いろいろなジムの若手ホープの噛ませ犬役を引き受けることで、ボロボロになりながらチャンスを掴み、這い上がって来たナオ。だが、相手が可愛い後輩だと知った一歩は、なかなか意気が上がらない。そんな様子を見た記者の飯沼は、ナオが一歩を目標に頑張って来たことを明かして奮起を促した。 鴨川会長の分析によると、不器用なファイタータイプのナオは、玉砕覚悟で接近戦を挑んでくる。これまでに、ごくまれに、噛ませ犬が逆に噛み付くケースもあるのだ。必殺のデンプシーロールは使えないが、鴨川は、全てにおいて分がある一歩に、チャンピオンとして真正面から受けて立つよう指示した。 計量で一歩の顔を見たナオは、握手を拒絶し、ベルトを奪い取る、と告げた。噛ませ犬の勝利予告に、取材に駆けつけた記者たちは、驚きの声を上げる。一歩は、ヤル気満々のナオに、本気で戦うことを誓った。 翌日、試合を前に、控え室のナオは、一歩が本気で戦ってくれると知り、嬉しさを噛みしめていた。一歩の後ろ姿を見失いたくないナオは、いつか対戦することを夢見てボクシングを続けてきた。ナオがボクサーとしての寿命が短い“打たれるボクシング”を選んだのは、ベストの状態のうちに憧れの一歩と戦うため。ナオは、この試合を自分の引退試合と考えていた。 先輩の一歩に最高の自分を見せる――。会長の八戸もあっけに取られるほどの気迫でリングに向かうナオ。地元から駆けつけてきた応援団の声をバックにリングに立ったナオは、チャンピオン・一歩の入場を待った。
Name | Type | Role | |
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Kazuyuki Fudeyasu | Writer | ||
Jun Shishido | Director | ||
Fumie Muroi | Director | Episode Director |