いなのに、なぜ?尊は骨董マニアを装い、客(阿藤快)の許しを得て商談に割り込んでいく。 そのころ右京(水谷豊)は殺人事件が発生した古美術店に。店主らしい被害者の口からは2000万円もする景徳鎮の皿の納品書が。右京が現場を調べると、次々と奇妙な事実が浮かび上がり…。
崖下から柴田(山本浩司)という男の転落死体が発見された。刃物による傷があることから、何者かに追い詰められて転落した可能性もある。柴田は金もなく、期限切れ間近の保険証と大中小3つの鍵を持っていただけ。 柴田の奇妙な胃の内容物から事件に興味を抱いた右京(水谷豊)は、尊(及川光博)と捜査を開始。今年1月、寮付きの仕事が決まったからとアパートを出た柴田。死ぬまでの11カ月が空白であることがわかる。
2010年夏―。 朝帰りの途中、尊(及川光博)が女性の遺体を発見した。遺体に「妙なものを感じた」という尊に右京(水谷豊)も動き出す。 被害者が警察庁長官官房付き総務課に勤務する絵利子と判明。右京と尊は小野田官房長(岸部一徳)に連絡するがあいにく不在。やはり敵対する警視庁の捜査は拒否…!?
消費者金融の営業担当・折原が自宅に仕掛けられた爆弾で殺害された。犯人は妻の夏実(白石美帆)と娘の旅行中を狙い、リモコンで爆弾を爆発させたらしい。容疑者として、12年前、折原のバイク事故で息子を失った寿子(南果歩)が浮上。が、夫の病死後、パートをしながら質素に暮らす寿子に爆弾など作れるとは思えない。伊丹(川原和久)らは早々に寿子を容疑者リストから外す。 一方、右京(水谷豊)と尊(及川光博)は、犯人がリモコンを操作したと思われる現場で割れたビスケットを拾う。右京と尊は寿子の自宅を訪ねるが、お茶菓子に公園で拾ったものと同じビスケットが。さらに散乱する工具を確認し、右京らは寿子が犯人だと確信する。
6年前、同僚と海に転落、死亡したはずの信川の他殺体が発見された。元妻の彩子(河合美智子)は失踪宣告で多額の保険金を受け取り、シェフである今の夫と再婚。自宅をレストランに改築していた。が、信川が生きていたとなると保険金を返済する必要がある。彩子にも動機があるのだが…。
会社の金を横領して逮捕、2週間前に出所したばかりの市田の遺体が発見された。事故死という捜査一課の判断に疑問を抱いた右京(水谷豊)は、市田が持っていた観光ガイドに印があったオーベルジュへ向かう。 客を装った右京の前には税務コンサルタントの赤堀と君代夫妻、桑原と修子夫妻、そして桑原の弟・副島という先客が。さらにもう一人予約客がいるが、到着していないという。
生け花教師・俊子が絞殺された。右京(水谷豊)と尊(及川光博)は、身分を明らかにしなかった通報者が中学生の祐太(溝口琢矢)であることを突き止める。病気の母親と幼い妹の3人で生活保護を受けながら暮らしている祐太は、面倒なことに巻き込まれたくなかったという。が、右京らはそんな祐太に疑問を抱く。 祐太が俊子と知り合いであることがわかった。本人は俊子を知らないと言っていたが…。尊が問いただすと、祐太は万引きを目撃され俊子に脅されていたという。しかし、その万引きもウソ。なぜ祐太はウソをつくのか?
銀行支店長の樋村が何者かに殺害された。樋村の自宅を調べた右京(水谷豊)と尊(及川光博)は、殺害されたときに着ていたスーツだけがクラシカルなスタイルであることに着目。そのスーツを仕立てた「古谷洋服店」を訪ねる。樋村を担当したテーラーの真紀(青山倫子)によると、樋村は殺害される直前、店に来ていたというが、真紀も三代目の店主・古谷(小松政夫)もアリバイを主張。右京は真紀にスーツを仕立ててもらうことにするが…。
医療刑務所の重病懲役囚の浪岡が殺害された。肝硬変から回復、元の刑務所に戻る矢先の出来事だったが、いったんは認められた仮釈放が取り消され、房で暴れることがあったとか。そんな浪岡をあざ笑うなど、対立していた重病懲役囚の江田(火野正平)に疑惑を抱く右京(水谷豊)と尊(及川光博)。1週間前になって被害者遺族に手紙を書きたいと言い出し、教誨を希望した江田に何があったのか?教戒師の佐野(遠山俊也)によると、ベッドで苦しむ江田を、介護士の洋子(つみきみほ)が何もせず見下ろしているだけ、という騒動があったという。洋子に確認すると、医師を呼ぼうとしたが、江田に制止されたらしい。
右京(水谷豊)に対する差出人不明の告発文が監察室に届けられた。出張中の大河内(神保悟志)に代わって、監察官の栞(堀内敬子)が、捜査権のない特命係が捜査に関与している殺人事件について調査を始める。 ネット証券の寵児で、最近では脱税の噂が浮上していた証券会社社長・金谷の遺体が発見された。米沢(六角精児)にかかってきた電話で事件を知った右京は、尊(及川光博)と現場へ。自殺の可能性が高いが、右京らは殺害現場のマンションに疑惑を抱く…。
陣川(原田龍二)が帰宅途中に立ち寄ったコンビニで万引き犯を逮捕。が、その犯人の門馬(中村靖日)が1年前、資産家の北薗(菅野菜保之)邸から500万円などを盗んだ犯人であることがわかった。思わぬ手柄に意気揚々とする陣川。が、窃盗事件を改めて調べた右京(水谷豊)と尊(及川光博)は、なぜ門馬が1年前の事件現場に近いコンビニなどで万引きなどしたのか疑問を抱く。
左翼過激派の幹部で70年代、数多くのテロ事件に関与した本多(古谷一行)の死刑が執行された。国外に逃亡していた本多だったが、若いテロリストたちに娘の茉莉(内山理名)を人質にテロ計画への協力を求められると、一昨年密かに帰国。右京(水谷豊)らの活躍もあり、逮捕されると死刑判決を受けていた。 が、獄中の元法務大臣・瀬戸内(津川雅彦)から呼び出された右京(水谷豊)は、本多が生きて釈放されたらしい、と告げられる。
15年前に女性を殺害したとして、刑を終えて出所したばかりの城戸充(池内万作)が投身自殺した。彼の遺書には、自分は無実であるという訴えと、尊(及川光博)を「絶対に許さない」という言葉が。大河内(神保悟志)から連絡を受けた尊は、自ら事件を検証し直す覚悟を決める。 15年前の被害者・綱島瑛子(長澤奈央)は尊の知人だった。瑛子から「しつこい男に付きまとわれている」と相談された尊は、その男・城戸に会って注意するが止めず、尊は警察手帳を見せ二度目の警告をする。警察官と知って城戸は素直に頭を下げて反省していたが…。ところが、その後綱島瑛子が殺害され、城戸は重要参考人として警察から追われることに…。逃亡中の城戸は、尊に助けを求める。尊は喫茶店で城戸に会い出頭するよう説得。しかし城戸はあくまでも犯行を否認し、捕まったら最後、有罪にされてしまうといい店を出ようとするが、その場で張り込んでいた刑事たちに囲まれ、城戸は尊に「騙したなっ」と叫びながら連行される。
5年前に新開拓海(和木亜央)という青年を殺害、5年の懲役刑を終えて出所したばかりの川北誠也(川野直輝)が何者かに殺害された。 現場の状況から怨恨による犯行とみられ、容疑者として拓海の父・新開孝太郎(綿引勝彦)が浮上する。「犯人の刑が軽すぎる」と損害賠償を求める民事訴訟を起こしていた孝太郎。その弁護士となったのが、元法務大臣の瀬田(渡哲也)とわかり、右京(水谷豊)と尊(及川光博)はさっそく会いに行く。
杉下右京(水谷豊)が、ふとしたきっかけで知り合った歌人、高塔織絵(三田佳子)から相談を受ける。「文箱の二重底から毒物が入った見知らぬ青い小瓶が見つかった」という。文箱は40年以上前、織絵が結婚を約束した桐野(岩瀬亮)が持っていたもの。桐野は服毒自殺していた。毒物は桐野が自殺に使用したものなのか・・・。しかし、織絵は「なんのために毒を隠したのか」と疑問を抱き「青い毒の小瓶の謎、解いて頂けます?」と右京と尊(及川光博)に依頼する。
「帯川運送」の社長・帯川(林和義)が何者かに殺害された。会社の経営に行き詰まっていた帯川にはあちこちに借金のある多重債務者だった。 伊丹(川原和久)ら捜査一課は、借金の連帯保証人になっていた妻の郁美(立原麻衣)が、夫の保険金目当てで殺害したのでは、と疑惑を抱くが…。
数年前に起きた東京ビッグシティマラソン事件で知り合った守村やよい(本仮屋ユイカ)が、右京(水谷豊)に相談があると言って突然特命係にやってきた。やよいは現在、通信社でアシスタントをしているという。 相談というのは、仕事で待ち合わせをしていたホテルのラウンジで、ひょんなことから一人の女性・山原京子(森口彩乃)と知り合い、彼女が忘れて帰った社員証を拾う。ところが教えてもらった携帯電話はつながらず、社員証に書かれていた会社でも、「そんな名前の女性はいない」と門前払いされてしまったという。
伝説のジャズシンガー"ミス・アンルーリー"こと安城瑠里子(研ナオコ)の復活ライブ。 そのステージの休憩の合間に、ライブをサポートしていたイベント会社社長・鎌谷充子(西山知佐)が遺体で見つかった。 充子はライブハウスのビルの5階から転落した事故死のように見えたが、偶然ライブにきていた特命係の神戸尊(及川光博)は、遺体のそばで無傷の携帯電話を発見。充子が持って転落したのなら無傷のはずがない。 疑問を抱いた杉下右京(水谷豊)と尊は捜査を始め、ステージを終えた瑠里子に事情を聞くが、「次のツアーのことで、充子ともめていた」と自分から話すなど、挑戦的で一筋縄ではいかない瑠里子の証言に振り回される。
女性研究員が首を吊った状態で発見された。 後日、「父は疑われているのでしょうか?」と右京のいない特命係に一本の電話が入る。 出たのは尊。電話の相手は女子高生。 父親(柴俊夫)というのは、女性研究者の共同研究者だという。 電話を受けた尊が研究室へ向かうと、なぜかそこにはすでに右京の姿があった。 女子高生の父親は右京の大学時代の友人だという。 その父親を庇うようにも見える右京の言動に尊は反発し、1人で捜査を進めるが…
通り魔事件の瞬間をスクープしたカメラマンが殺害された。 週刊誌に通り魔犯の顔写真が掲載されたため通り魔がカメラマンに復讐したのか? 捜査一課が通り魔の行方を必死に追う中、遺留品のカメラを見ていた右京(水谷豊)は写真がいくつか消去されていることに気づき…。 殺されたカメラマンが本当に撮りたかったものは何だったのか…!? 消された写真からあぶりだされる新たな真実とは!
大学の微生物学研究室で、教授の高松肇(酒向芳)が遺体で発見された。高松教授は、「バクテクロリス」という細菌から重油とほぼ同じ成分を作りだす画期的な研究を進めていた。 当初は病死と思われたが、遺体の臭いに疑問を抱いた右京(水谷豊)がにらんだ通り、硫化水素の吸引による窒息死であることが判明。 共同研究者の栗田(利重剛)によると、高松教授なら高濃度の硫化水素を作りだすことも可能だというが、現場の研究室に硫化水素の痕跡はなかった。
刑事部長に命じられ、神戸尊(及川光博)が開演直前のオペラハウスに証拠品の返却に一人で向かうと、ロビーで子供たちを引き連れたピエロ(斎藤工)にぶつかる。不審に思い、子供たちが乗り込んだ送迎バスへと向かうと、車内にいた男が少女(大橋のぞみ)に拳銃を突きつけ「あなたも一緒にきてもらいましょう」と尊を強引にバスに引き込み、尊は子供たちととともに誘拐されてしまう!
探偵社を経営している樋本(鈴木省吾)の遺体が発見された。 樋本の元妻でかなりの美人の佳美(陽月華)に容疑がかかるが、彼女のアリバイ証言したのがあの私立探偵・矢木(高橋克実)だった。 矢木は自らをマーロウ矢木と名乗る探偵で、かつて美大生殺害事件(シーズン5 第10話)で右京(水谷豊)らの捜査に割り込んできた男だ。ハードボイルドに憧れ、どこかお調子者。そんなマーロウ矢木と今回タッグを組むハメになってしまったのが尊(及川光博)だった。
"ついてない女"こと月本幸子(鈴木杏樹)が刑期を終えて出所。 右京(水谷豊)に「助けてください」という連絡が入った。出所後、清掃業者に就職。仕事ぶりが評価され外食チェーン社長・間宮(田中壮太郎)の専任家政婦に。その後、寮代わりにと立派なマンションまであてがわれる。料理が店の新商品に採用されるなどし、商品開発担当として正社員に!さらには若くてイケメンの社長・間宮からプロポーズまで…。
鑑識に残された些細なことから"事件"を見つけ出してしまった右京(水谷豊)。さすがにむっとする米沢(六角精児)。 見つけ出した"事件"とは、産廃工場の社長・真壁(原田文明)の自殺に関してだ。尊(及川光博)とともに捜査を開始すると、真壁の部屋から産廃工場に反対していた彩乃(梶芽衣子)が染めたものと思われる風呂敷を発見する。彩乃は風呂敷を自らが染めたものと認めるが、なぜか真壁は生前彩乃の工房にある物置小屋の写真を撮影していた。なぜ物置小屋の写真なんかを撮る必要があるのか?
右京(水谷豊)と尊(及川光博)は、内村刑事部長(片桐竜次)の命令で、人探しを手伝うことに。 内村の行きつけの居酒屋が店主・高村の急死で店を畳むことになり、娘の清美が常連たちの残していったボトルをひとつひとつ返していた。 しかし1本だけ連絡先がわからず困っているといい右京たちに個人的な雑用を命じたのだ。
千束署の刑事・相原(萩原聖人)が突然米沢(六角精児)を訪ねてきた。 相原は、かつて米沢と組んで、警察の天下り先でもある青少年防犯協会の横領事件を解決した熱血刑事。(映画「鑑識・米沢守の事件簿」2009年公開 より) 千束署管内で起こった連続通り魔事件で採取された繊維片を警視庁本部で詳しく分析してほしいというのだが、所轄の鑑識で調べたのなら結果は同じだといって断る米沢。 懇願する相原から米沢が逃げようとしていたところ、以前米沢から噂にきいていた敬愛する刑事・右京(水谷豊)と遭遇。 "頼まれたらなんでもやってくれるんですよね?"と右京に詰め寄る。 訊けば相原は千束署の捜査本部を外された上、謹慎中の身だという。
右京(水谷豊)と尊(及川光博)は大河内監察官(神保悟志)から、所轄の元警察官・国原(石垣佑磨)が起こした傷害致死事件を調べて欲しいと依頼される。立ち飲み屋で相席となったフリーライター・島内(日向丈)と口論になり店を出た後もみ合いの喧嘩に発展。島内は国原に突き飛ばされ階段から転落して死亡したという事件だった。 同じ警察署の警察官だった国原をかつての同僚が取り調べるとなれば、捜査に手心が加えられる可能性がある。大河内は特命係に内々に調査を依頼。
あの陣川警部補(原田龍二)が、特命係の右京(水谷豊)と尊(及川光博)のもとへとやってきたかと思えば、なんと「父親になります」と言い出した。相手はすでに妊娠中で、今回も美人の由香利(松本莉緒)。美人にめっぽう弱い陣川はそんな彼女からある相談を受けていた。 由香利は数ヶ月に亘ってテレビのドキュメンタリー番組の密着取材を受けており、その番組の担当ディレクター麻紀が自殺した。が、由香利には麻紀が自殺するとは思えないという。右京と尊は陣川とともに由香利を訪ねる。
民間警備会社の土方(合田雅吏)が銃弾を受けて死亡した。 土方は、ある研究をしている学者・泊(今井朋彦)を警護している最中だった。 尊(及川光博)と警察学校で同期だった土方は、閣僚警護の経験もあったが「SPという仕事に恐怖を感じるようになり警察を辞めた」と言われていた。その土方が民間の警備会社に入り、再び警護の仕事についていたことに、尊は違和感を感じる。
バイオテクノロジー研究所の主席研究員・嘉神郁子(真野響子)が、文科省に呼び出され、娘の茜(浅見れいな)を使いクローン人間を作っていることを認めた。 何者かが告発文を文科省に送り付けたらしいが、クローン人間が誕生するというのは本当なのだろうか?
香港のホテルの一室。警視庁中根署で念願の刑事になったばかりの甲斐享(成宮寛貴)は、一発の銃声でベッドから跳ね起きる。悪夢のような現実を思い出していた。享は窓から雄大な景色を眺めながら、ベッドでまどろんでいる恋人の悦子(真飛聖)に何かを振り払うように明るく声をかける。 しかし、悦子が再び眠りに落ちてしまうと、享に再び昨夜の苦い記憶が甦ってきた…。
一流オークションハウス「ホワイトグラブズ」の代表取締役、坂巻百合子(岡まゆみ)からジャズピアニストのエド・クレメンスの腕を探してほしいという依頼が先日まで享が所属していた中根署・捜査一係に舞い込んだ。腕と言っても70年代にアメリカジャズ界を席巻、夭折したクレメンスが、自らの腕をかたどり作成された石膏製のもの。しかし、百合子によると5日後のオークションの目玉になるほどの貴重なものだという。 扱いに困った一係の堀江(山口良一)は、元部下の甲斐享(成宮寛貴)に押し付けてしまうが、困った享は百合子にマスコミに呼びかけてみては、と提案。百合子もあっさりと同意する。 数日後、新聞やテレビなどでは連日クレメンスの腕紛失事件を報道。おかげで当初は1000万円だった予想落札価格も3000万円に急騰したとか。そんな折、特命係に腕が見つかったという連絡が入る。 クレメンスの腕を巡る複雑な人間関係に翻弄されつつも真相に迫る享。 それらに疑問を呈しながらも、絡み合った糸を解きほぐしていく右京。はたして犯人は?
笛吹悦子(真飛聖)と食事へ行こうとしていた甲斐享(成宮寛貴)は、矢先に近くのマンションの管理人に呼び止められてしまう。人が転落したというのだ。転落した男=宮坂はすでに死亡していた。玄関をあけて中へ入ると、パソコン画面に遺書めいた文字が残されているだけだった。 伊丹(川原和久)ら一課の調べによると、どうやら借金を苦に飛び降り自殺したらしい。右京は現場の状況から自殺説に疑問を抱く。右京の指示で米沢が調べると、室内からルミノール反応を検出。何者かが宮坂を室内で殺害、その後自殺に見せかけるために窓から投げ落とした可能性が高くなる。 宮坂の死因は撲殺と判明。やはり自殺ではなく他殺だった。その宮坂が死ぬ直前、パソコンでボクシングの動画を見ていたことがわかり、右京と享はそのボクサー、荒木(趙珉和)が所属するジムへと向かう。 スポーツ記者の松井(渡嘉敷勝男)によると、荒木は代役として出場した試合で世界ランカーをKO。一気に世界タイトルへの挑戦権を手に入れ、ゴールデンボーイともてはやされているボクサーだという。元ボクサーでトレーナーの石堂(山本龍二)や荒木の話では、殺された宮坂は荒木の同郷の先輩。なぜか石堂の手は包帯で覆われていた…。 享は捜査のため自ら率先して荒木のボクシングジムに入門し、激しいトレーニングを受けつつ石堂や荒木らの様子をうかがう。だが、そのとき荒木に信じられないような異変が…。 世界チャンピオンを狙うボクサーが事件に巻き込んだのか、巻き込まれたのか? 享が自らの体を酷使しながらたどり着いた驚くべき結末と
航空会社NIA人事部の内藤(菊池均也)が何者かに殺害された。NIAといえば、享(成宮寛貴)の恋人でキャビンアテンダントの悦子(真飛聖)の勤務先でもある。右京(水谷豊)は以前、内藤が労働組合の中央委員長をしていたことに引っかかる。2年前の大量解雇や給与カットのときに組合の闘士だった内藤が、なぜ“敵”でもある人事部に異動になったのか…。 右京はさっそく鑑識課で内藤の携帯電話をチェック。ほとんどが携帯電話の番号であるにもかかわらず、「AP佐久間」という人物だけは固定電話だ。「AP」とは何を意味するのか? さらに遺留品を調べると、飲みかけのペットボトルなどを撮影したデジカメが。その中には真っ黒の写真データが。どうやら電源を入れっぱなしにしたまま、何かの拍子にポケットの中でシャッターが切られてしまったらしい。さらに2011年のNIAの手帳カバーをかけた2012年の手帳が見つかった。なぜ今年の手帳に去年のカバーを?その手帳には「2010.5 Barter潮」の記述が。「2010」とあるが、前後を見ると2年前の予定ではないらしい。一体どういう意味なのか? 被害者・内藤の真実が見えてくるにつれ、明らかになっていく複雑な事件の真実。一人の男の殺人がやがて警察官僚の闇を暴き、警察組織をも巻き込む一大スキャンダルへと発展する!
ある朝、享(成宮寛貴)が出勤すると、鑑識課で米沢と右京(水谷豊)がパソコンで宝石強盗事件の防犯カメラの映像を検証していた。犯人は宝石店のガラスケースの下に時限装置付きの発煙装置を仕掛け、その発煙装置から煙が発生している間に3億円相当のダイヤを持ち去ったという。しかし右京は煙の流れからあることに気づく。 さらに、享は交番勤務のころに知り合った女子高生・樹里(田中美晴)に呼び出された。階段から転落した男(加藤晴彦)を発見し救急車を呼んだのだが、樹里と友人は階段の上にいる不審な人物を目撃していたという。誰かに突き落とされたというのだが、転落した本人は階段を踏み外しただけと証言しているという。扱いに困る享だったが、享に同行した右京はがぜん興味を示し、階段から落ちた男に事情を聞くことに。 この二つの事件が、思わぬ接点から明らかになる!絡み合った糸がほどけたとき、右京と享の前に驚くべき真相が…!
特命係に配属され、相変わらず暇な享(成宮寛貴)は右京(水谷豊)とともに角田課長(山西惇)に頼まれ組対五課の手伝いをしていた。そんな中、享の元上司である中根署の堀江(山口良一)から連絡が入った。かつて享が交番勤務のころに扱ったストーカー事件の被害者・深雪(石原あつ美)が、自宅で何者かに殺害されたという。第一発見者は夫の奥山(賀集利樹)、大阪出張から帰ってきたところ妻の遺体を発見したらしい。まだ小さな息子は入院中で難を逃れたようだ。実は、享はこの夫婦に強い思い入れがあった。 享が交番勤務だった6年前、深雪は奥山と付き合っていたが、元恋人の久保(小林高鹿)にストーカーをされたあげくに薬品をかけられるという事件となった。現場に向かう途中で享は久保とすれ違っていたが、犯人とは気づかず取り逃がしてしまう。激しく悔やむ享。結局、久保はその後逮捕され、懲役5年の判決を受け3年半で仮出所。一方、久保に襲われたことで奥山は深雪との結婚を決意するが、奥山の両親から猛反対される。それを押し切って奥山は深雪と夫婦になったのだった。 捜査が進み、現場から指紋が採取されるが…。さらに久保の目撃情報が入り、じわじわと久保を追い詰めていく。 意外な真実と真相が明らかになる中、右京が享と少し距離を置きながら事件の謎に挑む!
廃虚のような空き家へ失踪人を探しに来た右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)。内村刑事部長(片桐竜次)から、空き家を見に行ったまま3日前からいなくなったという男の捜索を命じられていた。 空き家を捜索する右京らだが、なぜか御札が貼ってあったり、賞味期限切れの菓子があったりと、気味が悪い。享が一瞬幽霊らしき影を見たと思ったら突然、外から大きな物音が聞こえてきた! あわてて裏庭へと出た右京と享。外には人影などはなかったが、土の色が変わっていることに不審を抱き、懸命に土を掘り起こしたところ、中からは白骨死体が…! その後の近所への聞き込みから、この空き家は「幽霊屋敷」と呼ばれている場所であることがわかった。 「幽霊屋敷」にまつわる謎が次第に明らかになると、さまざまな思惑が絡み合った糸がほどけてゆく。そして、たどり着いた意外な真相とは!?
勝つのは、人類の頭脳か、コンピューターの人工知能か!? 注目を集める将棋界の時田名人(竹財輝之助)と将棋ソフトとの将棋電脳戦が実現した! 世紀の対局を前に、将棋ソフトの開発者で人工知能研究者の安西(木下政治)が、研究室で遺体となって発見されてしまう。切れた蛍光灯を取り換えようとしたときに転落しての事故死と思われたが、右京(水谷豊)は現場で不審な点を発見し…。 将棋連盟会長・曾根崎(園田裕久)は、時田名人がコンピューターに負けてしまうのではないかと恐れていたとして容疑者として浮上。が、曾根崎は新聞社主催のパーティーに出席していたと写真を見せ、伊丹(川原和久)らにアリバイを主張するのだが… 右京と享(成宮寛貴)の捜査で事件は思わぬ方向へと展開していく…。
享(成宮寛貴)が瀕死の状態で病院に運び込まれた。恋人の悦子(真飛聖)によると、享は悦子にキノコ鍋を作るため山奥にキノコ狩りに出かけたらしいが、なんらかの事件に巻き込まれたらしい。何者かに激しい暴行を受け、意識不明のままで予断を許さない状況だ。右京(水谷豊)は伊丹(川原和久)ら捜査一課と捜査を開始する。 大けがをしている享を119番通報をしたのは女性。しかし、自分の名前も告げず、公衆電話からの通報であることがわかった。どうやら身分を知られたくなかったようだが、ということは、第三者ではなく事件の関係者である可能性が高い。右京は病院の看護師から受け取った享の指に絡みついていた長い茶色の毛の鑑定を米沢(六角精児)に依頼する。 生死の境をさまよっていた享だが、幸いにもなんとか意識を取り戻したのだが…。 享はただ一つ、「鈴の音が聞こえる…」としか口にしない…。 享から証言を得られなければ捜査を続けるしかない。右京と伊丹らは享が発見された郊外の現場へ行き、119番通報に使われた公衆電話を調べる。そこを糸口に右京は独自の推理を展開、キノコ狩りとの関連から森の中への捜索を開始する… 享はなぜこれほどまでの暴行を受けたのか? 森の中で手がかりは見つかるのか…右京の名推理が光る!!
何者かに暴行を受け、記憶喪失になってしまった享(成宮寛貴)。やはり「まろく庵」の人間たちが享と関わりがあったことは間違いなさそうだ。 伊丹(川原和久)らは入院中の享に「まろく庵」の生方(山本學)、坂口(ウダタカキ)、榊(相葉弘樹)らの写真を見せ、彼らが全員過去に犯罪での逮捕歴があることを説明する。そんな人間たちと享の間に何があったのか改めて質問するが、享はやはり「鈴の音」以外は思い出せないという。 一方、右京(水谷豊)は「まろく庵」周辺で聞き込みをする。近くの商店の女店主の話では、生方と行動をともにする真智子(柴本幸)の父・伏木田はガンを患っていたが入院もせず、医師に往診してもらっていると聞いていたという。その女店主がやせ細った伏木田を最後に見たのは、半年ほど前だったとか。 伊丹らが家宅捜索令状をとり、「まろく庵」へ乗り込んだ。右京も伊丹らに合流したそのとき、生方が「享を半殺しの目にあわせたのは私です」と自供するのだが…。 生方の不可思議な自供の裏に隠された驚くべき真実とは? 窮地に陥った享を右京は鋭い推理で救えるのか!?
今から57年前の昭和30年(1955年)12月24日のクリスマスイブ。郊外にある早蕨村(さわらびむら)。小規模だが贅を尽くした美しいホテルのロビーに2人の少女が元気に姿を現した。宿泊客で橘・元子爵の令嬢・瑠璃子(広瀬アリス)とホテルのオーナー、二百郷(におごう)洋蔵(伊藤聡)の娘・朋子(上間美緒)だ。ふたりは森の中へと散策に出かけていく。しかし、瑠璃子は忽然と姿を消し、朋子は一人森の中に取り残されてしまう。瑠璃子は一体どこへ消えてしまったのか? 平成24年(2012年)12月24日。ロンドンのある邸宅。75歳になった朋子(酒井和歌子)が息を引き取った。その朋子の臨終に立ち合った弁護士の石川(遠藤たつお)から右京(水谷豊)へ連絡が入った。実は朋子と右京は旧知の仲だった。いまわの際に「ヒナギクじゃなかった。茜が危ない。あの子を助けて」という謎の言葉を残して…。茜(波瑠)は両親を亡くしてから二百郷家の当主として旧早蕨村の屋敷で生活している。茜にとって朋子は大叔母にあたる存在だ。茜とは一度も会ったことのない右京だったが、石川の連絡を受けて、さっそく茜が住む二百郷家の屋敷へ享(成宮寛貴)とともに向かう…。
米沢(六角精児)、伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、そして角田(山西惇)は、享(成宮寛貴)の計らいで、悦子(真飛聖)のCA仲間ら友人たちと合コンをすることに。とはいうものの、享を捜査一課に引っ張ってもらうために“貸し”を作ろうという悦子の作戦なのだが…。 合コンなのにまったく話がかみ合わない雰囲気の中、一番合コンに乗り気でなかった伊丹とみちる(ともさかりえ)がいい雰囲気に。2人は合コン終了後、店をかえてもう一杯飲みに行くことに…。 翌日、デイリー東和という夕刊紙に岸倉治美議員(滝沢涼子)の秘書が不審死した事件の捜査情報がスッパ抜かれた。捜査一課が前日につかんだばかりの情報でマスコミが知るはずもない。刑事部が騒然となる中、青ざめた伊丹は右京(水谷豊)と享がいる特命係へ。享にみちるは何者だったか問い詰めるが、悦子の知り合いの知り合いで何者なのかはわからないという。 伊丹は右京に前夜、みちるという女性に捜査情報を口にしたかもしれないと吐露する。だが具体的にどこまでなにを話したか記憶にないという。自分が捜査情報を漏らしたはずはないのだが、その証明をして欲しいと依頼しに来たのだった。 合コンから端を発した“情報漏えい事件”は、やがて国家を揺るがす一大事件へと発展し…!?
特命係の部屋に陣川(原田龍二)がやってきた。が、あいにく右京(水谷豊)は留守。応対する享(成宮寛貴)を見て露骨に不機嫌になる陣川だが、享にはなにがなにやら訳がわからない。 そのころ右京はアートイベント企画会社社長・濱田(佐々木研)の殺害現場にいた。倉庫を調べると、高値がつけられるであろう作家の作品が5点なくなっていることが判明。社員の証言から濱田が借金をしていた添野(森岡弘一郎)という人物が浮上する。 享は悦子(真飛聖)の知り合いのあずみ(足立梨花)の自宅へ。自宅の庭から消えた彫刻を探してほしいという依頼を受けてのものだが、なぜか陣川も同行。あずみから話を聞いた享は他部署へ連絡しようとするが、陣川が自ら探すと勝手に約束してしまう。どうやら例によってあずみに一目ぼれしてしまったらしい…。
右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、中園参事官(小野了)の指示で私立中学の警備をすることに。同校の裏サイトに「2月14日8時30分、計画を遂行する…」という書き込みがあったからだ。右京らが中学校へ行くと予告の時間にジャズの「マイ・ファニー・バレンタイン」がスピーカーから流れ、屋上から「ハッピーバレンタイン」という垂れ幕が投げられ、さらに「教科書なんか捨てて恋をしろ!復讐成功」と書かれたチラシが大量にばらまかれる。 その屋上からは一人の生徒が逃走。が、階段から転げ落ち意識を失ってしまう。生徒は同校の3年生、藍沢祐介(北村匠海)だったが、意識不明の重体となり救急車で運ばれてしまった。
右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)が歩いていると、一人の老人が右京に「吉村君ではありませんか?」と声を掛けてきた。岩田(近藤正臣)というその老人は元教師で、40年前に廃校になった中学の写真部の同窓会に行く途中だった。同行する元部員の佳奈子(川俣しのぶ)によると、この日欠席の吉村(野添義弘)と間違えているらしい。吉村の古い写真を見せてもらうと、右京とは似ていないのだが…。右京は佳奈子らに頼まれ、吉村になりすまして同窓会に出席することに…。
アポロン電機陸上部の監督・高木(国枝量平)が自宅で血まみれの遺体で発見された。事件の前日、享(成宮寛貴)が偶然スポーツクラブで同陸上部の次期監督候補になっていた、マラソンの元銀メダリストである桂馬麗子(中山忍)を見かけていたことから、右京(水谷豊)は享とともに事件に首を突っ込むことに…。 捜査一課の伊丹(川原和久)らに煙たがられながらも、右京らは現場を物色し冷凍庫の取っ手の指紋が消されていることに疑問を抱く。美枝(萩尾みどり)ら陸上部のスタッフによると、アポロン電機を辞めた後に銀メダルを取る活躍をした麗子が出戻ってきて監督に就任することを、アポロン電機社内でも快く思ってない人がいたようだ。なかでも殺害された高木監督は麗子が次期監督になることは絶対にない、と断言していたという。 周囲の声にもかかわらず、監督就任に前向きな麗子。その麗子が監督になることはないと言い切っていた高木の根拠は何だったのか? 元銀メダリストにかけられた殺害容疑。監督就任にまつわる謎が解明されたとき、スポーツ界を揺るがす闇が明らかに…!
独身で無職の男性・尾藤(桜木信介)の他殺体が発見された。尾藤は財布とは別に「東京明和銀行」の封筒に入った現金100万円を所持。なぜ、そんな大金を持っていたのか?犯人の目的は金ではなさそうだが…。 尾藤がネットの交流サイトFacegoodで複数の携帯電話を使い、「ビリー・ヘンリー」などの名前で複数の外国人になりすましていたことがわかった。その相手である「フレンドリスト」は非表示になっており、見るにはIDとパスワードが必要だ。 右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)らの指摘を受けた伊丹(川原和久)は、2012年初夏に起きた東京明和銀行員殺害事件を通して知り合ったサイバー犯罪対策課の岩月(田中圭)にID、パスワードの解析を依頼する。が、岩月と、同じサイバー犯罪捜査課の亜紀(関めぐみ)は、WABC(ワシントン・アトランタ・バンク)の偽公式HPの件で忙しいと、いい顔をしない。とはいえ、そんな言い訳が通用する伊丹ではない。しかも相手は“勝手知ったる”岩月だ。半ば脅迫まがいに岩月に仕事を押し付ける。 殺害された尾藤とフレンドリストに入っていた人物たちの関係は? 伊丹とともに巨悪に挑んだサイバー犯罪対策課の岩月が、今回は右京、享らと複雑に絡み合った“サイバー事件”の謎に挑む。
右京(水谷豊)が「花の里」へと向かうと、店の前で自らを「家出少女」と名乗る小学校低学年くらいの女の子と出会う。右京は享を呼び出し少女を自宅まで送ることに。少女は自宅マンション近くで降りると、いつの間にかオートロックで施錠されているマンションのエントランスの中へ。 苦笑しながらマンションを出てふと見ると、右京はマンションの目の前にある不審な一軒家を見つける。近隣の聞き込みで江美子(左時枝)という卓球のコーチをしているしっかり者の老婆が一人で住んでいることがわかるが、しっかり者の老婆が鍵もかけずに外出するだろうか。
角田(山西惇)と同期で組対二課・課長の恩地の遺体が自宅から発見された。現場の状況から毒キノコを誤って食べた事故死と思われた。警察の幹部が毒キノコを誤食したという前代未聞の事態に大河内監察官(神保悟志)の指示のもと、特別に司法解剖も行われるが怪しい点は発見できず事故死として処理されてしまう。 右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、恩地の妻・由美子の証言から、最近恩地が炭素繊維を扱う企業の女性とこっそり電話をしていたことを知る。さっそくその企業を訪ねた右京と享は、恩地の携帯電話の履歴に残された電話番号が我孫子という人物の所属する部署であることを確認。その部署の女性社員はいずみ(星野真里)一人だけであることを掴む。
特命係・杉下右京(水谷豊)は、甲斐享(成宮寛貴)の彼女、笛吹悦子(真飛聖)から最近、享の様子がおかしい、と相談を受ける。どうやら、「みんなの動画」というサイトで「火の玉大王」と名乗る男の生放送にハマっていると言う。「9.11同時多発テロがアメリカ政府の陰謀」「富士山は今年中に噴火する。それも人為的に。」など様々な諸説を配信している「火の玉大王」こと綾辻(忍成修吾)は陰謀論者のようだ。 心配になった右京は、享を尾行しその行動を探ろうとする。すると、「火の玉大王」を中心に手をつなぎ、夜空に向かって宇宙船を呼ぼうとする享の姿が…。本当に享は「火の玉大王」に心酔しているのだろうか?右京も流石に首をかしげてしまう。 そんな折、大東亜産業の専務・高山(大原康裕)の遺体がホテルで見つかった。所轄によると服毒による自殺の模様だが遺書は無く自殺理由は不明とのこと。そのニュースを見て妙に気になっている享に右京は気づくが… 右京は真相を探るため「火の玉大王」の生放送に潜入するが、図らずもネットの放送上で享と会話してしまうことになり、調べていることが明らかに。 享は一体なにをしていたというのか? そのあとに起こる警察を揺るがす大事件とは! ネットの闇が右京たちに迫る! 犯人の目的とは!?
会社員・大倉(山本剛史)の遺体が自宅アパートで発見された。遺体のそばの壁には、血で「a drink」の文字を丸で囲うメッセージのようなものが。被害者が遺したダイイング・メッセージなのか? 右京(水谷豊)は、さっそく享(成宮寛貴)と捜査を開始。 現場の大倉の部屋へ来てみると、数学関係の本がズラリ。どうやら大倉は数学を趣味にしていたようだ。だととすると、ダイイング・メッセージも数学に関係したものなのだろうか? また大倉は数学の7つの未解決問題の一つで100年間も解けなかったファーガスの定理を研究していたことがわかった。しかし、そのファーガスの定理は、最近になって数学者の肥後教授(岡田義徳)が証明に成功したと話題になったばかり。右京と享はさっそく肥後教授のもとへと向かう。 ダイイング・メッセージは何を意味するのか?右京と享は事件の難問を解くことができるのか?!
「アプリティーボ」というレストランチェーンで食事をした人が、次々と倒れるという事件が発生した。どうやら食中毒の可能性が高いが、そんな騒動の最中、食品卸売商社社員・岡谷望(澤山薫)の他殺体が発見される。 偶然、食中毒の被害者を助けた享(成宮寛貴)は原因菌の捜査に動き始めるが、右京(水谷豊)は殺人事件の捜査へ。鑑識の米沢(六角精児)によると、望の遺体の首には特徴的な傷があるという。致命傷ではないようだが、何によってついた傷なのか。 食中毒の原因菌の捜査をする「アプリティーボ」へやってきた享は、そこで何かを探す右京とばったり遭遇する。やはり食中毒事件と殺人事件は関係があるのだろうか? 合流した二人は、「アプリティーボ」が調理済みの食品のみを使っていることを知ると、その加工会社「ミヤ食品加工」へと向かう。 「ミヤ食品加工」の社長・円(赤塚真人)によると、「アプリティーボ」の料理に使う材料は望の会社から仕入れており、営業の担当は望だった。事件当夜、望が会社に来ることはなかったという円だが、右京はそこでスープやソースを作る「スープトップ」という機械に興味を示すのだが…。 ほぼ同時に起こった食中毒事件と殺人事件は関連があるのだろうか? 被害者についていた謎の傷跡と料理の味のわずかな変化から浮かび上がってきた二つの事件の犯人とは?
悦子(真飛聖)が出場するボールルームダンス競技会の会場で、大会のスポンサーの社員・茂手木(若林久弥)の他殺体が発見された。悦子の応援に来ていた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、偶然第一発見者となり捜査に協力することに。 茂手木は殺害される直前まで役員控室で仕事をしていたらしい。当日は国際大会で輝かしい成績を収めていた須永(大澄賢也)と礼夏(陽月華)がデモンストレーションも行っていたが、被害者は午後5時10分ごろ、大会終了後に話があると礼夏に電話をかけていた。米沢(六角精児)によると死亡推定時刻は午後3時半から5時半の間。犯行は5時10分から30分までの20分間ということになる。 一方、須永と礼夏のカップルが最近の大会で成績が伸び悩んでいたことが判明。さらに被害者が勤務していたスポンサーは、須永と礼夏のカップルを解消させ、礼夏を新進気鋭のダンサー・芳川(廣瀬大介)と組ませようとしていたことがわかった。ダンサー間にトラブルなどなかったのだろうか…? 華やかなボールルームダンスの舞台裏から浮かび上がる愛憎劇。二転三転する捜査の末に明らかになる意外な犯人と動機とは?
就職活動中の女子大学生・奈月(岩田さゆり)の遺体が発見された。奈月の手帳によると、事件当日は夕方に一流商社の面接を受けていたが、午前中に出かけてから面接の時間までの行動がわからない。右京(水谷豊)は、全員横並びの黒のスーツ姿という常識に疑問を抱きつつも、奈月のリクルートスーツに仕付け糸がついたままになっていることが気になる。一方、享(成宮寛貴)は、奈月の携帯に非通知の着信が頻繁にあったことに引っかかる。ストーカー被害にでもあっていたのだろうか? 捜査一課の伊丹(川原和久)らは、アリバイが曖昧な奈月の元カレ・紀平(斉藤祥太)に不審を抱くが、別れてから一度も奈月と会っていないと犯行を否認。紀平によると、奈月の第一志望は、事件当日に面接を受けていた一流商社であることを聞き、右京らは早速その商社へと向かうが… 一流商社の内定を得るための面接テクニックから浮かび上がった犯人とは?
右京(水谷豊)の腕時計が狂ってしまったようだ。右京の時計は精密な機械式時計。享(成宮寛貴)の時計は電池式のクオーツで右京にクオーツを勧めるのだが…。 右京は享とともにいつも診てもらっている公認高級時計師(CMW)の津田(篠田三郎)に修理を依頼する。 その日の夜、時計輸入販売会社社長・藤井(井上純一)の遺体が、アパレルのヒットメーカー社長・関(辰巳蒼生)の別荘で発見された。死亡した藤井の会社は、津田の勤務先でもある。遺書も発見されたことから、経営難を苦にした自殺と思われるが…。 関が藤井の会社を買収しようとしており、その対応で藤井が苦しめられていたことがわかった。藤井は関への抗議の自殺をしたのだろうか!? さらに調べを進めると、関は有名な時計師である津田に設計図を描かせ、安い時計をファッションアイテムとして大量生産して売り出そうとしていたらしいのだが…。 藤井の謎の死は自殺か、他殺か? 右京と享が巧みなトリックを明らかにしたとき、一人の男の悲しい半生が明らかに…!?
カフェのアルバイト店員・千倉(藤間宇宙)の撲殺体が発見された。遺体のそばには自らの血で書かれた「H22」のダイイング・メッセージ。書きかけのようで、どうやら途中で力尽きたらしい。 千倉のブログを遡って調べると、5年前は就活に失敗した愚痴ばかりが書き込まれていたが、3年前にカフェの店長になってからは明るい内容に一変。 千倉は同じく3年前の平成22年に自転車による老女ひき逃げ事件を目撃。千倉の証言によって佐野(小松和重)という男が逮捕され、実刑判決を受けていることがわかった。刑期を終え、すでに出所していた佐野に話を聞くと、あくまでも冤罪だと主張。右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)に、目撃者は本当に自分がひき逃げするところを見たのか聞いてみたい、と言葉を荒げる。 今回の殺人事件と3年前のひき逃げ事件に関係があるのか? なぜ千倉は殺されなければならなかったのか? 右京と享が絡み合った謎を紐解いていく。
右京(水谷豊)は、峯秋(石坂浩二)から小百合(大谷英子)という若い女性を紹介される。母の遺品から20年前に自殺した文豪・夏河郷士(野崎海太郎)が書いたと思われるノートを発見したというのだ。その内容から20年前の夏河の死は自殺ではなく、小百合の父が殺したのではないかと疑問を抱きはじめたという。さっそく捜査にかかる右京。 米沢(六角精児)の鑑定では、ノートは確かに夏河によって書かれたものだという。 右京は享(成宮寛貴)を連れて夏河が住んでいた慈朝庵と呼ばれている大豪邸を訪ねる。夏河の死後、篤志家である江花須磨子(岩下志麻)という女性がその屋敷を買い取っていた。右京らは須磨子の協力を得て、夏河の死が本当に自殺だったのか、それとも他殺なのか、屋敷内を調べ始める…。 ノートに残されていた「ホトトギスの罪」とは一体なんなのか!?
都内の老舗料亭の庭で芸者の小鹿こと皆子(三津谷葉子)の他殺体が発見された。なじみ客の源(外波山文明)のトイレのお供に出たまま姿を消していたが、その間に殺害されたらしい。 被害者の皆子は、実は享(成宮寛貴)とかつて結婚を約束した仲だったのだ。いてもたってもいられず享は独自に捜査することに…。享は新潟へ行き、皆子の過去を調べるがとんでもない事実が次々と明らかになる! そんな享に引きずられるように右京(水谷豊)も東京で事件の捜査に乗り出す。 かつて享と結婚を約束した皆子が転落したような人生を送り、挙句の果てになぜ殺されなければならなかったのか? 彼女をめぐる3人の男たち、その中に意外な犯人がいるのか!? それとも…。
年末、一足早く有休を取り海外へバカンスにでかけようとする享(成宮寛貴)だが、その道中、交番が爆破されるのを目の当たりにする。その近くから裸足で逃げ出してくる少年(大和田健介)を追いかけるが体には爆弾が巻き付けられていた! しかも取り外せない上、少年の首からかかったスマホのカメラで「JB」と名乗る男(宇崎竜童)に監視をされている! 享はバカンスどころかその爆弾少年と共に行動することに! 警察を狙った爆破事件は、テロの可能性を孕んでいるため新公安部長(中村橋之助)が捜査本部に入ってきて、公安部と刑事部の合同捜査に発展! 公安外事課では世界的な爆弾魔が日本に入国したという情報を掴んでいた! 誰を狙ったテロなのか? 犯人の目的は一体なんなのか? 右京(水谷豊)は事件を聞きつけ捜査本部に混じって見えない犯人を相手に名推理を繰り広げていく! 事件の全貌が見えない中、相棒二人が離れて別々に行動はするものの見事な連携を見せるのか! 狂気に満ちた犯人に隠されていた真実とは!
捜査一課で経理を担当する陣川(原田龍二)が、事件を未然に防ぐために力を貸してほしい、と特命係にやってきた。自分が見た悪夢を調べる為にネットの「夢診断」で知り合った大学の心理学部准教授・西牟田叶絵(雛形あきこ)から「自分が死ぬ不吉な夢をみて不安になった」と相談を持ちかけられたという。陣川が依頼を引き受ける相手は決まって美女だ。叶絵は予知夢をみる力があるらしく、陣川は叶絵の警護をすることに。享(成宮寛貴)は予知夢なんてと小馬鹿にした反応だったが、意外にも右京(水谷豊)は興味を示し、特命係も叶絵の警護に乗り出すことに…。 さっそく研修会が行われる会場で叶絵と落ち合った3人。通用口で不自然な水たまりの上を歩こうとした叶絵を突然、享が押し出す。叶絵を押し出したことに驚いた陣川は、何をするんだとばかり享を突き飛ばしてしまい…享は階段から落ちて足を負傷。重症である。実はその水たまりには致死するほどの電流が流れていたのを咄嗟に享が察知して叶絵を押し出してしまったのだった。実際水たまりに落ちた携帯は高電圧の火花を散らしていた。やはり叶絵の予知夢は当たるのか…。
享(成宮寛貴)が所轄署に遺留品を返却しに行くと署の屋上から飛び降りようとする女性を発見! 享は女性の説得に屋上へと走る。飛び降りようとしていたのは音楽学校の講師・雪絵(小島聖)で2日前に殺害された同僚・前田の最重要容疑者として取り調べられるはずだったが隙を見て屋上に逃げ込み自殺をほのめかしているのだ。雪絵は屋上の淵に立ちながら、駆け付けた享に無実を訴え続けている。 報告を受けた右京(水谷豊)は雪絵が勤める音楽学校で半年前に男性講師が自殺していたことを突き止める。今回の事件とどう関係しているのか…。 右京は享が説得を続けている間、伊丹(川原和久)らと前田殺害事件の真犯人を探し出そうと行動を開始するのだが、事件は意外な結末へと導かれていく!
右京(水谷豊)は、なじみの紅茶店で紅茶に詳しい毒島(尾美としのり)と知り合った。 毒島から自宅アパートでの“お茶会”に誘われた右京は、享(成宮寛貴)を連れて出かけると、毒島は2人の目の前で右京のようにポットを高く上げて紅茶を注ぐのだ。驚く享…。毒島には紅茶と犬しか楽しみがなく、ほかは信用できないという。右京同様、少々変わり者のようだ。 どうやらそんな毒島に気に入られてしまった右京。「警察はバカばっかりだと思っていました」という毒島。なにかそう思わざるをえない出来事があったのかと右京が訊くとある事件の話をはじめた。隣室に住んでいた静香(佐藤寛子)がナイフで殺害された事件だが、すでに恋人でミステリー作家の烏森(加藤厚成)が逮捕されていた。冤罪の可能性をにおわせる毒島に、右京は思わず「調べてみましょう」と約束する。 そして、右京と享は再び毒島から“お茶会”の誘いを受ける。招きに応じた右京は、ある男を主人公にして自らが書いた小説を手に毒島の自宅を訪ねるが…。そこで明らかになる右京の推理をもとにした意外な真相とは?
上野という男の遺体が自室で発見された。首つり自殺に見せかけた他殺と判明、享(成宮寛貴)が偶然第一発見者となったことから右京(水谷豊)も捜査に乗り出す。 パブのホステスに片思いし、しつこく付きまとったことから、ホステスの元彼から金を脅しとられていたという上野。企業の重要書類などを保管する倉庫会社に勤務していたが、上司の炭谷(遠山俊也)によると友人も少なく、一人黙々と仕事をしては昼休みもスマホでゲームばかりしていたという。 司法解剖の結果、上野が美容整形を受けていたことがわかった。事件と関係があるとは考えづらいが、こだわる右京は上野の実家から上野の過去の写真を借りてくる。しかし、どの写真と比較してもどこを整形したのか右京にはわからず…。 右京と享は上野の会社のクライアントでもある美容外科クリニックを訪ね、院長の聡美(有沢比呂子)に意見を求めるのだが…。 殺害された上野に隠された真実とは?思わぬ方向へと進展する事件、その意外な動機と犯人とは?
辛口で知られる評論家の山路(小林尚臣)が何者かに殺害された。山路は様々な分野で持論を展開、雑誌界のご意見番とも呼ばれていた。かつては人気俳優の有村(天野浩成)を「実力ゼロ」とこき下ろし、人気が低迷した有村は逃げるように日本を離れた。その有村が数年ぶりに帰国し、舞台の凱旋公演を行うという。 過激な発言を繰り返す山路なら敵も多いはず、と興味を抱いた右京(水谷豊)は、享(成宮寛貴)と山路の部屋を調べるが、キレイに片づいている室内に違和感を覚える。評論家なら資料などが散らばり、録画機材などもたくさんあり、雑然としているはずだが…。 改めて山路の記事を読んだ右京らは、山路の発言をきっかけに他の雑誌なども迎合、一気に世間全体が批判的になっていくという流れがあったことに気付く。そのうちの一人、女優の大倉奈津(中山絵梨奈)も山路の批判記事をきっかけにバッシングに遭っていたことが判明。 そんな折り、伊丹(川原和久)ら捜査一課は容疑者として奈津の父親・大倉(中山仁)を事情をきくことに。大倉は犯行を自供するのだが…。しかし、右京は証言に疑問を抱く。本当に大倉は山路を殴り殺したのか。右京の中に芽生えたささやかな疑問とは?
高性能の盗聴探知器を開発したという小曽根(山崎樹範)が花の里を調べると厨房から盗聴器が発見される!? 幸子は小曽根にお礼として1万円を渡すが、あとでその話を聞いた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)に詐欺ではないかと疑われてしまう…。 そんな小曽根が白金の住宅街で盗聴探知機の実験を行っていると、聞こえてきたのは悲鳴とともに「夫の遺体を見つけた」という女性の声。「警察に届けよう」という声も聞こえてくるが、それを打ち消すように「解剖なんかしたら、絶対見つかっちゃうじゃない」と反対する声が続く。小曽根は発信源が「鍵谷」という家であることを突き止め警察に通報するのだが…。 警察がすぐに鍵谷家を訪れる。遠くからその様子を見ている小曽根。家の中からでてきた里枝(嘉門洋子)が応対するが「何の話なのか?」という反応のため、警察は「イタズラ電話」と決めつけて帰ってしまう。納得がいかない小曽根は特命係に相談。 小曽根が盗聴した内容はなんだったのか? その家で一体なにが起きていたのか? 聞こえてきた「解剖したら見つかる」というのは何なのか? 右京が“ある声”から事件を解決へと導く!
右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は昼食後偶然、ビル火災の現場に出くわし救出作業に加わる。上の階で煙の中にいた女性を一人の青年が抱きかかえながら階段を降りてきて救出。救出されたのは弁護士の麗子(松尾れい子)。しかし、助けた青年はその場から姿を消してしまう。 麗子から助けた青年を探すよう頼まれた右京らは、現場に残された手がかりからその青年を見つけるが、自分は助けた覚えなどないと言って逃げるように去っていく。なぜ彼は人助けをしたことを認めようとしないのだろうか? 新聞で弁護士を救った「謎のヒーロー」と報道される中、右京と享は麗子に状況を報告するが、そこへ青年本人から名乗り出る電話が入った。電話をかけてきたのは竜也(岸田タツヤ)と名乗る男性。 竜也のアパートへ向かうと、捜査一課の伊丹(川原和久)らと鉢合わせ。伊丹らは殺害されたIT企業の経営企画部長・轟(大内厚雄)の携帯の最後の着信が竜也からだったから事情を聞きにきたというのだ…。 弁護士の麗子を助けた人物だと名乗り出た直後に殺人事件への関与を疑われるこの偶然性に不審を抱く右京。 竜也はヒーローなのか、それとも殺人に関与する人物なのか?
山奥の田舎駅。鄙びた駅舎で電車を待つ右京(水谷豊)。同じように一人電車を待つ男(太川陽介)に出会う。一方の享(成宮寛貴)は、何時間もカフェで粘る女性(芳本美代子)をナンパ…。どうやら二人はそろって非番のようだ。 そのころ、捜査一課の伊丹(川原和久)と芹沢(山中崇史)は、前夜遺体で発見された津久井(伏見哲夫)という初老の男性の殺害事件の応援捜査にきていた。芹沢から特命係の二人がそろって休みと聞き、伊丹は邪魔されずに仕事がはかどる、とほくそ笑む。現場を鋭い目でじっくり観察しながら、珍しく冴えた推理を展開していく伊丹だが…。 右京を相手に身の上話を始めた男・友部は、大昔に靴職人の修業をしていたが、母親が元従業員に金をだまされ、多額の借金を背負い、その返済のため最近までトラック運転手をしていたという。その借金もようやく完済。 享を相手に立て続けにワインをあおる女性・雪美はメール一通で男性から別れを告げられたばかりの傷心の身だった。雪美はすでに結婚していたが、夫は女遊びに終始。さきほど別れを告げられた男との不倫も夫への復讐かと思いきや、雪美は人生でたった一人の本気で愛した人だったという。 捜査は、伊丹の名推理と米沢(六角精児)が発見した血痕などから、津久井が殺害される前にいたと思われるアパートを突き止めた。そこには…。
闇社会の大物・御影康次郎(中村嘉葎雄)の死刑が確定した。有罪の決め手になったのは、彼の三男・智三(冨田佳輔)の証言だった。出所したばかりの長男・真一(阿部進之介)と弁護士の次男・悠二(篠田光亮)は、父親を裏切った弟・智三が許せないため探そうとするが、どうしても見つからない。 どうやら、警察がアメリカの“証人保護プログラム”に似た個人情報の書き換えをおこなったからなのではないか。悠二はそれを主導したのが、今は亡き元官房長・小野田公顕(岸部一徳)ではないかと踏んでいた。 ちょうどそのころ、亡き小野田官房長による一億円の使途不明金事件が明るみになった。まさに智三の行方がわからなくなった時期と同じころだ。事件が事実なら、小野田のことなので何か必要なことに使ったに違いないという右京(水谷豊)。 真相を突き止めるため、康次郎は同じ拘置所内で拘留中の元衆議院議員・瀬戸内米蔵(津川雅彦)に接触する。瀬戸内が小野田と昵懇だったのは下調べ済みだ。 看守らを巻き込み瀬戸内を巧みに強請る真一。瀬戸内は、右京に連絡を取り、智三の行方を探る事を依頼する。ただ、別人になっている智三をどうやって探せばいいのか。米沢(六角精児)らの協力を得て、右京と享(成宮寛貴)は雲をつかむような捜査に臨むのだが…。 果たして右京と享は智三を見つけ出すことができるのか?!
ある日、右京(水谷豊)のもとに、かつて事件を通じて特命係とかかわったホームレスの吉田一郎(松尾貴史)が訪ねてくる。ゴミ箱から拾ったバラバラのレジュメを繋ぎ合わせたところ、そこには歩道橋から転落死したと報じられた男性会社員の詳細な個人情報が書かれていたという。それが何らかの事件であることを察した右京と享(成宮寛貴)は、独自の捜査を開始する。 そんな中、右京は歩道橋付近の防犯カメラに、先日絞殺された大学准教授が映っているのを発見。ふたつの事件の繋がりを疑う。そして、吉田から受け取ったレジュメから、社美彌子(仲間由紀恵)という女性の指紋が見つかる。彼女は、内閣情報調査室総務部門(通称・内調)に在籍する、情報機関のスペシャリストだった。さっそく、美彌子と面会した右京と享は、レジュメが内調の資料室から何者かによって持ち出されたものだと聞く。美彌子によると、レジュメには7名の日本人の詳細な情報が書かれていた。7名は先ごろアメリカに亡命したロシア人スパイが日本滞在中に情報を得ていた協力者だと証言した人物という。米CIAから内調に極秘裏に連絡があったのだ。
文科省の官僚・高宮(山崎銀之丞)が殺人容疑で逮捕された。しかし、取り調べをのらりくらりとかわし、容疑を認めようとしない。そんな中、警察に「高宮は被害者に強請られていた」という告発メールが届く。一連の出来事に引っ掛かりを覚えた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、独自の捜査を開始。現場を調べていると、そこに容疑者・高宮の息子を名乗る、優(濱田龍臣)という14歳の少年が現れる。父が殺人などするはずがないと考え、自分で調べているらしい。そして、聡明で如才ない優は、右京から「密告メールを送ったのは君ですね」と指摘されても動じず、逆に「お2人を僕のゲームのプレイヤーに認定します」と不敵な態度を示す。その後、右京たちは被害者と優に接点を見つける。小学校時代、優と同級生だった被害者の息子が、いじめを苦に自殺を図っていたのだ。被害者はその遺書をネタに高宮を強請っていたと思われた。
出版社に勤める長谷川(夙川アトム)という男性が自室で殺害された。室内が派手に荒らされていたことから、捜査一課は強盗殺人の線で捜査を始める。しかし、長谷川は3年前、強盗殺人の容疑者として裁判にかけられたものの、人権派の女性弁護士・永井多恵(片岡礼子)の手腕もあって、無罪となった人物であることが判明。さらに、今回の現場マンションが巨大な密室状態になっていることを知った右京(水谷豊)は、そこにミステリーを感じ、享(成宮寛貴)と共に独自の捜査を開始する。その後、多恵が裁判後も長谷川と交流を持っていたという情報を得た2人は、彼女から事情を聞く。そんな中、3年前の強盗殺人の“真犯人”とされていたホームレスが無実だった可能性が浮上して…!?
捜査一課に浅木真彩(原田夏希)という、警察庁に出向していた女性が新加入することになった。伊丹(川原和久)・芹沢(山中崇史)と組むことになった彼女は、早速ビルから転落死した身元不明女性の捜査に加わる。既に捜査に乗り出していた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、死亡直前の女性の行動から、警備会社の関係者ではないかと推理。調べると、彼女は警察庁を退職後に警備会社に移籍した名取恵子(菅原あき)という女性であることが分かる。さらに捜査を進めると、恵子が勤めていた会社に、警察庁との官製談合の疑いが浮上。恵子は、それを告発しようとして消されたのではないか? 右京たちは、真彩が警察庁の出身者ということで、恵子について何か知らないか聞くが、真彩は面識がないと答える。ところが、その後、思わぬ事実が判明し…!?
右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)が留置場に入れられる。発端は4日前。食事をしていた2人は、無銭飲食でわざと捕まろうとしている男・滝沢(佐藤正宏)と知り合う。体調も思わしくない様子の彼は、どうしても年越しを拘留施設で迎えたいのか、「5年前に人を殺した」と口走る。そのただならぬ様子に引っ掛かりを覚えた右京たちが、当時の事件を調べると、目黒区で起きた連続強盗殺人が浮かび上がってくる。しかし、岩倉(ダンカン)という男が犯人として捕まっており、既に死刑が確定していた。ただ、これまでの経緯から、この件に冤罪の可能性を感じた右京たちは、捜査を担当した中根署に出向く。そこは、享が特命係に移籍する前に刑事をしていた所轄署で、岩倉を取り調べたのは元上司の堀江(山口良一)だった。 その後、右京と享はなぜ拘置されることになったのか?
右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、東京郊外の新興住宅地に住む雅代(岩崎ひろみ)という主婦から奇妙な話を聞く。一昨日、数組の家族で行ったバーベキューの最中に、一人の女性が突然、行方不明になってしまったという。バーベキューの参加者は近くの公園で知り合ったママ友4人とその夫や子供で、消えたのは半年前に引っ越してきた広子(三輪ひとみ)という独身女性。彼女は、写真を撮ると言って一人で山に入ると、そのまま戻らなかったといい、雅代はママ友の中に広子に危害を加えた犯人がいるのではないかと疑っていた。手掛かりは、参加メンバーみんながバーベキュー中に撮っていたスナップ写真。その写真を時系列に沿って並べると、ママ友にはそれぞれ、会場から姿を消した“空白の時間”があるというが…!?
享(成宮寛貴)は、悦子(真飛聖)から情報を得て、保険金殺人の疑いがある案件を単独捜査していた。被疑者は田無(米村亮太朗)という30代の男。彼は、4年前に20歳も年上の女性と結婚したが、2年後にその女性が急死し、巨額の保険金を受け取っていた。田無をマークしていた享は、右京(水谷豊)の助言で捜査一課に応援を要請。身柄の確保に動くが、追い詰められた田無は、享の目の前で自殺してしまう。捜査に落ち度はなかったものの、ショックを受けた享は辞職を考える。そんな中、田無の墓参りに訪れた享は、そこで彼の友人だという若い女性・美波(清水くるみ)と知り合う。享は美波に誘われ、若者たちを支援する団体へと向かうが…
右京が“推理力減退症候群”を発症!? 謎の数字とフェイク動画に捜査は混乱 権力者の思惑が絡む難解な事件の真相とは?
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、小手鞠(森口瑤子)から、後輩の芸者・叶笑(高梨臨)を『怨憎会苦(おんぞうえく)』から救ってほしいと頼まれる。怨憎会苦とは、仏教用語で怨み憎む相手にも会わなければならない苦しみのこと。事情を聞くと、叶笑は芸者見習いだった15年前、暴行未遂事件にあったというが、最近その犯人が出所。周囲をうろついているので、目的を探ってほしいという。ところが、その男が一昨日、かんざしで首を一突きされ、殺害されていたことが判明。また、男の勤め先が、叶笑の得意客・吉岡(窪塚俊介)が社長を務める会社だったことが分かる。そんな中、凶器のかんざしから叶笑の指紋が検出され、取り調べを受けることに。いっぽう、独自の捜査を続けていた右京と亘は、15年前の暴行未遂の現場付近で、別の窃盗事件が発生していたことを知る。 15年前の事件と現在の殺人に繋がりが!? 窃盗事件にかかわった意外な人物とは? 忘れたい過去が男女の運命を狂わせる!
マンションの敷地内で電子部品メーカーに勤める派遣社員の男性が死亡する事件が発生。通報者は、出張風俗店のドライバーで、たまたまマンションに店の女性を送り届けたという松野(橋本じゅん)と名乗る男性。松野によると、被害者と首筋にドクロのタトゥーがある金髪の男が揉めていて、「鈴木」と呼ばれた金髪の男が鞄を奪って逃げ去るのを目撃したという。捜査一課は、被害者の勤務先をかんがみて“機密情報”に絡んだ殺人事件とにらんで捜査を進める。いっぽう、独自の捜査に乗り出した右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、松野の目撃証言に不審なものを感じ、関係者に事情を聞く。すると問題の夜、松野が仕事を休んでいたことが判明。亘が厳しく追及するが、元劇団員だという松野は、突然シェイクスピアの芝居を演じ始めるなどして煙に巻く。そんな中、一課はドクロのタトゥーがある半グレ上がりの鈴木という男を逮捕。男は、被害者から闇金の借金を回収していたことを認めるが…!? 無関係を装う通報者に驚くべき過去が… 逮捕された半グレ男との意外な接点とは!? 特命係が現代社会の悲しい歪みを目撃する!
平成の毒婦”未決囚の遠峰小夜子が再来! 犯行を自供した男をかばう真意とは!?
ドン底の男がセレブ令嬢を脅迫して結婚!? 特命係が難攻不落のアリバイ崩しに挑む!
相次ぐ女性転落死に連続殺人の可能性が SNSの書き込みが非業の死をもたらす!?
内村刑事部長が暴力団のシノギに肩入れ!? 贋作詐欺と画商自殺の背景に驚きの裏が!
殺害された青年に許されざる過去が… 右京を追い回す謎の記者との関係は!?
角田(山西惇)が給付金詐欺に引っ掛かっていることを察した右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、詐欺グループと連絡が取れる状況を利用して、主犯を捕まえようと動き出す。角田の息子と偽って、鈴木(マギー)と名乗る詐欺グループの一員と接触した亘は、アジトを突き止めるため、「雇ってほしい」と頼み込む。亘に言いくるめられた鈴木の口利きで、アジトへの潜入に成功した亘だったが、目隠しで連れ回されたため、アジトの正確な場所までは特定できない。ただ、そこでは未成年と思われる佐藤(山﨑光)という少年ら、数人が軟禁状態で働かされていることが分かった。そんな中、亘は鈴木から、グループのボスが“伝説の詐欺師Z”であるという噂話を聞く。Zは相当な切れ者で、“伝説の詐欺師X”を出し抜いたことで名を上げたという。隙を見て外部と連絡を取ることに成功した亘から、それを聞いた右京は、詐欺グループに“ある罠”を仕掛けるべく、角田や捜査一課を巻き込んで行動を開始するが…!? 都市伝説のような大物詐欺師は実在するのか!? 騙し、騙され、事件は極限の頭脳戦に… 二転三転する状況の中、意外過ぎる結末が!
噺家の椿家一門の師匠である椿家團路(笹野高史)が、公演中、高座で古典落語『死神』をやっているさなか、突然倒れ、そのまま息を引き取った。『死神』は、今にも消えそうなろうそくが、「お前の寿命だ」と死神に宣告された男が、死神から渡された新しいろうそくに火を移そうとするが、うまくいかず、そのまま命を落とすという演目。團路は、そのオチの部分で、高座に倒れ込む“仕草”をしたまま、動かなくなってしまったのだった。團路は高齢の上、がん闘病中で余命宣告を受けていたことから、病死と判断されたが、たまたま現場に居合わせ、一部始終を目撃した右京(水谷豊)は、事件性を疑う。亘(反町隆史)や捜査一課の面々は、右京の見立てに半信半疑だったが、それでも右京には確信があるようで、独自の捜査を始める。調べると、團路の周囲には、弟子たちをまとめる小ん路(林家正蔵)、團路のセクハラに悩んでいた路里多(立石晴香)のほか、テレビでの活躍に苦言を呈されていた弟子や破門されたばかりの若手など、クセモノ揃いの弟子たちがいて…!? 舞台上で倒れた落語家の死は、病死か殺人か!? 疑惑の渦中には、それぞれに動機を抱えた弟子たちが… 右京が落語になぞらえた“死神”の正体を暴き出す!
運命的な再会から窮地に陥った小手鞠 命を懸けた逃避行の行き着く先は…!?
事件を呼び寄せる“あのママ”が再登場! 麗音が専属ボディーガードに転身!?
誘拐事件をいち早く察知した特命係 “仲間たち”と協力して動き出すが…
老舗眼鏡店の後継者争いが殺人に発展!? 青木の“覗き癖”が真相究明のカギに! 老舗眼鏡メーカー・田崎眼鏡の女性専務が、殺害される事件が発生。田崎眼鏡では、3か月前、社長の田崎恭子(かとうかず子)が心臓発作で倒れた後、“お家騒動”が勃発。警察は、恭子の長男が、社長を代行していた女性専務に反感を抱き、殺害したとして行方を追っていた。いっぽう、向かいのマンションを興味本位で覗いていた青木(浅利陽介)は、不審な入居者を目撃。話を聞いた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が調べると、次男と末娘が恭子をかくまっていることが判明する。2人は、専務が殺され、長男に容疑が掛けられているというショッキングな状況で、病床の恭子を動揺させたくないという思いから、情報を遮断しているらしい。そんな中、右京は田崎眼鏡の職人・松田(青山勝)にオーダーメイドを依頼する。詳しく話を聞くと、お家騒動には意外な事実があったことが分かる。さらに右京は、殺害現場にいくつも不自然な点があることに気付き…!? 老舗メーカーのお家騒動の裏に複雑な事情が 関係者の意外過ぎる思いが特命係を翻弄! 事件の背景に隠された悲しい真実とは…!?
殺人の凶器は小説に描かれた“魔銃”!? 特命係が物語になぞらえた不可解な事件に挑む! 『魔銃録』という人気小説の作者が銃殺される事件が発生。凶器は、数か月前、収賄疑惑を掛けられた代議士襲撃事件で使われた古い銃と思われたが、問題の銃はすでに警察が押収し、厳重に保管されていたため、ネットでは「魔銃が現れた」と騒がれていた。銃を「野蛮で旧式な武器」と嫌う右京(水谷豊)は、亘(反町隆史)と共に独自の捜査を開始。線条痕の再鑑定をしている警察庁の付属機関・科学警察研究所を訪れる。主任研究官である黒岩(上杉祥三)から事情を聞くと、問題の銃が持ち出された可能性も、鑑定が間違っている可能性もないと断言。犯罪の要因を研究している雅美(前田亜季)も、黒岩の鑑定を支持する。いっぽう捜査一課は、小説の熱狂的なファンや反感を抱くアンチ、さらに暴力団の関与も視野に捜査を進めていた。しかし、犯人も凶器も見つからず、ネットでは「魔銃は増殖する」などという噂が、まことしやかに囁かれていた。そして、捜査の背後では、“魔銃”を持つ者が、さらなる犯罪に動き出そうとしていた。 死を招く凶器“増殖する魔銃”は実在するのか!? 熱狂的な読者を持つ人気作家が殺害された理由は? 銃という“野蛮な武器”が驚がくの事件を呼び寄せる!
特命係を煙に巻く“あの男”をめぐり 止まっていた時間が、再び動き出す! 特命係と仮想国家の支配者・加西の因縁はここから始まった――
権力者たちがそれぞれの思惑で暗躍 加西を狙う殺し屋の正体とは…!? 特命係と仮想国家の支配者・加西の因縁はここから始まった――
半年前の春。官房長官の鶴田翁助(相島一之)は、加西周明(石丸幹二)暗殺事件を主導しながら、愛人である柾庸子(遠山景織子)の“自白”によって罪を逃れた。そんな中、鶴田が師と仰ぐ元官房長官の朱雀武比古(本田博太郎)が、3年前に仮出所していたことを知った特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、裏に鶴田の思惑があったのではと探りを入れる。すると、拘置所に収容されている庸子の接見が突然、禁止となった。不審に思った右京と亘が事態を探りはじめた直後、鶴田が突如、“こてまり”に姿を現し、驚愕の事実を告げる。なんと、庸子が拘置所内で自殺したという。 冷徹で残忍な鶴田による“口封じ”を疑った特命係は、庸子の死の真相を突き止めるべく捜査を開始。同じく彼女の死に疑問を感じた元弁護士・中郷都々子(織田梨沙)も独自に動きはじめるが、やがて事件には想像以上に複雑な思惑と陰謀が絡み合っていることが発覚。そして、ついには、亘が逮捕される事態に――! 不審な死を遂げた庸子の自殺の真相とは!? 加西暗殺の“仕掛け人”たちの思惑が交錯 国家権力の闇が再びうごめき始める!
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が、自室で死んでいる中郷都々子(織田梨沙)を発見した。一見、自殺に見えるが、玄関は施錠されておらず、部屋が冷房で極端に冷やされているという、不可解な点もあった。それでも捜査一課は、都々子の死を、自殺として処理。納得いかない右京と亘は、捜査を続行しようとするが、亘が罪をなすりつけられた“鍵泥棒”の一件が尾を引く。形式上、特命係を統括している峯秋(石坂浩二)が、マスコミに糺弾されるなど、外部から圧力が掛かったのだ。背後には、官房長官・鶴田翁助(相島一之)の暗躍があると思われるが、尻尾を掴むことはできない。そればかりか、これまでの経緯から、亘が免職の危機にさらされる。しかし、ひるまない右京は、加西周明(石丸幹二)が遺した“鍵”に鶴田の弱点が隠されていて、それこそが一連の出来事の真相解明の足掛かりになると推理。右京と亘は、青木(浅利陽介)をともない、鍵が示す“ある場所”を訪れるが…!? 時の官房長官の周囲で相次ぐ不審な死… 真相解明の鍵は加西が仕掛けた巧妙な罠!? 権力の巨大な壁が特命係に立ちふさがる!
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、青木(浅利陽介)をともなって、加西周明(石丸幹二)が生前、準備していた仮想現実の世界に足を踏み入れる。そこに、官房長官・鶴田翁助(相島一之)の“弱点”が隠されていると踏んだ右京たちは、加西のアバターに案内されるまま歩を進めるが…。いっぽう、元内閣情報官の栗橋(陰山泰)は、柾庸子(遠山景織子)の一件をめぐって捜査一課から厳しい追及を受けていたが、関与が疑われる鶴田をかばってか、完全黙秘を貫いていた。同じ頃、警視庁では、異例の事態が起きていた。広報課長を務める美彌子(仲間由紀恵)に辞令が下り、思わぬポストに異動することになったのだ。背後には鶴田の手引きや美彌子の思惑があるとみられるが、真相は不明。そんな中、鶴田は加西が握っていたと思われる、自身の“弱点”を潰しに掛かるが…!? 加西がVRの世界に遺した“切り札”の正体は!? いっぽう、警視庁内では権力をめぐる不穏な動きが… カオスと化した事態の中、特命係が驚がくの真相に迫る!
陣川(原田龍二)は、高校時代からの友人で、現在はゲームクリエイターとして活躍している鴫野大輔(黒田大輔)から結婚式のスピーチを依頼され、大張り切り。しかし、内容が今ひとつのため、鴫野が長年世話になっているというスピーチライターの宮森由佳(瀬戸カトリーヌ)を紹介される。興味を持った右京が、陣川に同行し、由佳から話を聞いていると、陣川の携帯に鴫野から連絡が。突然、殺人事件の容疑が掛けられ、警察から事情聴取を受けているという。助けを求められた陣川は、右京と亘(反町隆史)をともなって急行。殺されたのは鴫野の下で働いていた元社員の男性で、死の直前、『お前を絶対に許さない。全てを公にして謝罪しろ』というメールを鴫野に送っていたという。内容から、ゲーム開発に関して、鴫野に恨みを持っていたと思われるが、鴫野自身は容疑を全面否認。それを信じた陣川は、右京と亘を巻き込み、独自の捜査を始める。ところが、その矢先、鴫野犯人説を裏づける、決定的な証拠が発見されて…!? 人気ゲーム開発の裏に秘められた殺意 カリスマクリエイターが隠したい秘密とは!? 陣川の熱い思いが、意外な真相をあぶり出す!
角田(山西惇)は、水木(伊藤洋三郎)という顔見知りの元刑事が、落ち込んでいる姿を見掛ける。水木は、2か月前から行方不明になっている大学生の娘を探すため、警察官でありながらネットで情報提供を呼び掛け、問題になった人物。しかも、寄せられた情報は冷やかしばかりで、本人は騒動の責任を取って辞職していた。そんな中、警備員の男が、施錠されたアパートの自室で首を吊って死んでいるのが発見される。状況的には自殺だったが、外傷がある上、室内の指紋が不自然に拭き取られていたことから、“密室殺人”も疑われた。そして、この事件の一部始終を見ていたのは、なんと飼っていた“亀”だった!事件に興味を持った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が聞き込みをすると、隣に住む三宅富士子(草村礼子)という老婦人には、部屋から出ない息子がいると判明。日中、部屋にいるその男性が、何か聞いている可能性もあるが、話を聞くことさえできない。翌日、捜査を続けていた右京と亘は、現場付近で怪しげな男を発見。捕まえて事情を聞くと、男は水木の元部下の刑事で、警備員の男が亡くなった部屋を、非公式に家宅捜索していたと語る。そんな無茶をしたのは、問題の部屋に女性が監禁されているというネットの書き込みがあったからだというが…!? 絡み合う女子大生失踪事件と警備員の死 不可解な“密室”には驚きのカラクリが!? 特命係が、現代の悲しき闇に光を当てる!
話題の小説と過去の事件に奇妙な符合が 虚構と現実が結びついた先にあるものとは 福山光一郎(菅原大吉)というベストセラー作家が、一人暮らしの自宅で刺殺された。警察は、もろもろの状況から強盗殺人の線で捜査を開始。いっぽう右京(水谷豊)は、現場から新作の最終回の原稿が消えていることに疑問を抱く。その小説は、少女殺害事件の捜査にあたる老刑事が、正体不明の犯人を執念で追い詰めていくストーリーらしいのだが…。版元の編集者から話を聞いた右京と亘(反町隆史)は、新作の掲載を前に、福山が突然、出版社を乗り換えていたことを知る。さらに、福山は自著で、『小説が完結した時、失われた真実があぶりだされるだろう』という、謎めいた発言をしていた。捜査を進めると、22年前、福山は、ある重大事件に巻き込まれていたことが判明。右京は、その事件と問題の小説に、共通点が存在していることに気づく。 未完小説に仕掛けられた“ルール”とは 読み解く鍵は、22年前に起きた凶悪事件に!? 右京の推理が時を超え、驚きの真実を導き出す!
被害者家族に向けられる非情な声 事故多発の川に潜む妖怪の正体は!? 右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、小学生の女の子が若い男に、「どこに隠したの! 早く返してよ!」と詰め寄っているところに居合わせる。見かねて割って入ったところ、2人は親権を失った父親と、娘であることが判明。事情を尋ねようとするが、女の子は理由も語らず、走り去ってしまう。翌日、川で行方不明になっていた男の子が、意識不明の重体で発見されたというニュースが流れる。右京たちは、SNSにさらされている家族写真に、昨日の女の子が写っていることに気づく。写真は、少年の母親である千夏(黒坂真美)を糺弾するため、ネット民が無断で載せたものらしい。昨日出会った少女・百花(米村莉子)が言っていた「返してよ!」という言葉から、不穏な気配を察した右京と亘は、独自に周辺を調べ始める。すると、問題の川では、近くの工場に勤める若い男性が、溺死する事故が起きていた。さらに、再会した百花から話を聞くと、いまだ意識が戻らない弟は、“かわおとこ”という妖怪に連れ去られたのだと主張し…!? 少年を溺れさせたのは川に潜む謎の生物!? 同じ場所で発生した溺死事件との関係は? 特命係が妖怪ハンターとなり超常現象に迫る!
大学構内の地中から白骨死体が発見された。死後50年近くたっている時効事件のため、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が捜査を押しつけられる。DNA鑑定の結果、白骨は1970年代に学生運動をしていた岡田という過激派の幹部であると判明。当時の仲間によると、岡田はカリスマ指導者で、人心を操る天才だったという。そんな中、梶原(ベンガル)という物流大手社長の遺体が発見される。運転手によると、梶原は最近なぜか、情緒不安定になっていたというが…!? いっぽう右京と亘は、岡田と親交が深かった藤島(下條アトム)という男性を訪問するが、何も知らないと語る。ところが、そこに捜査一課が現れ、藤島に任意同行を求める。梶原の携帯に、事件当日、藤島を呼び出すメールが残っていたという。ふたつの事件に関連があると知った右京と亘は、藤島の連行にショックを受ける美鈴(白川和子)という女性を見掛け、話を聞くが…!? 半世紀前の事件と現代の殺人に共通点が ふたつの事件にかかわる男性の正体は? 特命係が時を超えた“亡霊”の正体に迫る!
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、20年前に都内スーパーで起きた刺殺事件の押収品を返却するため、被害者の妻を訪ねる。犯人はまだ捕まっておらず、被害者の妻は最近までチラシを配って情報を集めていたというが、そのさなか、「自分は被害者の生まれ変わりだ」と主張する、見知らぬ若い男が現れたという。吉岡翼(今井悠貴)と名乗るその男は、被害者が搬送され、死亡したその日に同じ病院で生まれたといい、“殺されたときの記憶”も残っているというが…!? 興味を持った右京は、独自の検証を開始。吉岡を連れて現場を訪れ、当時の捜査資料と彼の証言を照らし合わせる。すると、犯人と被害者しか知らないはずの情報を、吉岡が記憶していることが判明。生まれ変わりという主張が、にわかに信憑性を帯びてくる。さらに、吉岡の脳裏に新たな記憶が蘇り…!? “生まれ変わった男”の証言は、嘘か真実か 特命係を惑わせる前世の記憶の正体とは!? 未解決事件の真相が、時を超えて解き明かされる!
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、角田(山西惇)からの頼みで、張り込みを手伝うことに。捜査対象は、仮想通貨の儲け話を持ち掛けるロマンス詐欺のグループ。だまし取った金の保管場所とみられる家具店を見張ることになった右京と亘は、怪しまれずに張り込むため、目の前の喫茶店に目をつける。2人は、オーナーの真鍋(酒井敏也)に事情を話し、店番をする代わりに、捜査への協力を持ち掛ける。真鍋の承諾を得て、さっそく接客を担当することになった右京は、瑞枝(麻丘めぐみ)という紅茶好きの女性と知り合い意気投合。うんちくを傾け合うが、右京は瑞枝がふと寂しげな表情を見せたこと気づく。そんな中、問題の家具店に出入りしていた男女が、喫茶店にやってくる。亘は、店を出た2人の尾行を試みるが、タイミング悪くクレーム客に捕まり、見失ってしまう。その後、特命係に戻った右京に、思わぬ情報がもたらされる。亘が取り逃がしてしまった男が、転落死体で見つかったという。 詐欺グループのメンバーが謎の転落死 亘のミスが仲間割れ殺人の引き金に!? 二転三転する事件が、特命係を翻弄する!
年末、峯秋の誘いで高級レストランを訪れた右京(水谷豊)は、与党政調会長の袴田(片岡孝太郎)と経済界の重鎮が、会合を開いているところを見掛ける。個室のテーブルには、3人の席が用意されていたので、もう1人、参加者がいると思われた。同じ夜、落としたスマホを探していた少年が、大人同士が言い争う姿を目撃。それに気づいた男に、落としたスマホを持ち去られてしまう。 翌日、年末年始の当番勤務にあたっていた亘(反町隆史)は、ある女性から呼び出しを受ける。同じく当番だった右京に、「紹介したい人がいる」と言い、連れ出した先は教会。そこにいたのは、亘の姉・由梨(飯島直子)だった。ピアノ教師をしながら教会でボランティアをしているという由梨は、保護した記憶喪失の男性(イッセー尾形)の身元を調べてほしいと依頼する。しかし、本人が“湊健雄”と名乗っている以外、手掛かりはなし。唯一、大手鉄道会社の駅売店の名前が記憶に残っているらしいが…!? そんな中、右京と亘は、湊を最初に見つけた2人の少年から話を聞く。利発な2人は、当時の状況を分かりやすく説明してくれたが、何かを隠している様子。どうやら、片方の少年が、雑木林でスマホをなくしたようで…!? 身元調査の糸口を求めて、駅売店の本社を訪れた右京と亘は、同社が非正規雇用の賃金問題で紛争を抱えていることを知るが、湊に関する情報は得られなかった。同じ頃、少年のスマホを手にした男が、身分を偽り、2人のすぐそばまで迫っていた。 2人の少年は何を目撃してしまったのか!? 亘の姉が保護した記憶喪失の男とも関係が? 人々の思いが交錯するとき、驚きの真実が明らかになる!
元刑事の安岡(小宮孝泰)が、自宅で撲殺されているのが発見された。捜査一課は、刑事時代に逆恨みされた可能性も視野に捜査を始める。しかし、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、安岡が埋蔵金探しの動画をサイトに投稿していたことに注目。事件との繋がりを疑う。手掛かりを求めて発掘現場の赤城山を訪れた右京は、安岡の宝探し仲間である新井(山本龍二)と接触。作業を手伝うという名目で周辺を探り始める。いっぽう、東京に残って背後関係を調べていた亘は、気になる情報を掴む。安岡と新井が発掘していた現場は、すでに不動産会社を営む東堂(目黒祐樹)という男が、大金をつぎ込んで探し回った場所だという。さらに、安岡が警備員として働いていたのは、東堂の会社だったことが判明。しかし、東堂に確かめると、「面識はなかった」と語る。不可解な繋がりに疑念を抱いた亘が、さらに調べると、東堂の長男の妻が3年前に行方不明になっていて、その直後に突然、東堂が発掘中止の指示を出していたことが分かる。 埋蔵金ハンターに加わった右京の狙いは? 単独行動の亘が掴んだ情報に謎を解く鍵が 興味本位のお宝探しが意外な事件をあぶり出す!
ある日、伊丹(川原和久)のもとに、所轄時代に世話になった黒瀬という先輩刑事が訪ねてくる。現役時代、似顔絵捜査官だった黒瀬は、現在ボランティアで『冥婚絵』を描いているという。冥婚とは、未婚のまま亡くなった人の遺族が、弔いのため仮想の結婚式をあげる風習のこと。黒瀬は数か月前、多岐川という夫婦からの依頼で、13年前に行方不明になったままの、未来という名の娘の冥婚絵を描いたのだが、最近になって、その絵とそっくりの若い女性が、多岐川家にいるのを見たという。しかし、行方不明だった少女が保護されたという報告はなく、伊丹は取り合わなかったが、興味を持った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は独自の捜査を開始する。そんな中、引きこもりの男性が刺殺される事件が発生。その現場から、なぜか問題の冥婚絵が見つかる。さらに、右京と亘が多岐川家を訪ねると、確かに絵と似た若い女性が、そこにいた。ただ、それは遥香(山本舞香)という親戚の娘で、未来の従姉妹だという。しかし、調べを進めると、思いも寄らない事実が判明して…!? 結びつく13年前の少女失踪と現代の殺人 解明の鍵は、元刑事が描いた冥婚絵!? 家族への思いが意外な真相をあぶり出す!
人気芸術家の婚約者に必ず訪れる不幸 事件の背後でうごめく悪魔の正体とは!? 右京(水谷豊)は、小手鞠(森口瑤子)の誘いで、氷室聖矢(渡部豪太)というフラワーアーティストの展覧会を見学する。氷室は、婚約者の女性と仲睦まじい姿を見せていたが、その後、女性が氷室のオフィスで殺されているのが発見される。捜査一課が氷室を疑ういっぽう、右京と亘(反町隆史)は、氷室と十年来の仕事仲間だという生花の卸売業者・一之瀬(冨田佳輔)から話を聞く。ところが、取り憑かれたように仕事をする氷室に、聴取を遮られてしまう。小手鞠によると、氷室の前のパートナーは3年前に謎の失踪を遂げていて、氷室が婚約者を失うのは、これで二度目だという。そんな中、氷室が高名な美術評論家の家に押し入る事件を起こす。評論家には、かつて氷室の個展を酷評し、活動に水を差した因縁があったが、「恨まれる筋合いはない」と憤っていた。その頃、逮捕された氷室は、取り乱した様子で、婚約者の失踪と殺害は、「悪魔の仕業だ」とつぶやいていた。 天才アーティストに掛かる連続殺人の疑惑 フィアンセ失踪と殺害は悪魔の仕業!? 美しい花々と過去の事件が特命係を惑わせる!
特命係を煙に巻いたあの詐欺師が再び! 麻薬絡みの事件に隠された真実とは!? 繁華街のゴミ置き場で男性の刺殺死体が発見された。被害者の風体から、カタギでないと踏んだ警察は、暴力団絡みの事件を視野に捜査を始める。いっぽう、都内マンションの植え込みで、男性の転落死体が発見された。その映像を動画サイトで見つけた青木(浅利陽介)は、映像の中に、5年ほど前、特命係が詐欺で逮捕した平井(風間杜夫)という男が映り込んでいることに気付く。どうやら、刑期を終えた平井は現在、マンションの管理人に収まっているらしい。興味を持った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、独自の捜査を開始。そんな中、平井が管理人を務めるマンションに、不審な2人組の男が姿を見せていた。男たちは麻薬の密売人で、1人は平井と面識のある詐欺師。空き部屋を密輸に利用したらしいが、問題の麻薬がマンション内で消えてしまったという。密売人が平井を脅して、ブツを探させようとする中、右京と亘がマンションにやってくる。無関係を装い、必死に取り繕う平井だったが、右京は早くも何かを見抜いている様子で…!? 相次いで起きた刺殺と転落死に繋がりが? キーマンは右京と渡り合う食えない元詐欺師 知恵者同士の騙し合いが、再び事件を呼ぶ!
晴天の屋上で発見された会社員の遺体 複数の容疑者から真犯人を特定せよ! オフィスビルの屋上で、中年男性の刺殺遺体が発見された。被害者は、中松誠(高橋和也)という広告会社の社員。複数の刺し傷があったことから、捜査一課は怨恨の可能性を視野に捜査を始める。手掛かりは、凶器である刃渡り22センチのハサミと、ハサミの指紋を拭ったとみられる『T』の文字が入ったハンカチ。その現場にひょっこり現れた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、いつものようにシレっと捜査に加わる。関係者に聞き込むと、中松は出世争いに負け、閑職に追いやられていたことが判明。容疑者として、ライバルだった同期の男や、中松の巻き添えで左遷された部下の男が浮上してくる。さらに、離婚を望んでいたという妻には、社内の男性との不倫疑惑が。怪しげな関係者たちが浮上してくるいっぽう、神出鬼没の“謎の男”が、捜査の動きを注視していて…!? 出世のライバル、一蓮托生の後輩、不倫妻と交際相手… 次々に浮かんでくる疑惑の人物たち 二転三転の末、明かされる驚がくの真実とは!?
鉄道愛好家として、ある路線を訪れた米沢(六角精児)は、線路脇で遺体を発見。連絡を受けた右京(水谷豊)は、亘(反町隆史)と共に臨場する。遺体や凶器が沿線で見つかったことから、そこに何らかのメッセージがあると思われた。捜査から浮かび上がってきたのは、廃線の噂がある『星川鉄道』。米沢によると、廃線を進めたい運営会社と、沿線住民が立ち上げた“復活させる会”の間に軋轢が生じているという。被害者は廃線支持住民の中心人物で、運営会社にも脅迫メールが届いていたことから、廃線をめぐる対立が関係している可能性が高かった。そんな中、線路に侵入する騒ぎを起こした今泉(松浦祐也)という鉄道ファンが逮捕される。今泉は事件直前、遺体や凶器が見つかった現場に姿を見せていた。いっぽう、右京と米沢は、星川鉄道の地元で情報を収集。すると、廃線の是非をめぐって、住民同士が激しく対立していることが分かる。 殺人の動機は廃線をめぐる住民の分断!? 特命係と米沢が、数年ぶりに捜査でタッグ! 複雑に絡み合った事件の謎を解き明かす
亘(反町隆史)が飛び出す―――そして、ナイフを手にした女の前に立ち塞がった次の瞬間、胸を突き刺されて…!? 36時間前。警視庁では、AIの活用や事件の防止に関する研修が行われていた。その帰路、街を歩いていた右京(水谷豊)と亘は、踏切前でうつろな目をした女性を見掛ける。気になった2人は、女性を見守ることに。すると、マキ(太田莉菜)というその女性は、『千里一歩(せんり・かずほ)』というペンネームで、手作り詩集の路上販売を始めた。そこに、カタギとは思えない風体の男が近づく。聞き耳を立てると、どうやら男は出所間もないヤクザ者らしい。ますます気になった右京は、民事不介入を訴える亘を説得し、マキを尾行。彼女が血相を変えて手にした雑誌には、KAZHO(篠原真衣)という気鋭のデザイナーの特集記事が掲載されていた。 詩集を売る女性と気鋭のデザイナーの関係は!? 亘は、誰に、なぜ刺されてしまうのか… “悲しい事件”を防ぐため、特命係が奔走する!
特命係の杉下右京(水谷豊)は最近、冠城亘(反町隆史)に“春”が来た――つまり恋人ができたのではないかと勘繰っていた。このところ、そそくさと帰ることが多くなったばかりか、“野暮用”という名目でサイバーセキュリティ対策本部・青木年男(浅利陽介)との約束を2度もすっぽかしていたのだ…。 同じ頃、8年前に鑓鞍兵衛(柄本明)を襲撃した京匡平(本宮泰風)という男が出所し、再び鑓鞍を狙っているという情報が浮上。日下部(榎木孝明)や美彌子(仲間由紀恵)が状況の把握に乗り出す。京の動機は、書生として世話になっている東京郊外の名家・王隠堂家の長男が、鑓鞍の差し金で選挙戦に敗北し、失意のうちに事故死した件を、逆恨みしてのことだった。いっぽう、鑓鞍は総選挙を控え、国会議員への返り咲きを狙う片山雛子(木村佳乃)に対し、自ら刺客となるべく選挙区の“国替え”準備を進めていた。一連の経緯に興味を持った右京と亘は、独自に動き始める。そんな中、王隠堂家の当主・鷹春(勝野洋)が、京と共謀して鑓鞍襲撃計画を練っていることを察知した鷹春の娘・美馬(酒井美紀)が、警察に相談。それを知った鷹春が、美馬を殴打する事件を起こし、逮捕される。この一件から、さらに鑓鞍襲撃計画が信憑性を増し、警察は警戒を強化。鑓鞍の警備も厳重になるが、鑓鞍はなぜか、8年前の事件で鑓鞍を守り、重傷を負った警視庁警備部の津崎真茅(野波麻帆)をSPに指名する。 鑓鞍襲撃計画を発端にそれぞれの思惑が交錯 出所した襲撃犯は再び鑓鞍を狙うのか!? 亘にとって“最後”の事件が幕を開ける!
京匡平(本宮泰風)が投稿した、虚実を混ぜ込んだ告発動画によって、王隠堂家を監視していた伊丹(川原和久)たち捜査一課の行動が問題に。さらに、片山雛子(木村佳乃)と議席争っている鑓鞍兵衛(柄本明)も打撃必至の状況となる。いっぽう、怪文書により“パパ活”の疑惑を掛けられた亘(反町隆史)は、何か事情があると踏んだ右京(水谷豊)の追及で観念し、騒動の収拾に動き出す。そんな中、京と王隠堂鷹春(勝野洋)が鑓鞍の襲撃を目論んでいる件について、一計を案じた右京は、捜査一課を巻き込み、意外な方法で美馬 (酒井美紀)たちが暮らす王隠堂家に接近する。ところが、その矢先、右京が危機的状況に見舞われ、事態はますます混沌。警視庁警備部の津崎真茅 (野波麻帆)は、鑓鞍の警護を厳重にせざるをえなくなる。同じ頃、一連の騒動の火の粉は、青木(浅利陽介)や美彌子(仲間由紀恵)にも降りかかっていた。
南アジアのサルウィンで腐敗政府を倒した、アイシャ・ラ・プラント(サヘル・ローズ)という反政府運動のリーダーが親善目的で来日する。なぜかパーティーに招待された右京(水谷豊)が、興味本位で会場に向かうと、そこにはサルウィンに渡っていた元相棒・亀山薫(寺脇康文)の姿があった。 パーティーには鑓鞍兵衛(柄本明)や片山雛子(木村佳乃)といった政治家や、外務省幹部の厩谷(勝村政信)など要人が招かれていた。厩谷は外交通で、アイシャをサポートするミウ・ガルシア(宮澤エマ)らサルウィン側との関係も良好な人物。会場はお祝いムード一色だったが、そんな中、薫のスマホに不穏なメッセージが届く。それは、『アイシャを殺さなければ、旅客機を墜落させる』という脅迫文だった。 該当の便には、薫の妻・美和子(鈴木砂羽)も搭乗していた。到着までのリミットは4時間。右京と薫は、手分けして脅迫者を追跡するが、その矢先、会場の一角で、思いも寄らない事件が起こる。 ターゲットは腐敗政治を正した女性活動家 刻一刻と旅客機テロのタイムリミットが迫る! 守るべきは彼女か、それとも乗客の命か…!? 動き出した右京と薫が、究極の選択を迫られる!!
テロ予告のあった旅客機は無事だったものの、サルウィン反政府運動のリーダー的存在だったアイシャ (サヘル・ローズ)が命を落とし、責任を問われた右京(水谷豊)は、謹慎を申し渡される。いっぽう、捜査一課では、脅迫されていた人間は、薫(寺脇康文)のほか、アイシャの親友ミウ (宮澤エマ)や外務省幹部の厩谷 (勝村政信)ら計6人いたという情報を把握。しかし、脅迫犯に関しては目星さえつけられていなかった。そんな中、アイシャの死に責任を感じていた薫は、“親善使節団のメンバー”という立場を利用して厩谷のもとに押し掛け、右京の捜査復帰を官邸に働き掛けてほしいと直談判する。ところが、そこに当の右京が現れ、「くだらないまねは慎んでください」と薫を一喝。2人は再会も束の間、早くもぶつかり合う。そして、また一人、新たな犠牲者が―――
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、泥酔して路上で寝込んだ男性から財布を盗んだ中年男(有薗芳記)を逮捕。男は、のらりくらりと素性を隠すが、所持品から思わぬ物が。それは1か月ほど前、河川敷で他殺体となって見つかった、伊藤(阿南健治)という男性の財布だった。捜査を担当していた県警によると、遺体の身元が分からず、捜査が行き詰まっていたという。右京はそこで気になる情報を耳にする。死因は、頭部殴打による脳挫傷だったのだが、伊藤の遺体はニヤッと笑っているように見えたという。好奇心を刺激された右京は、薫と越境捜査を開始。すると、詐欺まがいの寝具会社に勤めていた伊藤が、夫婦漫才でステージに立つ元お笑い芸人だったと判明。しかし、伊藤は、愛想笑いのひとつもできない気難しい男で、17年前まで相方だった紗矢(池谷のぶえ)と決別。ますます興味がわいた右京だったが、“縄張り”を荒らされた県警からストップが掛かる。 笑えない男は、なぜ笑いながら死んだのか? 越境捜査で本庁と県警が対立する中、 関係者たちの意外な過去が明らかになる!
ある日、特命係に警視庁職員の健康を管理している保健師・吉崎弘美(桜木梨奈)が乗り込んでくる。面談を先延ばしにしている右京(水谷豊)と、そもそも診断を受けていない薫(寺脇康文)に釘を刺しに来たのだ。そんな折、特命係に、『20年前の連続通り魔事件の犯人が動き出す』と書かれた告発文が届く。20年前といえば、若い女性を狙った強盗事件が7件連続で発生した時期。7人目の被害者である15歳の少女が亡くなり、メディアでも大きく取り上げられた事件だった。当時、伊丹(川原和久)も捜査本部にいたが、犯人を特定できず、迷宮入りしてしまったという。それから20年たった今、傷害致死の時効が迫っていた。右京と薫は、手掛かりを求めて、亡くなった少女の母を訪れるが、「そっとしておいて」と追い返されてしまう。そんな中、夜道で女性が襲われる通り魔事件が発生。伊丹たちも捜査に乗り出すが…!? 迷宮入り寸前の事件に新たな動き!? 現在と過去、絡み合う事件の記憶 特命係が卑劣な通り魔を追い詰める!
伊丹(川原和久)が、夫も子もある女性に横恋慕。大河内(神保悟志)の聴取を受けていた。発端は二日前に起きた殺人事件。投資会社勤務の大久保という男性が自宅で殺害され、『え』『つ』と読める血文字が発見された。容疑者として浮上したのが、篠塚というチンピラ。2年前、ひったくりで逃走中の篠塚を、取り押さえたのが大久保だった。捜査一課は、お礼参りの線で篠塚の行方を追跡するが、その矢先、伊丹が思わぬ行動に出る。篠塚の立ち寄り先として目星を付けていたアパートに、女性が子供と帰宅したところ、強引に室内に押し入ったのだ。女性は、篠塚の妻・由香子(霧島れいか)。彼女は弁当店に勤め、伊丹は店の常連だった。交際相手の女性に夫がいて、しかもそれが被疑者と知って頭に血が上ったのでは…!? そう勘繰る声もあったが、伊丹は完全黙秘。そんな中、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)が捜査に乗り出すと、『え』『つ』に当てはまる怪しげな人物が次々に浮上し…!? 伊丹はなぜ容疑者妻の家に押し入ったのか… ダイイングメッセージの隠された意味とは!? 恋に揺れる男の窮地に特命係が立ち上がる!
白いコートの女“丑三つのキョウコ”に出会ったら最後、心臓をえぐり取られて殺される…。という噂がSNSで流布され、動画まで拡散していた。都市伝説に興味津々の右京(水谷豊)に対し、薫(寺脇康文)は否定的。そんな中、フリースクールの入口で、胸を刺された男性の遺体が発見される。殺害されたのは、同校の代表を務める男性。死亡推定時刻に、現場の近くを白い服の女が徘徊する姿が撮影されており、「現実にキョウコが出現!」とネットが沸騰する。いっぽう、撮影された“キョウコ”は偽物だと主張する人物も現れた。右京が話を聞くと、問題の男は、現場から離れた場所で、血だらけの女を目撃したという。同じ頃、現場付近で聞き込みをしていた薫は、殺害された代表が、問題を抱える子を強引に自宅から連れ出し、親から金を取ったら放り出すという、悪質な商売をしていたという情報を掴んでいた。右京は、その悪徳スクールの被害者の中に、“キョウコ”を思わせる黒髪女性がいることに気づく。自宅を訪ねると、青山加奈(江田友莉亜)というその女性は、両親を亡くした今も家から出ないままで、生活の世話は足立(廣川三憲)という高校時代の担任がしていると分かる。右京と薫は、話を聞こうと呼び掛けるが、加奈は姿さえ見せようとしなかった。 殺人犯は実在する“丑三つのキョウコ”!? 恐ろしい都市伝説の裏に隠された真実とは?
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、角田(山西惇)に頼まれ、宝石窃盗グループの一斉逮捕に参加。取り逃がした犯人を、しらみ潰しに捕まえる継続捜査にも協力する。そんな中、容疑者の一人が、黒いコートを着た女(橋本マナミ)に追い掛けられ、歩道橋から転落死する事件が発生。その直後、右京と薫は、転落死した男のアパートで黒いコートの女に遭遇するが、事情を聞く前に姿を消してしまう。目撃者の証言によると、女は“ダイヤ”を探していたというが…!? 窃盗グループと何らかの接点があると見た2人は、周辺を捜査。すると、転落死した男が最近、誰かを強請ろうとしていたことが分かる。男の発信履歴から都内の輸入雑貨店を訪れると、店主は激しく動揺。その様子から、恐喝の被害者ではないかとあたりをつける。そうこうするうち、転落死した男の部屋から、6年前に起きた殺人事件の重要な証拠が発見される。 “お宝”を追う謎の美女の正体は!? 窃盗犯と過去の殺人に意外な接点が… 絡み合った思いが特命係を翻弄する!
全国の美術館で窃盗が相次ぎ、広域重要指定になっていた事件が、窃盗団を一網打尽にしたことで解決された。しかし、解決に貢献したのが“捜査権のない民間の探偵社”ということで、警察上層部は怒り心頭。お灸を据える意味で、『熟年探偵団』を名乗る三人組を、建造物侵入の容疑で逮捕する。執行猶予付判決を受けたのは、大門寺(斉木しげる)、串田(佐藤B作)、野崎(井上肇)の熟年トリオ。ただ、趣味で探偵をし、いくつかの事件を解決に導いてきたという彼らに悪びれる様子はなかった。 そんな中、元与党政調会長で、政界に多大な影響力を持つ大物衆議院議員・袴田茂昭(片岡孝太郎)の屋敷に、『邸内の金塊を盗む』という不穏な予告状が届く。袴田といえば一年前、右京(水谷豊)に殺人教唆の罪を暴かれそうになるも、当時の秘書に罪をなすりつけることで逮捕起訴を免れた、曰く付きの人物。警察に介入されたくない袴田は、後継者として修行をさせている息子・茂斗(森崎ウィン)を通じて、『熟年探偵団』に捜査を依頼する。袴田としては、家格を重んじ、茂斗の将来に並々ならぬ執着を見せる妻・虹子(いしのようこ)の手前、トラブルを大きくしたくないという裏事情があった。 いっぽう、『熟年探偵団』に興味を持った右京と薫(寺脇康文)は、探偵事務所を訪問。するとそこには、茂斗の姿が。双方をマークすることにした右京と薫は、依頼を受けて袴田家を訪れていた探偵団に乗じて、邸内に入り込む。右京と因縁のある袴田は、姿を見るなり追い払おうとするが、探偵団と同行していた寧々(茅島みずき)という若い女性の機転で同席を許される。実は彼女こそが、探偵団のブレーンで、鋭い推理力と観察眼を持つ才媛だった。行き掛かり上、特命係と寧々率いる探偵団は、金塊盗難予告の捜査で競うことになる。 予告状を送りつけてきた犯人の狙いは? 右京と美少女探偵が火花を散らす中、 事件は過去の因果と権力者の思惑をはらみ 思ってもみない方向に転がっていく!
ある日の昼下がり、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)が車で住宅街に出ていたところ、突然、小学生くらいの男の子に声を掛けられる。その子供は、父親とみられる南野(駒木根隆介)という男性と一緒で、「財布を落として帰れないので、家まで乗せてほしい」という。要望に応えて、マンションまで送るが、右京は2人の様子に違和感を覚える。同じ頃、都内のアパートで住人が刺殺される事件が発生。被害者は、半グレのメンバーで、5年前に押し込み強盗で5千万もの大金を奪った前科が。最近、主犯格の男が刑務所内で急死し、5千万もいまだ見つかっていないことから、今回の刺殺と関連があると思われた。そんな中、アパートの住民から、子連れの男が逃げるのを見たとの証言が。家まで送った親子が、何らかの事情を知っていると踏んだ右京と薫は、再びマンションを訪問。2人の様子に不審を抱き、周辺を調べ始めるが、その矢先、親子は行方をくらましてしまう。 不審な親子が凶悪な事件に関与!? 獄中死した半グレ男とも繋がりが… 絡み合った謎を特命係が解き明かす!
右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とともに“情熱の画家”牧村遼太郎の展覧会を訪問。ナイフを手にした男が、『椿二輪』という油絵を切り裂き、来場者に怪我を負わせる事件に遭遇する。『椿二輪』は、遼太郎が自身と愛人を二輪の花に例えたといわれる遺作で、完成直後に心中を企てた曰く付きの作品だった。心中相手は、大宮アカネ(花澄)という女流画家だったが、彼女だけが一命を取り留めていた。しかし、遼太郎の妻・智子(中山忍)は、自分こそが『椿二輪』のモデルだと主張。心中騒動は、アカネによる殺人だと訴えていた。確かに、心中の様相は不可解で、遼太郎が自分の胸にナイフを突き立てていたのに対し、アカネは神経毒を摂取するというチグハグなものだった。元々、遼太郎の作品に心惹かれていた右京は、真相を探るべく、捜査に乗り出す。 愛憎渦巻く心中騒動は自殺か、殺人か? 解き明かす鍵は切り裂かれた遺作に!? 二輪の椿に託した作者の痛切な思いとは
美和子(鈴木砂羽)が取材先の民家で襲われる事件が発生。さらに、現場からホームヘルパーの男性の遺体が発見される。室内を物色した形跡や手口から、窃盗犯の仕業と思われた。美和子は、その家に住む柳沼勝治(忍成修吾)という元受刑者の妻を取材しようとして事件に巻き込まれたらしい。勝治は15年前、通り魔殺人を犯し、長年服役していたが、間もなく出所となった半年前、脳梗塞で倒れ、寝たきりに。世話は、獄中結婚した聖美(陽月華)という女性が担っていた。美和子の取材テーマは、その妻の心境を掘り下げることだった。捜査に乗り出した右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、勝治と聖美の夫婦から事情を聞く。勝治は、体を動かすことも話すこともできなかったが、瞬きや端末への視線入力で意思疎通は可能だった。すると勝治は、「犯人は私も殺そうとしていた」と証言。聖美によると、勝治の出所後、悪質な嫌がらせが頻発しているという。勝治は、15年前の逮捕当時、遺族の感情を逆なでする言動を取っていたため、いまだ恨みの火が消えていないことも考えられた。 出所した元受刑者の周囲で起きた凶悪事件 獄中結婚した女性にはどんな思いが…!? 関係者たちの闇に特命係が光を当てる!
薫(寺脇康文)は、海外渡航前から顔馴染みだったゲイバーのママ・ヒロコ(深沢敦)と再会。ところが、その矢先、公園で男性の遺体を発見する。男性は鬼塚という著名なルポライターで、妻はノエル美智子(大島さと子)というペンネームで少女向け小説を手掛ける人気作家だった。鬼塚の手には、なぜか美智子のデビュー作が握られており、何らかのダイイングメッセージとも思われた。事件に興味を持った右京(水谷豊)が、美智子から事情を聞くと、鬼塚が死亡した晩、彼女も同じ公園で炊き出しのボランティアをしていたことが判明。鬼塚は、そこに集まった生活困窮者を取材中、何らかのトラブルに巻き込まれたのか? そんな中、ヒロコが聞き捨てならない情報をもたらす。困窮者を食い物にしていた半グレ集団が、鬼塚を脅していたというのだ。 有名記者の死は、事故か、殺人か…!? 遺体はなぜ妻の小説を手にしていたのか? 現代社会の深き闇に特命係が切り込む!
美和子(鈴木砂羽)が薫(寺脇康文)の態度に腹を立て、夫婦喧嘩が勃発。美和子の一方的な提案で、自然豊かな山荘に泊まり掛けで夫婦カウンセリングを受けることに。その件に興味を持った右京(水谷豊)は、「プロフィールだけ貸してほしい」と小手鞠(森口瑤子)に頼み、夫婦を装って参加する。カウンセラーは、橘志織(銀粉蝶)という女性。ただ、美和子の狙いはカウンセリングではなく、実は別の思惑があった。いっぽう、右京の興味も別にあった。志織がカウンセリングに使っている山荘は、40年前、二人組の強盗が奪った10億の財宝を隠したと噂される曰く付きの物件。さらに最近、逃げ続けていた強盗犯の一人が殺害され、その犯人が財宝を探しに山荘に姿を見せるのではないかと推理したのだ。それぞれの思惑の中、志織のカウンセリングが始まるが…!? 40年前に隠された財宝は山荘に眠っている? 鍵を握るのは右京さえ舌を巻くカウンセラー 二転三転の末、明らかになる驚愕の事実とは!?
イベント会社経営者の撲殺遺体が、死後3日たって発見された。被害者は、出資金だけ奪うあくどい商売をしていたようで、恨みによる犯行と思われた。現場を訪れた右京(水谷豊)は、一人の少年がその建物にカメラを向けていることに気付く。調べると、数年前から毎日欠かさず同じ建物の写真がSNSにアップされていた。興味を引かれた右京は、薫(寺脇康文)と撮影ポイントへ。カメラを手にした奥山幹太(寺田心)という高校生から話を聞く。幹太は何か隠している様子だが、上手くはぐらかされてしまう。その直後、今度は幹太の幼馴染みだという杏子(幸澤沙良)に話し掛けられる。彼女もまた何か知っている素振りを見せるが…!? そんな中、捜査一課が出資金の件でもめていた男を連行。犯行は否認したものの、被害者には詐欺仲間がいた可能性が浮上する。いっぽう右京と薫は、写真を通じて幹太と交流がある大塚あゆみ(大野いと)という人気カメラマンからも事情を聞く。と、右京は彼女について、あることが気になって…!? 幹太は何を撮ってしまったのか!? 人気女性カメラマンにも裏の顔が… 定点写真が事件の真実を写し出す!
裏カジノ運営疑惑のあるイベント会社社長が刺殺される事件が発生。内輪揉めか対立組織の仕業と思われたが、初動の聞き込みでは、「亡霊に呪い殺された」という不可解な証言も。“亡霊”に興味を持った右京(水谷豊)が、薫(寺脇康文)と共に動き出すと、被害者は死の直前、「呪いのビデオを見た」と言っていたことが分かる。さらに現場を調べると、小桜千明(一ノ瀬ワタル)という俳優の自主制作映画のパッケージが、不自然に床に落ちていた。その時、右京は物陰から現場を覗き見る不審な男に気付く。その男こそ小桜だった。周辺を洗うことにした右京と薫は、小桜に目を掛けている所属事務所の先輩・藤枝(山口祥行)からも話を聞くが、めぼしい情報は得られない。ただ、その後の聞き込みで、小桜が高校時代、演劇部に所属していたことが分かり、当時仲の良かった4人組の同級生が、事件に何らかのかかわりを持っている可能性が浮上する。さらに、その中の一人、松尾朋香(田中道子)という女性は、小桜から逃げるように行動しているらしく…!? 事件の背後で見え隠れする亡霊の正体は!? 関与が疑われる悪役俳優にはある隠し事が… 特命係が呪いのビデオに隠された真実を追う!
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、角田(山西惇)から頼まれ、奥多摩の山中に足を運ぶ。大きな物音がしたという通報の確認を押しつけられたのだ。ところが、山間の集落で聞き込みをしていたところ、二人は何者かの襲撃を受けて拉致されてしまう。監禁場所を抜け出すことには成功するが、襲撃犯の目的も人数も不明で、スマホなどの通信手段も奪われていた。背後から追跡者が迫る中、右京と薫は敵を惑わすため二手に別れる。しかし、そこは地図もコンパスもない山の中。二人は遭難寸前の状態で歩き回ることに。そんな中、右京は偶然見つけた山小屋で、怪しげな男と遭遇。男は1か月ほど前、白装束に身を包んだ謎の集団を目撃したというが…!?いっぽう薫は、集落に住む山部守(田中奏生)という青年が、行方不明になっているという情報を耳にする。 孤立無援の山中で追い詰められる特命係 白装束の集団と謎の爆音の関係は!? 偶然の“再会”が驚きの結末をもたらす!
“13”を名乗る犯人から、「日本を再生不能にした戦犯を処刑する」というメッセージが、全国各地の“被害者”宅に一斉に届けられる事案が発生。13が言う“戦犯”とは、いずれも故人のことで、“処刑”は遺骨を叩き潰すこと。被害者は遺骨を盗まれた遺族だった。遺骨の盗難は、去年から断続的に起こっていたが、警視庁は事件の全容が不明瞭であるという理由から隠蔽。その理由には、元官房室長・小野田公顕(岸部一徳)の遺骨が含まれていることも起因していた。一連の経緯をふまえ、右京(水谷豊)は小野田と因縁深い米沢(六角精児)に協力を要請。さらに、尊(及川光博)が突然、特命係にやってくる事態に。いっぽう、私塾「ながとろ河童塾」塾長の葛葉宰三(渡辺いっけい)は、被害者遺族の真野正義(柴崎楓雅)ら塾生たちと、ある行動を起こしていた。 犯人の目的も、正体も分からず、手掛かりがまったく掴めないまま、連鎖する新たな事件。そして、予測不能の罠…。小野田の“遺骨盗難”という前代未聞の事態の先に待ち受けていたのは、あまりにも意外過ぎる真実だった!! “13”という数字にこだわる犯人の狙いは!? 尊と米沢がそれぞれの立場から事件にかかわる中、 右京と薫が前代未聞の難ミッションに挑む!
警察庁から捜査権を与えられ、遺骨盗難事件を追っていた右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、わずかな手掛かりから犯人が学校関係者ではないかと推理。鉄道マニアの米沢(六角精児)に協力を要請し、“13”を名乗る犯人グループがたどったルートの解析に掛かる。同じ頃、尊(及川光博)と美彌子(仲間由紀恵)は、密かに初会合を設け、それぞれの思惑を交錯させていた。そんな中、遺骨が盗まれた元官房室長・小野田公顕(岸部一徳)の小野田家をはじめとする被害者宅に、二通目のメッセージが届く。そこには“身代金”に関する指示が書かれていたが、受け渡しの方法と金額は予想外のもので…!? そして、被害者13家族の中の2家族が、断固としてそれを拒否。その内の一軒、真野家を訪れた右京は、応対に出た中学生の息子・正義(柴崎楓雅)に引っ掛かるものを感じる。正義はつい先日、奈良に遺跡巡りの旅に出たというが、引率した葛葉宰三 (渡辺いっけい)という私塾の塾長も、一癖ある人物で…!? 新たに届いた“脅迫状”をきっかけに 前代未聞の遺骨盗難事件はますます昏迷… 尊、米沢、美彌子らの思惑が交錯する中、 特命係が驚くべき結末をたぐり寄せる!
婚約者の男が行方不明に 事件の背後には危険な宗教団体が!? ある夜、杉下右京(水谷豊)は小手鞠(森口瑤子)と共に、亀山薫(寺脇康文)と美和子(鈴木砂羽)のマンションを訪れる。料理教室に通い始めた美和子が、腕前を披露したいと招待したのだ。もう一人、招かれていたのは、料理教室で知り合った上原阿佐子(栗山千明)という女性。阿佐子は、その食事会のさなか、“和製ホームズ”と紹介された右京に、行方不明になっている婚約者・牧村克実(市川知宏)の捜索を頼む。 いっぽう、伊丹憲一(川原和久)たち捜査一課は、男性が自宅マンションから転落死した事件を捜査。男性は、『微笑みの楽園』という宗教団体の信奉者で、何者かに突き落とされた可能性が浮上していた。
阿佐子 (栗山千明)が捜している失踪中の婚約者は偽名を使っていて、実は鶴見征一(市川知宏)という公安部の捜査員だったことが判明する。鶴見は3年前、自ら志願して『微笑みの楽園』という宗教団体に潜入。しかし、その後、『微笑みの楽園』側に取り込まれ、懲戒免職になったという。公安部長は、保身のため、それを隠蔽していた。美彌子(仲間由紀恵)が銃撃されたのは、その一件を掘り返そうとしたためと思われた。公安と『微笑みの楽園』をめぐる一連の出来事に、ただならぬ闇があると感じた右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、カギを握る鶴見の捜索を続行。すると、潜入捜査員として様々な肩書きを使い分けていたと思われる鶴見に、驚くべき秘密があることが見えてくる。
特命係に配属された過去があり、薫(寺脇康文)とも面識がある、捜査二課の刑事・陣川 (原田龍二)が、特命係を訪ねてくる。また女性絡みの事件に巻き込まれ、右京(水谷豊)を頼ってきたのでは?と勘繰っていた矢先、風変わりな一報がもたらされる。公園の雑木林で男性の遺体が見つかったものの、周囲にスズメバチが飛び交っているため、現場検証どころか、近づくことすらできないらしい。右京と薫が様子を見に行くと、駆除業者の手配に手間取り、捜査一課が現場で立ち往生していた。そこに、交番の巡査が駆けつけてくる。犯人を名乗る人物から連絡があり、倒れている男性は「死んでいない」と告げられたという。緊急事態であることを察した右京と薫は、危険を顧みず倒れた男性に近づこうとするが…!?
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)が連れ立ってクラシックコンサートに向かっていたところ、血まみれの女性に遭遇。部屋をあらためると、ナイフが胸に突き刺さった男性の遺体が。署で事情を聞くと、女性は小さな劇団を主宰する久保崎美怜(藤井美菜)という女優で、死亡した男性は数日前、オーディションで審査員を務めていた舞台演出家だという。美怜は、男性にしつこくつきまとわれた上、突然マンションに押し掛けられ、乱暴されそうになったと証言。無我夢中で抵抗するうち、ナイフが刺さってしまったという。薫は正当防衛だと直感するが、右京は状況に違和感を覚え、彼女が“女優”であることに引っ掛かっていた。美怜の周囲を調べると、主宰する劇団は活動休止状態で、金銭的に困窮していたことが判明。それでも活動は続けていたというが、関係者からは美怜が、「才能に悩んでいた」との証言も聞かれる。さらに、彼女の過去についても、驚くべき事実が明らかになる。 刺殺事件で正当防衛は成立するのか? 真相に繋がる女優の重大な過去とは!? 右京の観察眼が驚愕の事実をたぐり寄せる!
角田(山西惇)が課長を務める薬物銃器対策課に、所轄から桐生(小林亮太)という若手刑事が異動してきた。所轄では、特殊詐欺の拠点を二度にわたって突き止めるなど、腕利きと評判で、首席監察官の大河内(神保悟志)も一目置くほどの人物。いっぽう右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とのランチの帰り、とある路地のアパートで不審な部屋を発見。もろもろの状況から、何らかの犯罪に使われている可能性が高まり、薫と共に調べ始める。その結果、犯罪グループのアジトを割り出すことに成功し、角田たちと協力して急襲を掛ける。しかし、現場に居たのは闇バイトの若者だけで、指示役の姿はなかった。摘発の情報が漏れていたのでは…!? そんな疑惑が浮上する中、大河内がなぜか、特命係に桐生の素行調査を依頼してきた。一計を案じた右京と薫は、意外な方法でアプローチを試みる。
『特命係の杉下右京(水谷豊)』を名指しで、匿名の情報提供がある。それは、「17年前に起きた当時5歳の少女の誘拐事件の犯人は殺された」という投書だった。問題の事件は、老舗デパート蔵本屋の令嬢・里紗(潤花)が睡眠薬で眠らされて連れ去られた経緯から、週刊誌が“眠り姫誘拐事件”と煽り、世間の耳目を集めた事件だった。結局、被害者の少女はすぐに救出され、犯人は投身自殺を遂げるという幕切れだったが、今回の情報提供は、その顛末に一石を投じるものだった。挑戦状とも取れる投稿を受け、捜査に乗り出した右京は、薫(寺脇康文)と共に蔵本屋の関係者のもとを訪れる。と、一族は丁度、里紗の婚約発表を大々的に行うために顔を揃えていた。しかし、会場のホテルでは、肝心の里紗が、何者かの手引きで会場を抜け出し、姿を消すという騒動が起きていた。防犯カメラの映像から、里紗の脱出を手助けしたのが、特命係と浅からぬ因縁がある私立探偵の矢木(高橋克実)だと気づいた右京と薫は、早速、彼の事務所を訪れるが…!?
再結成が決まった4人組ロックバンド『ディープクルー』のボーカル・矢崎(金子昇)が、路地裏で亡くなっているのが発見された。警察は、酔っぱらい同士のケンカによる傷害致死とみて、捜査を始める。と、矢崎の妻は元アイドルで、今も時々テレビに出ているタレントだが、別居して2年になり、離婚話が進んでいたと分かる。事件に興味を持った右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、所属事務所を訪問。バンドメンバーや事務所の社長、マネージャーたちから話を聞く。すると、全員に確かなアリバイが無い上、気になる話も聞こえてくる。矢崎は唯我独尊の人物で、22年前の解散も、今回の再結成も、一人で勝手に決めたらしい。最近も練習をめぐってメンバーと衝突。また、女性メンバーの一人は当時、矢崎と交際していたが、一方的に捨てられらしく、顔には最近できたと思われる痣が。さらに、メンバーが昔作った曲を矢崎が盗用したという話や、事務所の社長から多額の借金をしていたという噂も。すなわち、殺害の動機は、すべての関係者にあった。
角田(山西惇)が、旅行の日程をめぐって妻とぶつかり、離婚騒動にまで発展しているらしい。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は愚痴に付き合うが、当の角田は「一人旅にでも出ようか」などと言って、すっかり頑なになっていた。ところが数日後、“一人旅”に出たのは、なぜか右京だった。北に向かう高速バスに乗り込み、隣席の老婦人からそれとなく情報を引き出していく。やがて右京は、尾上絹(中尾ミエ)と名乗ったその老婦人について、犯歴の照会を角田に依頼。右京の単独捜査には、何やらのっぴきならない理由があるようだ。いっぽう、別行動の薫(寺脇康文)は、都内の工場街で不審車両を追跡していた。どうやら、犯罪者グループに拉致された女性を救出するべく、動いているようだが……!?
弓生(赤ペン瀧川)という青年実業家が、闇金トラブルでヤクザと揉め、組の№2を絞め殺す事件が発生。問題の組は、武闘派として知られる広域指定暴力団『扶桑武蔵桜』。その組長である桑田圓丈(大石吾朗)は、正義に目覚める前の内村(片桐竜次)と昵懇の仲にあり、特命係とも浅からぬ因縁を持つ人物。警察は弓生への報復を警戒し、実際、組の若い衆は暴発寸前だったが、トップである桑田はなぜか静観を決め込んでいた。そんな中、検察は弓生の正当防衛を認め、無罪放免を申し渡す。結果、弓生は警察の保護下から離れることに。それを知った内村は、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)に、弓生の身辺警護を指示。ボディーガードとして弓生に張り付くことになった右京と薫だったが、その矢先、桑田の子分から思い掛けない提案がもたらされる。
甲斐享(成宮寛貴)と笛吹悦子(真飛聖)の息子・結平(森優理斗)が、学芸会の演劇で主演を務めることになり、祖父の甲斐峯秋(石坂浩二)は早々に会場入りし、開幕を待っていた。学芸会といっても立派なホールを借り切っての催しで、峯秋は孫の晴れ舞台に、社美彌子(仲間由紀恵)とその娘・マリア(土方エミリ)も招いていた。同じ会場に、右京(水谷豊)、薫(寺脇康文)、美和子(鈴木砂羽)の姿もあった。右京は、享の逮捕後も悦子とその息子を気に掛け、交流を続けていたのだった。また、峯秋の長男で享の兄の甲斐秋徳(新納慎也)は、結平の父親代わりを務めており、この日も保護者として、悦子とともに舞台袖で結平を見守っていた。 そんな中、結平の担任・姉小路(福澤重文)が、悦子に声を掛けてくる。その言動には、単なる“担任教師”にそぐわない不穏な空気をはらんでいた。そうこうするうち幕が開くが、その最中、なぜか出演予定のない姉小路が、フラフラとステージに現れ、舞台上で卒倒する。背中には、深々と刃物が突き刺さっていた。騒然となる会場。右京と薫は、緊急事態を察し、即座に動き出す。 と、意外なほどあっさり、容疑者が浮上した。姉小路は異性にだらしなく、同僚教師だった栗原志津子(美村里江)との婚約を一方的に破棄した過去があった。そのいきさつは非道なもので、志津子が姉小路に強い恨みを持つのも無理からぬことだった。いっぽう、志津子のかたわらには、黒須(阿佐辰美)という若者がいて、彼女から何らかの指示を受けている様子が垣間見られた。この時点で、事件のあらましは判明したかに思われたが、やがて志津子が、姉小路からアプローチを受けていた悦子に対して、異常な執着を持っていることが分かってくる。
化学メーカーの研究員が、猛毒の神経ガスで殺害される事件が発生。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、下足痕の捜査に駆り出される。そのさなか、道端に人気キャラクター“ほっぺ丸”のぬいぐるみが、不自然に落ちているのを発見した2人は、事件性の有無を確認するため、持ち主を捜索することに。結果、小学生の男の子を持つ丹生初音(映美くらら)というシングルマザーに行き着くが、様子がおかしい。何者かに脅されていることを察知した右京と薫は、誘拐事件を疑い、手分けして捜査を開始。初音の勤務先である玩具メーカーを訪れた右京は、ほっぺ丸をめぐる意外な裏事情を知る。いっぽう薫は、何者かの指示を受けていると思われる初音を尾行。動向を注視するが、やがて、ほっぺ丸のぬいぐるみを使って、神経ガスがバラまかれる危険性が浮上し、体を張ってテロを阻止しようとするが…!? そのころ右京は、初音が務める玩具メーカーと深い因縁がある持永登紀子(山下容莉枝)という女性の、不穏な動きを捉えていた。
都内のうらぶれた地下道で、頭部を負傷した男性の遺体が発見された。警察は、何者かと揉み合って階段から転落したと見て捜査を始める。被害者は、フランチャイズ弁当店の店長。残されていた手帳には、本社の社員から受けていたと思われるパワハラの実態が生々しく書き記されていた。捜査一課は、その店を担当していた内田(前原滉)という本社の社員から話を聞くが、実際に指導していたのはチーフ社員だとかわされる。いっぽう、独自の捜査に乗り出した右京(水谷豊)は、被害者が磨かれたようにキレイな硬貨ばかりを所持していたことに注目し、薫(寺脇康文)と共に被害者宅を訪れる。妻や近隣住民に聞き込むと、1年前に近所でホームレス殺害事件が起こり、今も未解決であることが判明。ホームレス同士が金で揉め、周囲に小銭が散らばっていたという状況から、右京はある推論を立てる。さらに、事件を調べるうち、『ワイアット』『非凡人』『食物連鎖』といった謎の言葉が浮上し…!?
匿名で5通もの“ラブレター”を受け取った美和子(鈴木砂羽)は、色めき立って、右京(水谷豊)に差出人の割り出しを依頼する。その様子を横目で見ていた薫(寺脇康文)は、不機嫌モード。そんな中、伊丹(川原和久)と偶然、路地裏で出くわした薫は、喉を切られて死んでいる男性を発見。その手には、“亀山美和子様”と書かれた封筒が握られていた。被害者は、美和子が行きつけにしているカフェの店員で、封筒の中身は持ち去られていた。捜査に乗り出した右京は、被害者が戸倉充(モト冬樹)という画家の絵画展のチケットを所持していたことに着目。戸倉は12年前に失踪した妻の捜索を求め、地元警察署の前で座り込みを続けているいわく付きの人物だった。所轄の刑事によると、戸倉の妻は失踪直前、「男に襲われていた」との目撃証言があり、戸倉のパトロンが容疑者として浮上したものの、問題の男は暴力団同士の抗争に巻き込まれて死亡したという。いきさつを知った右京と薫は、戸倉のもとを訪れ、直接事情を訊ねるが…!?
ある休日。右京(水谷豊)は、著名な美術コレクター・道明寺(小林隆)とチェス喫茶で一局交え、その策士ぶりに舌を巻く。いっぽう、薫(寺脇康文)は美和子(鈴木砂羽)と共に、陶芸教室に参加。講師は“アート界の若きエース”と評される女性芸術家で、図らずも道明寺がかつて支援した人物だった。そんな中、道明寺のコレクションルームで男性の遺体が発見され、美術品がすべて持ち去られる事件が発生。警察は、ここ1か月で2件発生している、美術品強盗グループの仕業とみていたが、右京はこれまでの手口と違う点があることを指摘する。しかし、その後すぐ、遺体の男性が、マークしていた強盗グループの一員であることが判明。それでも独自の捜査を続行。すると、道明寺に強い恨みを持つ人物が浮上し、意外な事実が明らかになっていく。
サイバーセキュリティ対策本部の土師(松嶋亮太)が、特命係に奇妙な動画を持ち込んでくる。土師いわく、スイスの高山・マッターホルンの山中で“完全犯罪”が行われた証拠映像だという。動画には、「善ちゃん」と名乗る配信者が何者かに襲われ、テント内で息絶える姿が映し出されていた。現場がスイスでは完全に管轄外だが、興味を持った右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とともに独自の捜査を開始する。さっそく、映像から「善ちゃん」が何者かつきとめた右京は、勤め先の芸能プロを訪問。善ちゃんこと善家光明(加治将樹)は、「夢を追う若者を支える仕事に就きたい」と社長に直談判し、6年前から同社で働いていたと分かる。その事務所では現在、ジュニアアイドルグループを売り出し中で、善家はメンバーからも同僚からも慕われていたという。ただ、なぜ急に登山に熱を入れ始めたのかは判然としなかった。そんな中、善家には意外な過去があり、その過去をめぐって一人の少年と深い繋がりがあることが明らかになってくる。
右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)と連れ立って、橘亭青楽(小宮孝泰)の落語会を訪れる。青楽は、薫が特命係に配属された当初、元アイドルの妻・美奈子(大西結花)を脅迫していた男を殺害した罪で服役していた人物。出所後、落語界に戻り、世話になった右京たちを復帰公演に招いたのだった。ところが、その舞台の直前、青楽がどういうわけか姿を消し、そのまま行方不明になってしまう。そんな中、都内のバーでマスターが刺殺される事件が発生。現場には、青楽の物と思われる手ぬぐいが落ちていた。調べると、被害者は元受刑者で、刑務所で青楽から落語を教わっていたという事実が判明する。青楽が何かしらの事件に巻き込まれていると察した右京と薫は、独自の捜査を開始。青楽から特に熱心に稽古をつけてもらっていたという受刑者・根津(菅田俊)から事情を聞く。しかし、根津は何かを隠しているようで、多くを語ろうとしなかった。
五期連続で市長を務め、次期都知事の最有力候補と目される山田征志郎(升 毅)の自宅に爆弾が届けられた。差出人の欄には、右京(水谷豊)の名前と“INVISIBLE”(=透明人間)という意味ありげな英単語が。幸い市長宅で怪我人は出なかったものの爆弾によって火災が発生。警視庁はテロ事件として捜査を始める。いっぽう、自分が事件にかかわるように仕向けられていると感じた右京は、薫(寺脇康文)と共に独自の捜査を開始。征志郎から事情を聞くが、私怨で狙われる覚えはないとの証言しか得られなかった。そんな中、警備会社に勤める男性が、宅配業者に届けられた爆弾で重傷を負う、第二の事件が発生。配達人は本城(吉田日向)と名乗る若い男だったが、警察は正体さえ掴めずにいた。そうこうするうち、右京は街角で山田(中川 翼)と名乗る顔見知りの少年と遭遇。山田は、右京が「チェスのライバル」と評するIQ150の天才で、右京は再戦を楽しみにしていたが、山田は意味ありげな言葉だけを残して去っていった。
右京(水谷豊)とチェスで互角に勝負できるIQ150の天才少年・山田(中川 翼)が、連続爆破事件の犯人“INVISIBLE(=透明人間)”を名乗って所轄署に出頭してきた。抵抗する素振りを見せず、そのまま逮捕された山田だったが、右京以外とは一切話すつもりはないと主張し、取り調べ官に指名。しかし、右京の追及に対しても挑発的な態度で応じるだけで、本当の目的を明かそうとしなかった。いっぽう、薫(寺脇康文)は、第二の爆弾テロの被害者が、所轄署の元刑事だと判明したことを受け、何か隠している様子の副署長を追及するが、かわされてしまう。同じ頃、第一の爆弾テロの標的となった市長の山田征志郎(升 毅)は、一連の事態を受け、危機感を募らせていた。そんな中、山田と共謀していると思われる本城(吉田日向)が、再び不穏な動きを見せる。
「警視庁の名探偵」を名乗る右京(水谷豊)が、一連の事件の黒幕は、武智内閣官房長官(金田明夫)に違いないと断言した動画が拡散され、波紋を呼んでいた。右京自身は「身に覚えがない」と否認していたが、警視庁上層部から謹慎を言い渡されてしまう。薫(寺脇康文)は、右京の潔白を証明しようと奔走するが、状況が好転する気配すらなかった。そうこうするうち、殺害されたプロデューサーのスマホに、下川元法務大臣(黒谷友香)からの着信履歴が残っていたことが判明。警察は下川に疑惑の目を向ける。いっぽう、下川が指揮権を発動したことで梯子を外された特捜部長の尾上 (甲本雅裕)は、左遷の憂き目に遭っていた。そんな中、“謹慎中”の右京は、政治学者襲撃事件を起こして拘留中の少年にアプローチし、背後関係に迫ろうとしていた。同じ頃、薫は驚きの情報を耳にしていた。それぞれの思惑が交錯する中、一連の事件の核心に迫る“右京の動画”が再び発信される。
右京(水谷豊)が『警視庁150年史』のまとめを命じられる中、元・国家公安委員長で現在は衆議院議員を務める芦屋(並樹史朗)が殺害される事件が発生。さっそく臨場した右京と薫(寺脇康文)は、一課の捜査を横目に動き出す。 いっぽう、事件を受けて、政治の中枢にも衝撃が走っていた。「キングメーカー」の異名を持つ与党幹事長の利根川(でんでん)にとっては、支持率が低迷する総理大臣の藤原(柴俊夫)に見切りをつけようとしていた矢先の青天の霹靂。また、内調のトップである社美彌子(仲間由紀恵)から一報を受けた藤原も、解散総選挙という窮余の策を封じられ、ショックを隠せないでいた。 現場に残された手掛かりを追っていた右京と薫は、思わぬ人物と遭遇する。それは、かつて右京が事件を通じて知り合い、新たな人生への一歩を手助けした高田創(加藤清史郎)という青年だった。現在、警察官として地域課に勤務する高田は、付近で不審な人物を見掛け、追い掛けていたという。高田の情報から新たな手掛かりを得た右京と薫は、手分けして事件を追うことに。今回の捜査に前のめりの高田は、同じ交番勤務の先輩・仁科(内野謙太)との関係も良好で、すっかり警察官の顔になっていた。しかし、その後、事件は異様な展開を見せ始める。今から約150年前、警察黎明期に起きた、時の内務卿・大久保利通暗殺など、当時の緊急事態をなぞるかのような重大な事件が次々に起きて…!?
総理大臣の藤原 (柴俊夫)が、遠隔操作の爆弾で襲撃されるという不測の事態が発生。議員殺害事件から続くこの状況は、1900年代初頭、当時内務卿だった大久保利通と、時の総理大臣・伊藤博文が相次いで暗殺された歴史的大事件に通じるものがあったが、警察は犯人の狙いすら掴めずにいた。いっぽう、臨場した右京(水谷豊)は、現場の痕跡から、テロ実行に闇バイトが使われていた可能性に気づく。その推理は的中し、手掛かりをたどっていくと、一連の事件にある人物が深くかかわっていることが判明。警察はその線で捜査を進めるが、右京は一人、違和感を覚えていた。 そんな中、高田(加藤清史郎)が勤務する交番を訪れた右京と薫(寺脇康文)は、高田から「議員殺害事件の現場に同行してほしい」と頼まれる。右京の捜査手法を肌で学びたいのだという。改めて現場検証を行う一行。すると、残されていた血痕から、思いも寄らない事実が浮上。ところがその直後、手分けして捜査にあたっていた薫と高田が絶体絶命の窮地に。さらに、政界を裏で操る利根川 (でんでん)の周囲でも不穏な動きがあり…。
右京(水谷豊)は、携帯の電波さえ届かない、山奥のペンションにいた。宿泊客は、小説家の岸(ふせえり)とお付きの編集者など、右京を含めて7人ほど。思い思いに過ごしている様子を見る限り、いずれもくせ者揃いのようだ。いっぽう、オーナーの樫村(福士誠治)は、黙々と仕事をこなす誠実な人物の様子。ただ、その表情にはどこか陰があって…。同じ頃、温泉宿で休暇を満喫中の薫(寺脇康文)は、美和子(鈴木砂羽)に促され、気になる映像を目にしていた。たまたま撮られたと思われるその映像には、ビルから転落する男と共に、右京らしき人物の姿が映っていた。翌朝、残りの休日を返上して出勤した薫は、自分の留守中、右京が違法薬物の摘発を手伝っていたと聞く。その捜査過程で浮上した怪しい人物の自宅を訪れると、男はすでに不審死を遂げていたという。そんな中、右京が滞在中のペンションでは、不穏な出来事が次々に起きて…!?
廃墟ビルで二人の遺体が発見された。一人はビルの管理を委託されている高齢男性。死因は心不全と思われた。もう一人は、複数の前科がある加納(山口馬木也)という中年男性で、死因は絞殺。警察は仲間割れか口封じの線で捜査を始める。ただ、現場の状況が奇妙で、加納の背中や周囲の床には、なぜか発光するキノコが生えていた。その光景に興味津々の右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とともに動き始めるが、問題のキノコはネットにも図鑑にも載っていない珍しいものだった。2人は手掛かりを求め、キノコ研究の第一人者や環境保護専門の科学者を訪ね歩くことに。話を聞くと、そのキノコは莫大な利益を生む可能性を秘めた、世界が注目する幻の品種であることが分かる。さらに捜査を進めると、加納が環境保護団体を立ち上げていたことが判明。電話番の相場(中尾暢樹)が言うには、加納にはオモテとウラの顔があったらしく…!?
右京(水谷豊)が休暇で訪れていた山間のホテルで、客室スタッフが刺殺される事件が発生。遺体の手にはなぜか、東南アジアにしか生息していない珍しい蝶が握られていた。そんな中、宿泊客が“人魂”を見たという噂を耳にした右京は、興味津々で調査を開始。聞けば、このホテルは心霊スポットとして知られていて、わざわざ幽霊目当てで訪れる物好きもいるという。捜査に合流した薫(寺脇康文)は、館内で問題の蝶をスケッチしている少女と出会い、一緒に蝶を探すことに。しかし、療養中だという少女が体調を崩してしまい母親が保護。その場に父親も現れるが、夫婦は別居中らしく、関係はギクシャクしていた。さらに、殺害現場は父親がチェックアウトしたばかりの部屋だと判明。いっぽう、支配人の織田(遠山俊也)は、捜査に協力的なものの、最近悩んでいる様子だったという証言があり…!? 捜査のかたわら人魂探しに没頭する右京 殺人と幽霊騒動に意外な繋がりが…!? 連鎖する奇妙な事件に特命係が挑む!
特命係と親交の深いゲイバーのママ・ヒロコ(深沢敦)が、殺人事件の現場付近で目撃され、そのまま姿を消した。殺害されたのは、NPOを利用したマネーロンダリング疑惑が掛かったコンサル会社の社長・幸田。ヒロコが携わっているボランティア食堂を隠れ蓑に、脱税や援助の着服をしていたことが発覚。ヒロコが抗議に向かったというが、そのまま行方不明になっているらしい。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、ヒロコのボランティア仲間である泉川(西銘駿)らと協力して捜索を開始する。いっぽう、捜査一課は司法書士の矢野(柾木玲弥)から事情を聞いていた。矢野は、幸田に脱税方法を入れ知恵していた疑いがあり、最後に連絡を取っていたのも矢野だった。そんな中、幸田が10年前、いまだ解決されていない強盗事件にかかわっていた可能性が浮上してくる。 忽然と姿を消したヒロコを追う右京と薫 時効直前の強盗事件と奇妙な符合が…!? 理不尽な現代社会に特命係が光を当てる!
八王子の公園で刺殺遺体が発見された。被害者は、29年前に元交際相手を殺害した容疑で指名手配され、逃走を続けていた押見という男であることが判明。事件は時効を迎えていたが、捜査一課は29年前の事件の関係者が絡んでいるとみて捜査を始める。そんな中、右京(水谷豊)の携帯に、元捜査一課の三浦(大谷亮介)から連絡が。そして、薫(寺脇康文)との再会も束の間、思わぬ依頼が持ち掛けられる。三浦は、29年前の事件で遺族の対応を担当したといい、被害者の婚約者だった恒川(神尾佑)という男性が、自ら押見を見つけ出し、29年越しの犯行に及んだのではないかと心を痛めているのだった。三浦の切実な心情を汲み、動き始めた右京と薫は、手掛かりを求めて恒川が務めるスーパーで聞き込みを。すると、先日、店に押見が現れ、パートの女性ともめていたことが分かる。右京と薫は、直接その女性から事情を聞くが、どうやら彼女自身もワケありの様子で…!?
視覚障害のある女性・藍里(森マリア)の伴走者を務めていた薫(寺脇康文)が、ランニング中に刺された。薫に恨みを持つ者の犯行と思われたが、手掛かりは皆無。そこに、藍里と同じ生花店で働く、野瀬(レイニ)という男性が駆けつけてくる。野瀬は、藍里の伴走者を務めることが多いらしく、単なる同僚以上に親しげな様子。捜査に乗り出した右京(水谷豊)は、藍里が視覚を失った経緯を知る。2年前、藍里は偶然、強盗殺人の現場に居合わせ、犯人と揉み合いになった弾みで階段から転落。失明してしまったという。事件は未解決で、右京は薫が刺された今回の一件との繋がりを疑っていた。藍里が手術を受け、近日中に視力を取り戻す可能性が高いことも、その推理に信憑性を持たせていた。さらに捜査を進めると、2年前の強盗殺人が、区役所の巨額横領事件と絡んでいることが分かる。 視覚障害の女性が“目撃”した犯人の正体は? 2年前の未解決事件には驚くべき闇が… 右京の推理が隠された真相に光を当てる!
大晦日。市民合唱団に入団した美和子(鈴木砂羽)と小手鞠(森口瑤子)は、年末コンサートを前に練習の真っ最中。その頃、右京(水谷豊)は、陣川(原田龍二)の付き添いでデパートの宝石店にいた。相変わらず恋多き陣川は、出産を控えた“運命の相手”にプロポーズするため、指輪を購入したいらしい。いっぽう、薫(寺脇康文)、伊丹(川原和久)、益子(田中隆三)の3人は、警察学校時代の同期・澤田菜穂(櫻井淳子)の自宅を訪れ、夫の正志(藤本隆宏)を紹介されていた。同じ頃、芹沢(山中崇史)と麗音(篠原ゆき子)は、角田(山西惇)の応援で、喫茶店に潜入中。容疑の掛かった反社会的組織の関係者を待ち伏せているようだ。 そんな中、右京は4歳の女の子とはぐれた母親と出会い、陣川と迷子捜しを手伝うことに。いっぽう、テレビ局では、人気ニュースキャスターの桧山(髙嶋政伸)が、付人の武部(高橋光臣)や局のお偉方に取り巻かれ、年末特番の準備を進めていた。ところが、ジョーカーを名乗る人物から、桧山に『娘は預かった』という脅迫状が届き、状況が一変。右京が捜す女の子こそ、桧山の娘だった。犯人からの要求は、『予定通り生放送を行え』というもので、意図は不明。 その頃、美彌子(仲間由紀恵)と峯秋(石坂浩二)は、与党の大物議員・伊地知(石丸謙二郎)の忘年会に招かれていた。伊地知は最近、ジョーカーを名乗る反社会的組織の関連団体が、自身の反対派に暴力をふるう事件が相次いでいることに頭を悩ませているらしい。いっぽう右京は、誘拐事件の目的が、番組内でジョーカーを批判した桧山を狙ったものではないかと考え、角田たちが確保したジョーカー関係者の男と接触。男は誘拐への関与こそ否定したものの、「テレビ局に仲間がいる」と証言して…!?
捜査一課の奥にある資料室にいた杉下右京(水谷豊)。一課に戻ってきた伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)は、そうとは知らずに右京にまつわる“あるウワサ”について話し始める。それは以前「特命係」にいた亀山薫(寺脇康文)、そして右京とは浅からぬ因縁があった警察庁長官官房室長・小野田公顕(岸部一徳)に関するものだった。部屋の奥から会話を聞いた右京は、そのあまりに衝撃的な内容に…!?
小出茉梨(森口瑤子)が営む「特命係」行きつけの小料理屋「こてまり」に、初めて組織犯罪対策第五課長・角田六郎(山西惇)がやってくる。まもなく店に来るという冠城亘(反町隆史)を驚かそうと思いつく角田だったが、実は亘はすでに店の奥にいて…。さらに、そこに思いがけず右京が現れ…?
警視庁捜査一課刑事・伊丹憲一(川原和久)と出雲麗音(篠原ゆき子)は、殺人事件の被疑者を取り調べていた。完全黙秘を続ける男に対し、伊丹は「郷里のおふくろさんが泣いているぞ」と泣き落としにかかる。麗音はそんな古い取り調べは今の時代にそぐわないと反発するが、伊丹は「これぞ取り調べの伝統的手法、いわば“トラディショナル・セオリー”だ」と持論を展開して激怒、麗音を取調室から追い出してしまう。伊丹はその後もトラディショナル・セオリーとやらをふりかざしまくり、長年コンビを組んできた芹沢慶二(山中崇史)も、あきれた顔を浮かべる。2人から事情を聞いた特命係の杉下右京(水谷豊)、冠城亘(反町隆史)は、伊丹の“応援”と称して取調室へ…。特命係、そして伊丹は完全黙秘を貫いていた被疑者を“落とす”ことができるのか!?密室の攻防戦が今、はじまる!
【sideA】/暴力団を破門になった元構成員・松野(渡洋史)の遺体が見つかった。死因は合成麻薬の急性中毒だったが、遺体には無数の打撲痕が残されており、何者かに襲われたようだった。たまたま現場を訪れた特命係の杉下右京(水谷豊)は、遺留品のレシートに着目。被害者が事件当夜、何者かと中華料理店で食事をしていた事実をつかむ。まもなく、食事の相手は平井久美(ひさよし/福崎那由他)という若い男と判明。平井は、松野とは先輩後輩のような間柄だったと話し、事件の関与を否定。さらに、松野が生前、“高木宇宙(そら/石川雷蔵)”という名の半グレ男に殺されるかもしれないと話していたと打ち明ける。右京は平井とともに高木を追うが、意外な場面で亀山薫(寺脇康文)と鉢合わせすることとなり…!?
【sideB】/非番の日、妻・美和子(鈴木砂羽)のショッピングにつきあっていた特命係・亀山薫(寺脇康文)は、コンテナ型のトランクルームをバールで無理やりこじあけようとしている若い男・高木宇宙(そら/石川雷蔵)に遭遇する。追跡して事情を聴いたところ、高木は自分は泥棒などではない、先輩から預かった荷物を取り出そうとしていただけだと主張。トランクルームの鍵を盗まれてしまったため、やむなく鍵を壊そうとしたのだが、結局、扉を開けることはできず、荷物の中身もわからないと話す。高木は、鍵を盗んだと思われる男“平井久美(ひさよし/福崎那由他)”を捜してほしいと薫に依頼。なりゆきから、薫は高木とともに平井を捜索することになるが、そんな薫の前に杉下右京(水谷豊)が姿を現して…!?