人種差別は黒人だけの問題ではなく「いかにしてわれわれは非人間の状態から抜け出して真の意味での人間になりうるのか」が問われているというファノンの思想の根本に迫る。 ファノンは人種差別の問題を突きつめていく中で「人間を閉じ込めるものから人間を解き放つこと」という普遍的な問題に到達。人種差別は黒人だけの問題ではなく「いかにしてわれわれは非人間の状態から抜け出して真の意味での人間になりうるのか」が問われているという。それは立場を超えて連帯を生んでいる「ブラック・ライブズ・マター」とも相通じる思想だといえる。第4回は、「人間の解放」という普遍的な問題を考える。