古事記を分析すると国家形成は「罪の自覚」「倫理の発生」「法の形成」という過程を経ることがわかる。そこから人間がなぜ国家という束縛から自由になれないかを解明する。 古事記を分析すると国家形成は「罪の自覚」「倫理の発生」「法の形成」といったプロセスを経ることがわかる。例えばスサノオの神話には「対幻想」と「共同幻想」に引き裂かれる人間の在り様が象徴的に表現され、人間社会が「血」や「性」でつながる氏族集団から「法」を基盤とする国家へと変貌するプロセスがたどれる。第三回は、国家成立プロセスを解き明かし人間がなぜ国家という束縛から容易に自由になれないかを明らかにする。