「こはぜ屋」存続のために取引先銀行から勧められた提言を振り切り、「陸王」開発の覚悟を決めた宮沢(役所広司)。しかし、開発への道のりは遠く険しいものだった。目下、いちばんの懸案事項となっているのは、靴底のソール部分だ。試作で採用された生ゴムのソールでは、ランニングシューズで求められる耐久性は望めなかった。 そこで従来の素材に見切りをつけた宮沢は、以前、坂本(風間俊介)から紹介された、繭で作られた特殊素材「シルクレイ」を思い出す。ソールの素材としても期待のできる有望なものだと、ランニングインストラクターの有村(光石研)から太鼓判を押されたシルクレイだが、その特許を持つのは飯山(寺尾聰)という人物だ。飯山は2年前に自社を倒産させてしまい、それから消息不明だったのだが、坂本の助けもあり宮沢は飯山と会えることに。しかし、飯山は……。