過剰な白人への劣等感から生じる自発的隷従。このゆがみから解放されなければ差別の構造はなくならない。文学を通して、差別構造がなぜ内面化されるのかを明らかにする。 文学作品に描かれる典型的な黒人女性は、白人の男と結婚することで血統を白くしようとする。これを「乳白化の願望」と呼び、ゆがんだ心理的防衛機制であるとファノンは分析する。同様なことが黒人男性にも生じる。これらは過剰な白人への劣等感から生じる自発的隷従であり、このゆがみから解放されなければ差別の構造はなくならない。第2回は、文学作品の分析を通して、差別の構造がなぜ内面化されてしまうのかを明らかにする。