西田が晩年にたどり着いたのが「絶対矛盾的自己同一」という概念だ。主観と客観、一と多といった一見対立する者同士が実は相補的であり根源においては同一であるという。 西田が晩年にたどり着いたのが「絶対矛盾的自己同一」という概念だ。主観と客観、一と多といった一見対立する者同士が実は相補的であり根源においては同一であるというこの考え方は、自らの子供と死別するという実体験を通して獲得したものだという。生と死は一見矛盾しながらもその対立を超えて一つにつながっているものだというのだ。第4回は西田哲学の中で最も難解とされる「絶対矛盾的自己同一」という概念を解きほぐす。