子供の頃からジェット戦闘機に憧れ、夢を抱いて航空自衛隊に入隊した内田一宏。しかし現実は厳しく、彼は救難ヘリコプターのパイロットとして石川県小松基地のレスキュー部隊・小松救難隊へ配属されてしまう。就職で上京した恋人とは遠距離恋愛となってしまったものの、新たな希望を胸に着任の報告に小松救難隊を訪れる一宏だったが…。
北陸地方沿岸部を襲った直下型地震の被害に対して災害派遣命令が発令され、続々と集結する小松救難隊の隊員たち。ところが、パイロットの佐藤と田中が基地へ向かう途中で事故で負傷。本郷三佐に挑発された一宏は、予備のパイロットとして被災地・東うるま島へ向かうことになった。降り始めた雨と余震の中、現地に到着した救難ヘリUH-60Jは怪我人の収容を開始するが…。
残してきた飼い犬を助けるため、避難所を抜け出した少女・さくら。事情を知りさくらの自宅に向かった一宏は、余震で崩れた家の瓦礫の下に挟まれていた彼女を発見する。ようやく助け出したさくらをヘリで小松基地まで搬送しようとするクルーたち。しかし、さくらの容態が急変し、行く手を強い向かい風に邪魔されたヘリも、急速に燃料を失ってしまう。
ゴールデンウィークに休暇を貰ったにも関わらず、実家へ帰ろうともせずひたすら落ち込む一宏。望まないまま小松救難隊へ配属され、しかもその初仕事で救難隊に課せられた任務の重さを思い知った彼は、己の不甲斐なさに塞ぎ込んでいたのだ。そんな中、突然彼の下宿を恋人・長谷川めぐみが訪ねて来た。二人は金沢へデートに向かうが、希望通り東京の出版社に就職しためぐみとの会話は、今の一宏には苦痛でしかない。
めぐみのおかげで復調した一宏は、パイロットとしての救難訓練に突入。が、渓谷での救出訓練では救難員に指示されたポイントになかなかホバリング出来ず、周囲に迷惑を掛けてしまう。そんな一宏に業を煮やした本郷は、彼を救難員の山岳救出訓練に参加させることに。釈然としない一宏だが、実戦さながらの過酷な訓練を目の当たりにして、次第に表情を強張らせていく。そんな中、一行は山中で怪我をした登山客を発見する。
お盆の時期になり、小松救難隊員たちはアラートクルーを除き、それぞれ休暇に入っていた。一宏はめぐみとともに実家の岡山へ戻り、久しぶりのデートを楽しんでいた。一方、本郷は家族総出で妻の実家のある北海道へと帰省する。本郷はそこで、単身とある家を訪れるが…。
第303飛行隊のF-15DJが訓練から帰投中、突如レーダーロストした。エマージェンシーコールが鳴り響く中、小松基地を緊急発進した小松救難隊のU-125AとUH-60J。ベイルアウト(緊急脱出)したパイロットを捜索する一宏たち。しかし、時化の海面が作り出すシークラッター(海面の乱反射)によって、レーダーでの捜索は困難を極めた。
小松救難隊の紅葉狩りの下見に、メディックの鈴木とともに自転車で山へと向かった一宏。その途中で自転車のパンクで立ち往生している高校生・吉岡悟と出会った一宏は、ひょんなことから同道することになる。
一宏と悟が乗ったロープウェイが故障で空中に停止してしまう。ロープウェイ会社の救助隊と警察・消防による救出活動が開始されるが、風が強まる中、乗客救出は困難を極める。
年も押し詰まり、めぐみが勤務する出版社・書肆西瓜糖では、返本と不良在庫の処分に頭を悩ませていた。一方、一宏は訓練後、本郷から自宅に食事に来いと誘われ、思わぬ言葉に当惑する。
二つ玉低気圧の影響で大荒れとなった日本アルプスで春陽大学山岳部の遭難事故が発生した。長野県警のヘリと山岳警備隊が救出のため出動するが、厚い雲と吹雪のため遭難地点にアプローチすることすらできない。
災害派遣命令により松本空港に前進待機する小松救難隊のクルーたち。天候の回復を見計らい、本郷と一宏の操縦するUH-60Jが厳冬期の山岳救出ミッションのため、雪雲の垂れ込める空に舞い上がる。
ベテラン救難員の本村曹長は最近体力の衰えを感じ始めていた。娘の結婚式を控え、救難員としての現役引退を意識し始めていた頃、小松救難隊に鈴木空士長が新米救難員として配属される。鈴木は本村に憧れて救難員を志望したのだった…。