ポスト全体主義下のチェコでは、地下出版、自主講座等公的領域とは独立した活動の場が次々と拡大、体制を揺さぶり始める。「並行文化」と呼ばれる市民の活動の可能性とは? あるロックバンドが結婚式で演奏しただけで、治安を乱した罪で逮捕。これを契機に「他者の自由のために立ち上がらなければ自分たちも自由を断念することになる」という機運が人々の間に芽生えていった。同時に、地下出版、アングラ・ミュージック、自主講座など公的な領域とは独立した活動の場が次々と拡大、体制を揺さぶり始める。第3回は、ハヴェルが「並行文化」と呼ぶ市民たちの活動に注目し、その可能性を深く考察する。