Material called "dark matter" could hold the key to understanding the creation of the universe. Although its composition is completely unknown, dark matter is believed to have more than five times the mass of existing elements like hydrogen and oxygen. Using highly specialized observation devices, scientists around the world are vying to be the first to uncover the secret of dark matter. How do these scientists form their hypotheses and attempt to validate them? Will they ever find out what dark matter is? This program focuses on this fascinating competition among some of the world's top scientists.
いま世界中で「ダークマター(暗黒物質)」と呼ばれる未知の物質の探索競争が激化しています。ヨーロッパでは巨大な粒子加速器でダークマターを「生み出す」実験が、また日本では特殊な観測器で宇宙を漂うダークマターを「捉える」試みが進んでいます。しかしこの謎の物質、1970年代には学界に相手にされず、提唱した女性科学者は批判にさらされました。その観測データは、見えないダークマターが見える物質の数倍から数十倍もあることを示しており、それを認めることは「科学は宇宙をほとんど分かっていない」と認めるに等しかったからです。
その「謎」の存在を認めたところから、科学者たちの新たな挑戦が始まりました。
「ダークマターは"暗い星"ではないか?」「いや"素粒子"の一種だろう」...
今や宇宙誕生のカギを握るといわれるダークマターの正体を科学者はどう推理し、検証してきたのか?果たしてその正体を暴く日は来るのか?知の最前線で繰り広げられる格闘を追いました。