末期がんの少女・愛美(谷村美月)の協力によって抗がん剤の治験に成功した鈴木(三上博史)は、自身の発見に確信を得て再び大田黒(國村隼)教授のもとを訪ねる。その途中、殺人事件の捜査で港東大学病院を訪れていた警視庁捜査一課の刑事・的場(柳場敏郎)と偶然出くわすが、先を急ぐ鈴木のぞんざいな態度に的場は言い知れぬ嫌悪感と興味を抱く。 一方、太田黒は相変わらずの態度で鈴木を出迎える。しかし、「治験に成功しました」という言葉に顔色を変え、治験データを見て絶句する。鈴木の発見は本物だったのだ…。 やがて捜査一課では、殺人事件の捜査線上に上っていた少女が、水野愛美という末期がん患者であり、彼女は母と幼い弟妹との困窮し荒んだ家庭環境にあるということを掴む。不幸な境遇の愛美を追跡する事に同情と疑問の声が上る中、的場は強引に捜査体制の強化を進めて、孤立を深めてゆく。