浩樹の元に従妹のエリスが居候としてやってきた。エリスは絵の才能を買われ、撫子学園高等部の特待生として入学したのだ。入学式の後、浩樹の受け持つ美術部に見学しにきたエリス。物怖じしない性格が、美術部員たちとの間で、よくない雰囲気になる。そして追い討ちをかけるように真っ赤なバラを巡って、問題が起こり…。
幼馴染の霧が、偶然にも体育教師として赴任してくる。浩樹と霧は、高校卒業後、疎遠になっていた。それというのも、霧は高校時、浩樹に告白してフラれたという経緯があった。なんとなくぎこちない二人だが、会話を交わすうち、自然と昔のように戻っていく。一方、二人の間に入り難いエリスは、それが面白くない感じで…。
撫子学園二年生の可奈は、なぜか浩樹になついている、いつも元気な女の子。そんな彼女の正体は、プロの恋愛小説家で、学園内でもちょっとした有名人。だが、恋愛小説を書いているのに、可奈には恋愛経験がなかった。そんな可奈の取材協力のため、可奈と浩樹がデートをすることに。なんだか、嵐が起こりそうな予感…!
合唱部がコンクールを控え、部員全体が練習に励む中、なぜか彼女は練習の中に入ろうとしない菫。彼女はほんの些細なことから、人前で歌えなくなってしまったのだ。菫に対して、最初はあまりいい印象を持たなかったエリス。ふとしたことから菫と話す機会を持ったことで、彼女の悩みを理解したエリスは、菫を応援し始める。
浩樹の教育実習が始まった。受け持つのは、エリスのクラス。彼の教育実習は、病弱で学校も休みがちな問題児・朋子のせいで初日から怪しい雲行きに。つんけんしたイメージを持たれがちだが猫に餌をやったりする優しい一面を持つ朋子。そんな朋子を知っている浩樹は、なんとかクラスメイトと朋子の仲を取り持とうとして…。
浩樹が絵を諦めて教師になることを良く思っていない霧は、なんだか教師らしくなっていくのが気に入らない。教師の道は甘くないということを浩樹にわからせようと研修旅行で張り切る霧だったが、あえなく失敗。それを逆に浩樹にフォローされてしまう始末。そんな二人のやり取りを見たエリスは、胸がざわめくのを感じる。
急接近していく霧と浩樹。それを目の当たりにするのが辛いエリス。そんな時、エリスは霧が高校時代に告白した相手がいたことを知る。その相手をエリスから聞かれた浩樹は、つい口を滑らせてしまう。動揺を隠し切れないエリスに、接近してくる男子・彰太。そして迎えた肝試しで、それぞれのカップルに新たな展開が…!
夏祭りのための浴衣選びに張り切るエリスは、浩樹とともに出かけた先で、霧や可奈たちと出くわした。研修旅行以来、霧と浩樹の妙にお互いを意識した態度に、心穏やかでないエリス。霧の部屋で浴衣の着付けを教わることになったエリスたち一行。そこでエリスは、偶然にも浩樹が高校時代に描いた霧の肖像画を見てしまう。
新学期が始まり、複雑な胸中を抱きつつも、新聞社主催のコンクールに向けての作品制作に精を出すエリス。そんな中、浩樹がエリスに嘘をついて霧と会っていたことを知るエリス。それがきっかけとなってエリスは、浩樹のことを「お兄ちゃん」としてではなく、一人の男性として見ているということを自覚し始める。
ついに浩樹に思いを伝えたエリス。だが、浩樹からの答えは、「妹としてしか見ることができない」というものだった。動揺と気まずさを抱えてはいるが、今までどおりに振舞おうとする浩樹。そんな浩樹の心遣いがわかってはいても、それが辛く感じられてしまうエリス。そして、エリスは書置きを残して姿を消してしまい…!
浩樹との生活に戻るには、気持ちの整理をつけ切れず、朋子の家に居候するエリス。浩樹もそんなエリスの心中を察して見守ろうとする。そんな中、浩樹は撫子学園の体育祭とエリスの誕生日が重なっていたことを思い出す。このイベントを機会に、なんとか関係を修復したいと互いに思いつつも、すれ違ってしまう二人だが…。
浩樹を想う気持ちに変わりはないが、自分の気持ちに区切りをつけることができたエリス。自立への一歩を踏み出そうと家事に挑戦するが、失敗続き。ギクシャクムードがまだ残っていることが、余計に二人を疲れさせてしまう。そんな時、突然、浩樹の父方の従姉である笙子の娘・ハルナを二人は預かることになるが…。
理事長代理の紗綾から撫子学園への正式な内定を受けた浩樹。そこで特別講師として柳が学園に招かれるという話を耳にする。浩樹と霧の幼馴染である柳は、浩樹が絵を描くのを止めた原因の一端だったのである。その柳との予期せぬ再会を目前に、浩樹の胸にさまざまな思いが駆け巡る。そして、浩樹の過去が今、明らかに…。
再び出会った浩樹、霧、柳の三人。普通の対応をしようとする浩樹だが、どうしても過去のわだかまりを捨てきれず、不自然な対応になってしまう。事情を何も知らない霧は、久しぶりの幼馴染の再会を素直に喜び、霧の家での食事会を提案する。浩樹は、参加の約束をしながらも結局、霧のマンション前で引き返してしまい…。
絵を描けなくなったのは柳のせいではなく、自分自身の問題だったということを認めた浩樹だったが、まだ絵を描くというところまでは踏み込めないでいた。そんな自分への苛立ちから、何もかもに恵まれている紗綾に八つ当たりのような真似をしてしまう浩樹。だが、紗綾と深く話した浩樹は、彼女に対する認識を変えてゆく。
浩樹のマンションに突然転がり込んできた可奈。スランプに陥った可奈は、明日締め切りの作品が未だ手付かずのままだという。刻一刻と迫る、締め切りまでのタイムリミット。可奈の手助けをしようと、エリスは麻巳たちに緊急収集をかけ、小説のネタを考えることに。果たして、締め切りに間に合わせることができるのか!?
正式に撫子学園への就任が決定した浩樹。その噂を聞きつけて大喜びする可奈たち。みんなで浩樹のためにお祝いパーティーをすることに決まる。エリスたちは各自、お祝いの準備に大忙し。そんな中、公務員試験に落ちたことで自信を失った浩樹だったが、みんなからお祝いパーティーをされて教師への自信を取り戻していく。
エリスが赤を使うことに挑戦しようとしていることに気づいた浩樹。エリスの才能を認めている美術部部長の麻巳も、エリスが赤を使って絵を描けるようになることに期待を抱いていた。ちょうど撫子学園の文化祭で美術部がカフェを催すこともあり、麻巳はエリスにケチャップ(赤)を使ったオムライスを作ることを勧めるが…。
研修を受けに行くことになった霧。浩樹も後学のため、霧に同行することになった。苦手なレポート発表があるとのこともあって、移動中も緊張しまくりの霧を心配し、サポートする浩樹。帰りの電車の乗車時刻までの間に食事を楽しんだ二人だったが、駅に向かう途中、渋滞に巻き込まれて帰れなくなってしまう。
紫衣に、幼馴染から進展しない浩樹との関係を突っ込まれてしまった霧は、さすがに焦りが出始める。そんな時、柳から二人きりでの食事に誘われる霧。浩樹の気持ちを探りたいという思惑もあった霧は、それとなく浩樹に報告する。だが、やきもちを焼くそぶりも見せない浩樹を見た霧は、勢いで柳の誘いを受けてしまい…。
霧とクリスマスを一緒に過ごす約束を交わした浩樹だったが、心のどこかで何かしらエリスのことが引っかかっていた。一方エリスは、絵を描かなくなり、教師を目指す浩樹に対して不安を抱いていた。霧もまた、幸せな予感を感じつつも、まだ浩樹の気持ちに核心を持てずにいるのだった。それぞれの心の距離は…?
事故にあってしまったエリスは、軽症で済んだものの、大事をとって入院をすることになった。エリスが事故にあったのは自分のせいかも知れないと自分を責める霧を浩樹は、ただ慰めるしかなかった。
浩樹への想いは募るものの、絵を描き続けることが自分の歩む道だと決心したエリスはフランスへの留学を決意する。またエリスの想いを知り、戸惑いながらも浩樹とのクリスマスイブを計画する霧。雪と一緒に二人の女性の想いが降り積もる中、撫子学園クリスマスパーティがおこなわれるのであった。
過去と未来が交錯するクリスマスイブ…。粉雪の舞う中、エリスと霧はそれぞれが思い描いた道へと前進しようとしていた。そして浩樹の前にある道は、真っ白な雪に覆われた道。自分のキャンバスを彩るために浩樹が選んだ色は…?