閉鎖的な平成のド田舎に暮らす男子学生・三島フトシ(荒木飛羽)は、クラスで浮いている存在。“髪が長い”という理由から、同級生にイジメを受けているものの一切抵抗しない。 そんな三島の心のよりどころは、隠れて母親の口紅を塗ったり、長い髪をウエーブさせたり、“カワイイ自分”になることだった。 ところが、丹精込めて伸ばした長い髪をイジメグループにハサミで切られてしまう。ショックを受けて帰宅するも、鏡に映った自分を見て衝撃を受ける。 「すごい...かわいい...」
男たちに無理やり車に連れ込まれそうになった三島(荒木飛羽)を助けてくれたのは、イジメグループのリーダー・桐野マコト(曽野舜太)。素直に礼を伝えるも、三島が口紅をつけていることに対し、桐野は激昂する。 その後、学校の屋上にいると、以前なくした母親の口紅を桐野が持っていることを目撃。さらに、自らの唇に塗ろうとしていて…。 「あ、間接キッス?桐野って本当は俺のことが…」 桐野の思わぬ“本性”が明らかに。
桐野(曽野舜太)の本性を知った三島(荒木飛羽)。恋バナしたり、メイク用品を試してみたり…屋上でコッソリ会合することが日課になっていた。そこで、桐野が女性と付き合い、最後までした経験があることを知る。 そんな中、学年一カワイイ、クラスメイトの藤井凛花(片田陽依)から放課後呼び出された三島。付き合ってほしいと告白される。逡巡するも桐野の話を思い出し…。 「世界がガラリと...」 初の異性とのお付き合いで、三島の世界は変わるのか。
藤井(片田陽依)と最後までできなかった三島(荒木飛羽)は自身のアイデンティティへ悩みを深めていた。そんな三島を慰める桐野(曽野舜太)との屋上会合は続く。 「いつか堂々と、『自分はこういう人間だ』って言える日が来るといいなって」 三島の思いを尻目に、田舎町の主婦たちの間では容姿に対する話題で持ちきりに。一方、桐野が本性を隠している理由、三島を気に掛ける社会科教諭・柳田(阿部顕嵐)の過去が明らかになっていく…。
三島(荒木飛羽)への罰ゲームで、ついに本性を現した社会科教諭の柳田(阿部顕嵐)。やたらちょっかいを出していた夢野太郎(藤本洸大)も様子のおかしい三島を不器用ながら気に掛ける。 一方、屋上で秘密の会合を続ける桐野(曽野舜太)は、疑念を抱いていた柳田の本性が確信へと変わった様子。慰めの言葉とともに忠告する桐野だが、さらなる柳田の魔の手が三島へと迫り来る―。 「うそ!…」 柳田は三島へ一体何を、そして三島の危機に桐野と夢野は間に合うのか。
柳田(阿部顕嵐)に襲われた三島(荒木飛羽)を気に掛ける夢野(藤本洸大)は、放課後部活を休んで毎日のように三島へ付き添うように。そんな2人を微笑ましく思っている桐野(曽野舜太)だが、自分たちと夢野のアイデンティティの違いを感じていた。 夢野の明らかな態度の変化を不思議に思う三島は、素直に問いを投げかけてみる…。 「夢野はさぁ…俺の事、嫌いじゃなかったの?」 するとこれまで秘めてきた夢野の三島に対する本当の気持ちが明かされる。
夢野(藤本洸大)に男の体を拒絶され、ショックを受けていた三島(荒木飛羽)に寄り添う桐野(曽野舜太)。2人の絆はより一層深まっていく中、田舎町の狭いコミュニティでは、三島を取り巻く噂で持ちきりになっていた。その噂は、親の耳にも入っていて…。 三島の母・香葉(酒井若菜)は、そして桐野の母・竹子(荻野友里)は、自身のアイデンティティに悩むわが子へそれぞれ正反対の反応を示す―。 「でも…俺は……結婚して…子供作って…ずっとここで」
田舎町から離れるべく、自転車で東京を目指す三島(荒木飛羽)と桐野(曽野舜太)。心ここにあらずの桐野を三島は気に掛けるも、その心配は杞憂に終わることはなかった…。 桐野の母・竹子(荻野友里)の体調が芳しくないことを知り、田舎町へ引き返すことになった2人。旅の終わりに導かれるように、三島と桐野の関係、そして自身のアイデンティティとの決別の道へと向かっていく。 「宝物のような時間…楽しかったんだ…凄く…」 ひと夏の淡い青春物語は、どう幕を下ろすのか―。