名門「永禄大学医学部」を卒業した斉藤英二郎(妻夫木聡)は、永大病院で研修医生活をスタートさせた。英二郎の最初の研修先は第1外科で、指導医は敏腕といわれる白鳥貴久(三浦友和)。英二郎は、5浪してやっと永大に入った出久根邦弥(加藤浩次)や開業医の息子・宗形正臣(松尾政寿)と共に研修に励むことに。しかし、研修医の実態は“雑用係”だ。1日の平均労働時間16時間、月給3万8千円!ほかの病院で当直のアルバイトをして生活費を稼がなくてはならない。英二郎が選んだアルバイト先は、服部脩(緒形拳)が院長をつとめる誠同病院。交通事故の急患を受け入れるその手術室はまさに戦場だった。そこで、先輩医の牛田克雄(杉本哲太)と赤城カオリ(鈴木京香)の仕事ぶりに衝撃を受ける。
永禄大学付属病院の第1外科で研修医をしている英二郎(妻夫木聡)は、指導医の白鳥(三浦友和)から昏睡状態の老人・金子(三川雄三)の受け持ちを命じられる。金子は第1外科の権威・春日部教授(伊東四朗)がオペした大事な患者。英二郎にとっては初めての受け持ち患者で、不安でいっぱいになる。しかし、誠同病院の院長・服部(緒形拳)に言われた「二度と患者から逃げるな」という言葉を思い出し、医者としての決意を新たにする。意欲満々で金子の治療に取り組む英二郎だが、白鳥からは金子に延命治療をする必要はないと言われてしまう。ある日、金子の容態が急変した。英二郎は必死に措置をとるが、その思いも虚しく白鳥は金子の娘・明子(泉ピン子)に延命処置の中止を宣告する。それ以降、明子は見舞いに来なくなってしまう。
英二郎(妻夫木聡)の次の研修先は、第2内科(通称・循環器内科)だ。研修医仲間の出久根(加藤浩次)と共にさまざまな検査を見学するが、その途中で心臓外科の緊急オペが必要な事態に遭遇する。英二郎と出久根は、手術依頼のために心臓外科の医局に出向くが…。受け持ち患者となった宮村和男(ガッツ石松)は、不安定狭心症で今すぐにでも手術が必要な状況だ。そこで英二郎は、心臓外科とのカンファレンスで早急に手術を行うよう要求するが、手術の日程は心臓外科が決定するという。医局制度に疑問を持つがどうする事もできない英二郎は、初めて患者にウソをつく。
英二郎(妻夫木聡)は、難易度の高い手術が必要な受け持ち患者・宮村(ガッツ石松)を助けたい一心で、カオリ(鈴木京香)から紹介された心臓外科手術のプロ・北三郎(原田芳雄)と会う。だが北は、英二郎の行動を理解しつつも手術はできないと言う。一方、院内では心臓外科の藤井教授(石橋凌)へケンカを売ったとしてうわさになり、立場が悪化してしまう。宮村が外科病棟に移ることが正式に決定し、英二郎は担当を外れたが何とか宮村を助けようと、手術を引き受けてくれる医者を探して全国の心臓外科医に電話をかける。そんな中、英二郎の母・トモ子(浅茅陽子)が函館から上京。深い愛情に触れ、母の言葉をきっかけにある決意を固める。
英二郎(妻夫木聡)の熱さに北(原田芳雄)が折れた。北は永大病院を自主退院した宮村(ガッツ石松)の心臓手術を引き受ける事を決意するが、人工心肺を使わずに動いている心臓を手術する難易度の高い手術で、執刀医は北の1番弟子・鳥一郎(神保悟志)に。北はやはりメスを握れないと言う。淵南記念病院に入院した宮村は英二郎から鳥を紹介されるが、英二郎が信頼する北にどうしても会ってみたかった。しかし、北は拒み続ける。永大に戻った英二郎は、心臓外科のボス・藤井教授(石橋凌)に逆らった事でさらに立場が苦しくなっていた。生活費を稼ぐための誠同病院でのアルバイトは大学からの圧力でストップ。第1内科(循環器)での仕事も干され、次の研修先からは受け入れ拒否される嫌がらせを受け…。
英二郎(妻夫木聡)の次の研修先はNICU(新生児集中治療室)。研修初日、英二郎は指導医の高砂(笑福亭鶴瓶)から皮肉をこめたきつい一言を浴びせられるが、看護師の皆川(国仲涼子)は人手不足が解消すると歓迎してくれた。ある夜、田辺佳子(横山めぐみ)が運ばれてきた。妊娠28週目で破水し、緊急の帝王切開オペをする事に。産まれた子どもは双子で、兄が870グラム、弟が850グラム。気管内挿管のまま、呼吸管理が必要でいつ肺出血を起こしても不思議はない状態だ。英二郎はこの双子を高砂と受け持つことになるが、高砂はある異変に気づく。夜になり、父親の秀勝(吉田栄作)が病院にやってくるが…。
生まれて初めて出産に立ち会った英二郎(妻夫木聡)は命の誕生に感動したが、双子の父親・秀勝(吉田栄作)は「子どもを死なせてやってください」と言った。母親の佳子(横山めぐみ)も、どうしたら子どもを受け入れられるのか悩んでいた。子どもの名前が決まらないまま、佳子の退院の日がやってきた。そして佳子は退院してから、病院に顔を出さなくなってしまう。そんな中、高砂(笑福亭鶴瓶)は弟にある変化を感じ、佳子に検査の許可をもらう。数日後、弟の検査結果が出ると、秀勝と佳子は2人そろって病院にやってくるが、そこで思いもよらなかった結果を聞く。弟には十二指腸閉塞があり、しかもそれはダウン症の合併症だという。すぐにでも手術が必要だが秀勝は、ここでもまた手術の承諾を拒否する。どうしても自分の子どもと認めないのだ。
弱っていく双子の赤ちゃんに何もできない事を思い悩む英二郎(妻夫木聡)は―誠同病院の服部(緒形拳)の元を訪れる。服部は親の権利を取り上げる親権停止を英二郎に促すが、永大の高砂(笑福亭鶴瓶)は反対。親権停止の申立権を持つのは、親族か検察官、児童相談所長に限られているという。看護師の皆川(国仲涼子)は、英二郎に高砂が起こした過去のある事件の話を聞かせる。そして、赤ちゃんの命を救いたいという思いから、英二郎に協力する事を決意するのだった。英二郎と皆川は児童相談所や小児外科を訪ね奔走するが、前途は多難。小児科で研修中の出久根(加藤浩次)も、今回ばかりは英二郎に諦める事をすすめる。カオリ(鈴木京香)からは、もし裁判沙汰になったらNICUは潰されるかもしれないと大学病院の怖さを知らされる。
双子の兄が亡くなった。だが、秀勝(吉田栄作)はダウン症の合併症で十二指腸閉塞の手術が必要な弟の手術も拒否し続けた。自分の息子の手術を拒否することが理解できずにいた英二郎(妻夫木聡)は秀勝に食って掛かろうとするが、高砂(笑福亭鶴瓶)は過去の自分の経験を言って聞かせ、今回はどうしようもないと促すのだった。英二郎は高砂の言葉を理解するが、納得はしていなかった。そんな時、カオリ(鈴木京香)は英二郎に「自分の意志で治療行為ができるのは、医者だけ」と言った。翌日から英二郎は手術の練習を始め、小児外科の先生が手術をしてくれないなら自分がやると言い出す。高砂は無茶だと言うが、英二郎はもちろん聞く訳もない。そしてついに、英二郎は強硬手段を決意。高砂は必死に阻止するが、英二郎の決意は堅く、弟のクベース(保育器)を運び出し手術室まで運ぶが…。
英二郎(妻夫木聡)はNICUでの研修の残りを一般小児科で過ごす事になった。指導医はベテラン医師・安富(鹿賀丈史)。小児科では既に出久根(加藤浩次)が研修中だ。ある日の夕方、出久根が午前中に外来で診た患児が緊急外来で運ばれてきた。高熱の男の子が自宅に帰ってけいれんを起こしたという。安富は出久根に、診察に落ち度があったと注意し、子どもは自分で症状を説明できないと、言い聞かせる。小児科医を続けていく自信を無くした出久根は病院から姿を消してしまう。出久根の代わりに当直を任された英二郎は、深夜の救急外来室の混雑ぶりに驚く。ボタン電池を飲み込んだ3歳女児の受け入れ要請がくるが、安富は拒否した。次はぜんそくの子どもの受け入れ要請の電話が入ってきた。英二郎が迷っていると、安富が電話を取り、受け入れを拒否してしまう。そして安富は英二郎に「君はいつか、患者を殺す」と言い放つのだった。
英二郎(妻夫木聡)は安富(鹿賀丈史)の指示を無視して救急隊の受け入れ要請に応じるが、運ばれてきた患児に何も処置をすることができずにいた。慌てて駆け付けた安富と石川(小林すすむ)は、英二郎が救急患者を受け入れたことを批判し、「命を預かることの怖さ」が分かっていないと、自宅待機を命じる。そんな中、英二郎は外科研修で世話になった白鳥(三浦友和)と再会。白鳥は「行き詰まったら振り返ることも必要」と助言した。英二郎は研修医になり立ての時にアルバイトで行った誠同病院の事を思い出す。「あの頃から、先に進めているのだろうか?」と悩む英二郎は、以前患者を目の前にして逃げ出してしまったあの場所、服部院長(緒形拳)のいる誠同病院に電話をかけることに。