災害に向き合うためには、日本人が古来からもっている自然観をもう一度見つめ、人間と自然との「つながり」を根底から考え直す必要があると説く寺田寅彦の思想に迫る。 科学者であり随筆家でもある寺田寅彦の災害観のエッセンスがつまった随筆集が「天災と日本人」だ。文明が進歩すればするほど災害による被害は甚大になるという寺田。災害に向き合うためには、日本人が古来からもっている自然観をもう一度見つめることで、人間と自然との「つながり」を根底から考え直す必要があるという。第一回は、災害という予測不可能な危機にどう向き合い、どう冷静に対処するかを考える。