閑散とした"真夏のスキー場"を一大リゾートに変えた男がいる。東大出身、農水省の元キャリア官僚という経歴を持つ、和田寛(ゆたか)48歳。和田によって大変貌を遂げたのは、98年の冬季オリンピックも開催された長野県白馬村。ウィンタースポーツを目当てに国内外から観光客が訪れる屈指のスキーリゾートだが、シーズンが終わると一気に客が減ってしまうのが長年の課題だった。しかし2016年頃から放ってきた数々の仕掛けによって、グリーンシーズンも活性化。ついに"夏"の来訪者数が冬の1.5倍となり、「冬よりも夏に稼ぐ」リゾート地となった。目指すのは、田舎の観光業を"アップデート"して地方全体の底上げを図ること。どのようにして"客を呼ぶリゾート"に変貌させたのか取材し、地方の観光業を豊かにするヒントを探る。