その日事務所にいた籐子(深津絵里)と壮吾(坂口憲二)はある雑誌のある記事に目を止めた。そこにはユニバーサルで貫井(堤真一)の下で働いていた中沢(東根作寿英)が貫井を中傷する記事が掲載されていたのだ。“貫井の時代はもう終わった”との記事が・・・。もちろん貫井もその記事のことを知っていてしっかり目を通していた。だから二人は、貫井がショックを受けるのではないかと心配もした。が、貫井は「言いたい奴にはいわせておけ」と中沢の発言を一笑に伏したのだった。
だが、この揺るぎがなく見えた貫井の自信は、吉武(西村雅彦)が取ってきた新たな仕事が壮吾に回されたことで少しずつ揺らぎはじめることになった。「この仕事をきっかけにさらに大手ビール会社と契約し、夏には貫井、壮吾とのビール対決だ」と吉武は近い将来の大きな展開を見越しての壮吾の登板だというのだが・・・。「暇な時間ができたら、この際、春菜ちゃん(矢田亜希子)と旅行でも行ってくれば?」そんな籐子の思いつきの提案にも複雑な表情を浮かべる貫井だった。それからの『貫井企画』は、寸暇を惜しんでパソコンに向かう壮吾と、対称的に暇を持て余し籐子と一緒に買い出しに出かける貫井といった妙な光景が展開することになった。籐子は、口には出さないもの貫井に焦りと苛立ちがあると感じ心配だった。そして一方では以前にも増して親密そうにしている貫井と籐子の様子を目撃し、心痛める春菜がいた。数日後、籐子の心配が的中してしまう一件が起こった。あるパーティーで貫井と中沢がバッタリと出会い、中沢はきっぱりと『貫井企画』対