「不二の法門とは何か」ときかれて、なんと黙ったまま一言も発しない維摩。「維摩の一黙、雷の如(ごと)し」と呼ばれたこの沈黙が意味するものとは?その奥深い思想に迫る 「不二の法門」とは、相反するものが即一になる世界のこと。菩薩たちはその答えとして、「善と悪」「悟りと迷い」「身体と精神」「自分と他者」「光と闇」といったあらゆる二項対立の概念を語りながら、その構造が解体された世界こそ不二の法門であると述べる。同じ質問を問い返された維摩はどう答えたか? なんと、黙ったまま一言も発しないのだ。「維摩の一黙、雷の如(ごと)し」と呼ばれたこの沈黙が意味するものとは?