典型的な“負け組”の若者・若月翔太郎(笹翼)は、人生の一発逆転を狙って動画配信者として活動を始めるも、登録者が伸びず失意の日々を送っていた。そんな翔太郎がいつものように無意味な配信を終了すると、どこからか声が聞こえ、目の前に“王子”と名乗る謎の男(TAKA)が現れる。
王子(TAKA)との奇妙な共同生活がスタートし、翔太郎(笹翼)はモーニングを王子の指示で作るという動画企画を準備する。そこへ男性客が来店し、年下の彼の結婚話を聞く中で翔太郎は自分に負い目を感じてしまう。そんな中、「王子を迎えにまいりました」と執事を名乗る男(唐橋充)が現れる。
執事・権藤(唐橋充)の登場で配信が盛り上がる中、翔太郎(笹翼)は国王の命により王子(TAKA)を連れ戻そうとする執事に協力し、二人で王子を国に帰す作戦を立てることに。それでも翔太郎の元を離れようとしない王子は、二人に胸の内を明かす。それを聞いた翔太郎は、王子に対して気持ちを爆発させる。
執事・権藤(唐橋充)の公認を得て改めて生活を始めた翔太郎(笹翼)と王子(TAKA)。翔太郎にとって「王子がいる」という非日常が日常へと変わっていくが、翔太郎は自分にはないものを全て持っている王子に対して劣等感を抱いていた。王子はそんな翔太郎にある勝負を持ちかける。
ある日、翔太郎(笹翼)の妹が店を訪れ、「母親が翔太郎のことを心配している」と告げて帰っていく。そんな翔太郎の目に入ったのは開けられずにいた母からの手紙。翔太郎は王子(TAKA)の提案でその手紙の開封動画を撮影することに。手紙を見た翔太郎は幼い頃の家族との思い出を思い出す。
突然、翔太郎(笹翼)と王子(TAKA)の前に王子の婚約者を名乗る謎の王女が現れる。どうしても王子を国へ戻して結婚式を挙げたい彼女は翔太郎、王子、執事・権藤(唐橋充)の前で駄々をこねる。そんな彼女を諭す自分の言葉が自身へ投げかける言葉のように聞こえた翔太郎は、3人が去った店内で物思いにふける。
祖父や王子(TAKA)に刺激を受け、カフェの営業に力を入れ始めた翔太郎(笹翼)は、ある日母親からの荷物を受け取る。開封を後回しにしていた翔太郎がその荷物を開けると、子供の手で王子が描かれた一冊の絵本が入っていた。そしてその絵本を見た翔太郎の脳裏にさまざまな思い出がフラッシュバックする。
現実と向き合った翔太郎(笹翼)は、母からの手紙を読んだことを王子(TAKA)に報告。そんな中、翔太郎はカフェにやって来た2人連れの中年女性が自分の母親と同じ病気“若年生アルツハイマー”について話しているのを聞く。そして彼女たちに心を動かされた翔太郎は、少し吹っ切れた様子で配信を始める。
王子(TAKA)の正体に気付いた翔太郎(笹翼)は、改めて王子と撮影したはずの動画を確認し始める。やはりそこに王子はおらず、王子が存在していない事実にショックを受けた翔太郎は、ふらふらと町をさまよい歩く。そんな中、一人のストリートミュージシャンの歌に心を打たれた翔太郎は、王子との生活を思い出す。
半年前、友人にゆうきを紹介され、舞い上がった翔太郎(笹翼)は酔いつぶれて寝てしまう。そんな翔太郎をゆうきは優しく介抱しながら眠りにつく。そして半年がたち、王子(TAKA)との生活が終わった翔太郎の元に親とけんかをしたゆうきが現れる。ゆうきとの会話や妹からの連絡で、翔太郎は「今、向き合うべき存在」に気付き始める。
翔太郎(笹翼)はゆうきに向かって親と仲直りを促すが、その言葉の半分以上は自分自身に向けられたものだった。翌日、雑談生配信を行った翔太郎は、視聴者に今の気持ちを吐露する。配信を終えると、ゆうきからデートの誘いが届く。デートの最後にバーに行った翔太郎は、親と仲直りをしたゆうきからやさしい言葉で背中を押される。
翔太郎(笹翼)は心機一転、店の大掃除を始める。その大掃除が終わったころに祖父がやって来て、母親の病気について話すうちに、翔太郎は実家に帰る決意をする。祖父が帰った後、懐かしい声に振り向くと兄・悠太郎が席に座っており、翔太郎は悠太郎に思いの丈をぶつける。