人種差別の原因を考究する「黒い皮膚・白い仮面」。作者ファノン自身がどのように差別構造と直面し、そこから抜け出ようとしたのかを通じて、差別の問題を深く考える。 人種差別の原因を考究する「黒い皮膚・白い仮面」。この著作成立にはファノン自身の出自が深く関係している。マルティニーク島で生まれた彼は、フランス本国で圧倒的な差別構造に直面する。精神科医の資格をとりながら、この差別構造を心理学から明らかにしようと決意。自身の半生に対しても分析のメスをいれていく。第1回は、差別の構造に巻き込まれがらも、どのようにそこから抜け出していくかを彼の人生を通じて考える。