おたきが、油の入った大釜で釜ゆでの極刑に処せられることになった。朝鮮に渡った日本軍から送られてきた戦勝の耳の入った壷を盗み、太閤の進める唐陣に逆らったという罪状である。これは、三成が京にはびこりはじめた唐陣への厭戦気分を一掃しようと、見せしめの効果をねらったもので、それとともに、五右衛門一味をおびき寄せようとのたくらみだった。