伊達から、日本の中軽量級のけん引役に指名された一歩。まだその自覚が全くない一歩の2度目の防衛戦の相手は、全日本の7位にランクされているハンマー・ ナオという選手だった。ナオに関する資料はほとんどなかったが、一歩はコツコツと練習をこなす。ジムには、一歩を尊敬する国体準優勝の板垣も入門し、賑やかになった。 ナオの試合のビデオを見た一歩は、8戦8勝のナオの強烈なボディーフックに目を見張った。元々3階級も上のジュニアウェルター急でデビューしたナオは、一歩との対戦を熱望し、フェザー級に転向したとか。ナオは、打たれ続けて腫れ上がった凄みのある面構えをしていた。 だが、鴨川からナオの本名を聞いた一歩は、愕然となった。かつて一歩を先輩と慕い、ランニングの際にいつもゲロを吐いたことから、“ゲロ道”とのアダナを付けられた山田直道が、今回の対戦相手のハンマー・ナオだったのだ。不器用で内気ながら頑張り屋の直道は、両親の転勤でジムを辞めたのだが、引越し先の地方でボクシングを続けていたらしい。 ビデオから分析すると、ナオは打たせながら前進して相手にパンチを浴びせる選手。板垣は、一歩なら間違いなく相手を病院送りに出来る選手だと言い切る。だが、鷹村は、精神的に甘い一歩が鬼になり切れないのではないか、と告げた。 まもなく、ナオが都内で出稽古をしていると知った青木と木村は、そのジムに偵察に行った。ナオのボディーフックは強烈で、スパーリングパートナーを3連続でKOにするほど。青木らの顔を見たナオは、本気で一歩のベルトを狙うと宣言した。
Name | Type | Role | |
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Kazuyuki Fudeyasu | Writer | ||
Jun Shishido | Director | ||
Hisato Shimoda | Director | Episode Director |