ユダヤ人移送計画の責任者アイヒマンを裁く裁判を傍聴したアーレントは、彼が、与えられた命令を淡々とこなす陳腐な小役人にすぎないことに驚がくする。悪とは一体何か? アイヒマンは収容所へのユダヤ人移送計画の責任者。その裁判を傍聴し、「悪の権化」と目された彼の姿に接したアーレントは驚がくした。実際の彼は、与えられた命令を淡々とこなす陳腐な小役人だったのだ。自分の行いの是非について全く考慮しない徹底した「無思想性」。その事実は「誰もがアイヒマンになりうる」という可能性をつきつける。第四回は「人間にとって悪とは何か」「悪を避けるには何が必要か」を考える。