「黒い皮膚への差別をいかに乗り越えるか」の答えを模索し続けるファノン。たどり着いたのは、自らの中にある黒人性、黒人文化を再評価する運動「ネグリチュード」だった。 「黒い皮膚への偏見や差別をいかに乗り越えていくか」の答えを模索し続けるファノン。たどり着いたのは、自らの中にある黒人性、黒人文化を再評価し、その尊厳性を強調することで白人に対する黒人の優位を示そうという運動だ。が、彼は共鳴しながらも疑念も抱く。第3回は、差別を乗り越えるために自らのルーツやアイデンティティーを掘り起こすことの有効性と限界を、ファノンが共鳴した「ネグリチュード」を通して読み解く。