パンデミックに対して、行政府の政策はどこまで有効で、どのような問題をはらんでいるのか? ロンドン行政府の成功や失敗を検証することで、政治のあり方を深く考える。 『ペストの記憶』で、主人公は、ロンドンの行政府がいかに手際よくペストに対処したかをほめる一方、感染者を出した家屋の封じこめや、ロンドンからの逃亡者への厳しい措置が生んだ悲劇も記されている。その上で、行政が市民の身体を管理する、という近代的な政治のあり方について鋭く問いかける。第3回は、パンデミックに対して、行政府の政策はどこまで有効で、どのような問題をはらんでいるのかを考える。