カイヨワは「戦争に惹(ひ)きつけられてしまう人間本性」にメスを入れる。戦争を積極的に引き受けることで新たな人間の価値を見出そうという思想すら現れることを警告する カイヨワは人類学的な視点から「戦争にひきつけられてしまう人間本性」にメスを入れる。兵士の一人ひとりが一個の砲弾や機械部品と同じように消費される戦争を積極的に引き受けることで、新たな人間の価値を見出そうとする人々が現れる。その際に生じる「恍惚(こうこつ)」や「陶酔」は、人間が古来ひかれ続けてきた「聖なるものの顕現」としての「祭り」と酷似する。第3回は戦争にひかれ本性とどう向き合い統御していくか考える