すっかり御子神さんに夢中になってしまった間瀬垣(カンニング竹山)。出番の日は必ず御子神さんがいる土管公園に立ち寄るようになっていた。今日も公園に立ち寄るが、御子神さんの姿は無い。仕方なくタクシーの中で仮眠をとっていた間瀬垣が何やら重苦しさに目を覚ますと、その腹の上には御子神さんがボテっと寝ていた。びっくりして起きる間瀬垣に、追い討ちをかけるように女性客が乗り込んできた。あわてて御子神さんを助手席に隠し、仕方なく猫連れで発車した。女性は自分の子供と待ち合わせているようだ。その声のトーンにただならぬ空気を感じた間瀬垣はいつものように「無視」することにした。人とコミュニケーションするのは苦手だった。そんな時、御子神さんが後部座席に移動していってしまう…
猫を乗せた営業が、たまたまうまく行った間瀬垣(カンニング竹山)。御子神さんへの依存度は増すばかりだった。御子神さんとの土管公園での「逢瀬」も回を重ね、不思議とタクシー営業にも妙な自信が生まれ始めていた。だが、ひとつ大きな悩みを抱えていた。猫のエサが意外に高いのだ。毎月僅かな稼ぎしかない間瀬垣には、妻の真亜子(鶴田真由)に小遣いUPを切り出す勇気がなかった。娘の瑠璃(山下リオ)からの信頼を勝ち取る為にも、ここは仕事の鬼になろうと決める間瀬垣。同僚の沼尻(甲本雅裕)は、所内ダントツの稼ぎ頭。間瀬垣との売上差は天地程もあった。間瀬垣は営業テクニックを沼尻から学ぼうと、思い切って頼み込むのだが…
家族からの信頼を勝ち取る為に、御子神さんを腹いっぱい食べさせる為に、間瀬垣(カンニング竹山)は嫌味な後輩の沼尻(甲本雅裕)の車の助手席に乗っていた。 稼ぎ頭の沼尻の営業テクを学ぶ為だ。沼尻の運転は異常に荒いがムダが無く、完全にドライビングマシーンと化していた。 タクシープールに停車し、沼尻が車を離れた時、他社のタクシードライバーから声をかけられる間瀬垣。その男曰く「沼尻はどこかのヤバイ組織に追われている、だからあんなに稼ぐ必要があるんだ」と聞かされる。途端に恐れおののく間瀬垣は、その後沼尻とどう接していいか分からなくなる。そんな時、上客の予約が入り急行する沼尻。乗ってきたのはかつて間瀬垣が教員時代に一度だけ見た事がある、百足市の教育長とその愛人だった…
ねこタクシーの予約を不用意に受けてしまった間瀬垣(カンニング竹山)は、御子神さんの身柄を確保しなくてはならなくなり、仕方なく家に連れてきた。真亜子(鶴田真由)と瑠璃(山下リオ)が、どういう反応をするかと思うと胸が張り裂けそうになっていた。 何とか人目に触れないようにとコソコソしていたら、トイレから出てきた瑠璃と鉢合わせ。びっくりする瑠璃だったが、すぐに御子神さんの虜となり、自分の部屋で匿ってあげると申し出てきた。おもわぬ協力者に戸惑いながらも喜ぶ間瀬垣。 なんとかその晩を凌ぎ、翌日2人が出払った後、御子神さんを風呂に入れ身だしなみを整えた。御子神さんのふてぶてしくも愛らしい姿に、このままずっと一緒にいられたらという妄想にかられる間瀬垣。そんな事ありえないと頭で打ち消し、御子神さんを連れて出勤するのだが…
御子神さんを家族にする。そう決めた間瀬垣(カンニング竹山)は、真亜子(鶴田真由)に直談判しようとしていた。御子神さんを一目見た真亜子は絶句。環境を理由に大反対する。しかし瑠璃の加勢も得て、なんとか条件付きで飼うことになった。真亜子の渋々さに複雑な気持ちになる間瀬垣だったが、御子神さんと暮らせる喜びの方が強かった。とりあえず近所のホームセンターに走り、様々な猫グッズを購入してくる間瀬垣。リビングの一角に「御子神スペース」ができあがった。御子神さんとの新生活のスタート。その一つの関門を突破した間瀬垣は、次なるチャレンジ、「ねこタクシー」の本格スタートを試みるのだが…
御子神さんと一緒に住んでから家族に会話が増えた。 あれほどカヤの外だった間瀬垣(カンニング竹山)も不思議と居心地の良い空間になっていた。反対していた真亜子(鶴田真由)も、次第に御子神さんに馴染んできたようだ。 「ねこタクシー」の方はかなり順調で、お得意様がどんどん増えていた。 間瀬垣のコミュニケーション能力も御子神さんのおかけでグングン成長しており、お客と普通に話せるというごく自然な事が、やっとこなせるようになっていた。 そんな折、前々から頭痛の種だった、娘・瑠璃(山下リオ)の家庭訪問の日がやってくる。
恐いくらい順調な毎日。家庭も仕事も。この振り子の振り戻しはいつくるのか。素直に幸せを噛み締められない間瀬垣(カンニング竹山)は、嬉しい反面、いつもビグビクしていた。 最近は忙しくなって、なかなか土管公園に立ち寄れなくなっていた。今日もコンビニに立ち寄ってさっさと食事を済まそうと思っていた。 と、そこに大きな楽器ケースを抱えた少年が一人。じっと間瀬垣を見ていたかと思うと、駆け寄ってタクシーに乗せてくれと言う。ところがコントラバスの楽器ケースがあまりに大きくてタクシーの中に入らない。困り果てた少年は泣き出してしまう。 何とかしてあげたいと思った間瀬垣は、思い切った行動に出る。
間瀬垣(カンニング竹山)の始めた「ねこタクシー」には四人のお得意様がついていた。いつも不機嫌そうな顔だが根は優しいおじさん、藤堂(山田明郷)。かつては猫アレルギーだったがこのタクシーですっかりよくなった広告代理店の麻美(味里)。ホステスのリンリン(澁谷晶己)。そして謎のサラリーマン、二宮(日野陽仁)。 出番の日には必ずと言っていいほど予約の電話をかけてくるこの四人は、全員が大の御子神さんファンだった。 それぞれがそれぞれに心の傷や悩みを抱え、僅かな時間だが御子神さんと触れ合って、癒しを求める。 間瀬垣は、今初めてタクシードライバーになってよかったと思い始めていた…
家族揃って御子神さんグッズの買い物に出る。こんな普通の事がまったくなかった間瀬垣家にとって、今日は特別な日だった。真亜子(鶴田真由)もおめかしをし、瑠璃(山下リオ)のテンションは上がり、間瀬垣(カンニング竹山)は家長としてリーダーシップとらねばと妙なプレッシャーを感じていた。 そんな朝、事件が起こる。 ポストに入っていたマンション内のチラシ。管理室から、このマンションでペットを飼っている人がいる、即刻「善処」せよという通告だった。ペット不可のマンションで御子神さんを飼っている後ろめたさをずっと感じていた真亜子の気持ちが爆発する。 盛り上がっていた気持ちに水を差され、なんとかペットショップまでやって来たが、真亜子は不機嫌なまま。間瀬垣はどうにかせねばと思うのだが…
御子神さんを知っていた老婆と出逢い、御子神さんに飼い主がいた事を知った間瀬垣家の3人。愕然としながらも、御子神さんを飼い主に返すのが正しいという結論に達する。御子神さんと出会った土管公園の周辺を捜索するが、手がかりはまったく得られない。 途方に暮れていた時、お巡りさんが通りかかる。御子神さんを見たことがあるというお巡りさんは、一緒探しましょうと申し出てくれた。 間瀬垣(カンニング竹山)も真亜子(鶴田真由)も瑠璃(山下リオ)も、御子神さんと別れたくないという気持ちを引き摺ったまま、だんだん近付いてくる本当の飼い主の消息にドキドキしていた…
御子神さんとのコラボレーションで見事な営業成績を上げた間瀬垣(カンニング竹山)は、所内から一目置かれる存在になっていた。かつて間瀬垣をぞんざいに扱っていた人はもう存在せず、真泉所長(高橋長英)からの信頼も絶大だった。 すべては御子神さんのおかげだ。 間瀬垣は常に御子神さんに感謝した。 家でも仕事場でもやっと自分の居場所ができた。 そんな折、大事件が起こる。会社の配車コールに「ねこの乗ってるタクシー」のオーダーが入り始めたのだ。 会社に内緒で御子神さんを乗せていた間瀬垣に、最大のピンチが訪れた…