とあるのどかな田舎町に住む高校一年生、草薙桂。彼はある夜、湖に不時着する宇宙船を偶然見てしまう。一方、その翌日新担任として桂のクラスにやってきたのが美人でグラマーな風見みずほ。隣に越してきたみずほの荷物を運んでいた桂だったが、そのうちに昨夜見た宇宙人がみずほだったことを思い出すが……。
ひょんなことから体育用具室に閉じ込められた桂とみずほ。気まずい思いはやがて親近感に変わり、2人はお互いの秘密(みずほは自分の正体を、桂は自分の病気のこと)を打ち明けることに。やがて救出された2人だが、運悪く校長に見つかってしまう。その場を切り抜けるため、桂は自分がみずほ先生の夫だと宣言する!
学校側の処罰を回避するため、婚姻届に判を押し、正式に夫婦となった桂とみずほ。桂は「こんな簡単に結婚していいのだろうか……」と悩みつつも、みずほとの新しい生活に期待を感じずにはいられないでいた。そんな中、みのる達のはからいで、略式ではあるが2人の結婚式を執り行なう事となった桂とみずほだったが……。
みずほと結婚してから数日。甘い新婚生活を夢見ていた桂に、現実が降り注ぐ。2人の関係は秘密だし、それぞれの立場が、2人だけの時間を狂わせていく……。そんな時、小石から遊びの誘いの電話があり、その誘いを受ける桂。だが、それは小石と桂をくっつけようとする、クラスメイト・苺の作戦であった……。
夏休み。新婚旅行に出かけた桂とみずほは、南の海を満喫していた。ここには、自分たちの秘密を知る者は誰もいない。そんなドキワクな2人の前に現れたのは、人力飛行機のフライト実験に来ていた山田先生と、その実験を手伝いに来ていた漂介たちだった。思わぬ再会であせる2人は、やむなく別行動をとることに……。
みずほの母親はつほと妹のまほが、桂の前に現れた。シスコンのまほは、桂の存在に苛立ちを隠せず、何かあっては突っかかってくる始末……。身の危険を感じて、口論を続ける風見親子から逃げ出す桂。偶然、出会った小石たちから、漂介が家から出てこないらしいと聞いた桂は、友人代表として漂介の見舞いに行くが……。
まほは、姉のみずほが年下でひ弱そうな桂と結婚した事実がどうにも解せなかった。こうなったのには、何か秘密があると考えたまほは、桂の尾行を始める。そして、学校で、小石に迫られている桂を目撃し、さらに、2人の様子を知ったみずほが、泣いている姿を見てしまう。大好きな姉を泣かす桂にまほは怒りを爆発させ……。
二学期が始まり、みずほと桂の生活は日常と呼べるレベルにまで落ち着いてきていた。楓と漂介がカップルになったことを羨ましがる小石を見て、桂に告白するように後押しする苺。その言葉を受け小石は桂に告白する決意を固めていた。一方、些細なことがキッカケで、みずほと口論になった桂は、小石からの誘いを受けしまい…。
小石が桂にフラレた事を知り、苺は桂を呼び出す。「なぜ小石じゃダメなの」と問い詰める苺。普段、感情を表に出さない苺のその様子に戸惑いつつも自分の気持ちを苺に伝える桂。その時、桂の目の前で苺が崩れ落ちるようにゆっくりと倒れてゆく。苺が自分と同じ『停滞』と呼ばれる心の病を抱えていたことを知った桂は……。
苺を停めさせないため、小石とつきあうことを承諾した桂。「苺を停滞させたくない」という桂の気持ちが痛いほどわかるみずほは、桂の意思を尊重し見守るしかなかった。だが、小石と共にいる桂を見た時、理性で感情を抑え込むことはできなかった。目から一筋の涙がこぼれ、その場を去ってしまうみずほ。その時、桂は……。
縁川を悲しませると森野が停まる。だから、僕は先生とは一緒にいられない……本当は先生が大好きで、いつも一緒に居たいのに。相反する気持ちの狭間で、桂はみずほの腕に抱かれながらも、深く、静かに停滞していく。桂は停滞の中で、喜びも、悲しみも、苦しみもない虚無の空間への扉を開こうとしていた……。
高校二年の初夏。桂は、心にポッカリと開いた穴の存在を感じながら、日々を過ごしていた。何が足りないのかすらわからない。そんな彼が通う学校に、新任の教師が現れる。彼女の名前は、風見みずほ。そんな時、桂は自分が進んでいることを感じていた。風見みずほと出会うことで、自分が再び加速し始めていることを……。
みずほのおかげで『停滞』という病を克服することができた桂は、みずほとの平凡でありながらも甘く楽しい新婚生活を満喫していた。そんなある日の休日、みずほの母親のはつほと妹のまほが突然、2人の家にやって来る。予想していなかった訪問に、翻弄される桂とみずほ。そんな中、はつほが桂と行方をくらましてしまい…
まりえを主人公とした150秒程の短編作品。