ルソーが唱える「好奇心」「有用性」に基づく教育。それによってエミールは、生々しい事件に直面しながら自らの体験の中で生きた知識をつかみとり、自律した主体へと育つ。 ルソーは子どもの発達段階を無視した従来の教育方法を批判。代わりに行うのは徹底して「好奇心」「有用性」に基づいた教育だ。主人公エミールは生々しい事件に直面しながら、自らの体験の中で「初歩の道徳感覚」や「天文学や地理学の有用性」を学んでいく。それはお仕着せの知識ではなく、エミールが自らつかみとっていく生きた知識だ。他者に惑わされず自分の力で判断し行動していく自律した主体になるために必要なものを考える。