時は戦国、桶狭間での大勝利に沸く小田家の武将たちを「浮かれるな」と一喝する当主・小田信夫。重臣の柴田勝夫や明智充が、自分たちは有名な織田信長の大勝利を遠くから見学してはしゃいでいただけだと反論する。正室のお毛は似た名の信長との共通点を信夫に聞くが、「本物」が第六天魔王と恐れられているのをまねて「一個多い」第七天魔王を名乗ると言い出し、皆、あきれ果てる。
信夫は打ち取った首を前に高笑いするが、夜になっても寝室に置きっぱなしで段々怖くなってくる。柴田に持って行くように頼むが断られる。明智には侍女から苦情が出ていると普段の行状をたしなめられ、更に言った、言わないで柴田と大喧嘩になる。翌日、前言を翻さない柴田は切腹の命を受け、明智がとりなそうとするが信夫と柴田は武士の威信をかけて互いに後に引こうとしない。
柴田は黒田城攻めを前に、敵に「鼻薬を効かせた」内通者がいると自信満々。信夫は「鼻薬」とは何かが気になる。さらに、満たされない自らの人生に思いが至り、城なんか攻めてどうするのかと内省する。目指すは「天下布武」と励ます明智だが、「布武」の意味を聞かれ答えられない。出陣の日、信夫は「人間五十年」を踊ろうとするが誰も見に来ないので明智に怒りをぶつけ、逆に怒鳴りつけられる。
明智が謀反を起こしたとのしらせを受け、寺から逃げるよう諭す柴田やお毛に対し、逃げて間に合わなかったら恥ずかしいと逃げるそぶりもなく「人間五十年」を舞う信夫。寺に火がかけられ、進退窮まった所に謀反人・明智が現れ、なぜ逃げないのかと怒り出す。何もかもどうでもよくなった信夫は、寺が炎上するさまを美しいと眺め、主従は燃え盛る本能寺あたりの寺でいつまでも舞い続ける