季節は秋。衣替えの時期である。聖應女学院ではそれに伴い、生徒会による服装チェックが行なわれていた。そのとき、貴子は奏の頭のリボンを「ずいぶん大仰だ」として注意し、身に付けることを禁止した。そんな貴子の見解に対し反論しなかった瑞穂を見て、まりやは声を荒げる。奏は瑞穂の妹のような存在。だからこそ、奏のことは瑞穂が守るべきだと。そこで彼は気付かされた。いつも自分に笑顔を向けてくれる奏に対し、逆に自分もしてあげられることがあるのなら。そう思い、瑞穂は奏を守る決意をする。貴子の意見が間違いだと断定はできないものの、奏のリボンが校則に違反しているとも思えない。ならば、奏が生徒会から処罰を受けるのは防ぐべきだと。 そんな彼を後押ししてくれたのが紫苑だった。彼女は瑞穂に、学院における「生徒会則・附則第三項」があることを教える。そこには、生徒会への異議申し立てをする場合の手段が記述されていた。それに基づいて異議申し立て書を貴子に提出する瑞穂だが、それで終わったわけではない。やがて異議申し立て書は学院内で掲示され、最終的な判断は全生徒の総意により決定されるのだ。 その後、瑞穂は奏から、リボンに込められた思いを聞く。彼女がある事情によりとても大切にしているというそのリボンを、貴子の一存で禁止させるわけにはいかない。やがて瑞穂は、今回の異議の件を改めて全生徒の前で述べるため、学院の講堂へと向かう。何が正しくて何が間違いなのかを悩み続けた彼だが、今はひとつの結論に辿り着いていた。その結論と、そして奏への思いを胸に、瑞穂は講堂の壇上に