マルクス帝は、どんな裏切りにあってもひとたび許しを乞われば寛容に受け容(い)れた。「自省録」での思索から、憎しみや対立を超え、寛容に生きる方法を学んでいく。 マルクス・アウレリウスは、どんな裏切りにあってもひとたび許しを乞われば寛容に受け容れた。これは多様な民族を抱えるローマ帝国を統治する知恵でもあったが、何よりも自分が学んだストア哲学の「すべての人間は普遍的理性(ロゴス)を分けもつ限りみな等しい同胞である」というコスモポリタニズム(世界市民主義)がベースにあった。第2回は、憎しみや対立を超え、寛容に生きる方法を学んでいく。