降りしきる雨、走ってくる男性。その姿は必死に誰かを探しているようで…。地面に倒れて動かないウエディングドレス姿の女性。その血まみれの手には結婚指輪が――。交際1年の恋人で、交番勤務の警察官・朝田虎松(田中圭)にプロポーズされた週刊誌のエース記者・闇原こころ(高畑充希)は、あふれ出さんばかりの幸せをかみしめていた。こころの相棒カメラマン・加賀美圭介(町田啓太)や、虎松の先輩警察官・世々塚幸雄(小手伸也)ら春陽町の人々も自分のことのように大喜び! 祝福モード全開で盛り上がっていた。結婚式や新居について相談する2人だが、「結婚式は夜がいい」「日当たり良好な家はちょっと…」というこころと、「虫が出るのなんて無理」という虎松の意見がかみ合わず、なかなか話が進まない。しかも、虎松が「実は吸血鬼」というこころ決死の告白を冗談だと思っていることも発覚。虎松に軽く笑い飛ばされ、こころは絶望してしまう。
“血を抜かれた殺人事件”の5番目の犠牲者は、なんと「わっしょいクリーニング」の店主・五十嵐まつり(ファーストサマーウイカ)だった――。 悲嘆にくれる春陽町の面々。当初、犯人だと疑われていた息子の大五郎(曽田陵介)は葬儀場で、南十字初(新納慎也)ら警察関係者に詰め寄る。「お前らのせいで…母ちゃんを返せよ!」。 一方、まつりの死が発覚する直前、20年前に殺人事件を起こし、自殺したはずの父親・一条彪牙(井浦新)の姿を目撃した朝田虎松(田中圭)は、恐怖に怯え始める。あれは現実なのか、はたまた自分が見た幻影なのか。もし父親が生きていたのだとすれば、何の目的でいま現れたのか…自分を殺しに来た?それともこころを…?これまでの事件も全て彼の犯行なのか?真相を確かめるため、世々塚幸雄(小手伸也)と共に一条を探し始める虎松だが、「もしアイツに会ったら俺、何するかわからないです」と震えが止まらなくなる。
「そうだよ、俺が全員殺した―」 ついに正体を現した殺人鬼。7人もの犠牲者を出した“血を抜かれた連続殺人事件“の犯人はなんと、加賀美圭介(町田啓太)だった――。 突如豹変し、冷たい瞳で自らに襲い掛かる親友の姿に、闇原こころ(高畑充希)は思わず問いかける。「ねぇ私、何か悪いことした…?」―しかし加賀美は淡々と告げる。「吸血鬼なら殺さないといけないよね、だって人間にとって害だから」 信じがたい真実に愕然とするこころを、追い詰めてゆく加賀美。駆け付けた夫・朝田虎松(田中圭)の制止を薙ぎ倒し、ついにアイスピックを振りかざした手にしたその瞬間…なぜか突然、加賀美は血を吐き、倒れてしまう。 時を同じくして、闇原家ではこころの母・闇原伊織(麻生久美子)が何者かに襲われ昏倒。闇原海造(吉田鋼太郎)が必死で捕まえた犯人は、なんと今福梅(木野花)。 まさかの人物に慟哭する海造に梅は無表情で告白する―。 「…私が全部、やりました」 なにが本当で、なにが嘘なのかー。 血を吐いたまま緊急搬送された加賀美の目は覚めず、警察で取り調べを受ける梅の証言にもどこか一貫性がない。 未だ隠された“秘密”を解き明かそうと、こころと虎松は加賀美の自宅を訪れ、手がかりを探すことに。そこに、未解決事件捜査班の刑事かつ虎松の元嫁でもある暁凛(MEGUMI)が現れて…!? そんな中、街には新たな吸血鬼のイラストと日付が記された殺害予告が――。 そして、こころに1本の電話がかかってくる。 「……今から、殺しに行っていい?」 物語はついに完結―。 愛しているからこそ、人は間違った道を選ぶことがある。 “血を抜かれた連続殺人事件”に張り巡らされた伏線。 なぜ殺したのか? 明かされる衝撃の真相と、秘められた悲しき過去とは…? 人を愛するとは、“unknown”を受け入れること―? この世界に存在する≪すべて≫を、我々はまだ知らない。 これは「愛」の物語。 果たして、こころと虎松の運命は――?