夜の学院寮で瑞穂とまりや、由佳里、奏の4人は怪談話をしていた。そのとき、奏はふと気付いたことがあった。学院寮内の生徒たちの部屋は南側にあるのに、瑞穂の部屋だけが北側にあるのだ。まりやが言うには、瑞穂が女学院に編入したことと同じく、それも彼の祖父の遺言らしい。だが、「調度品や家具は備え付けのものを使うように」という遺言まである理由は、瑞穂にはわからずじまいだった。 そんなとき、瑞穂の部屋に由佳里がやってきた。怪談話が大の苦手という彼女は、まりやから聞かされた怪談話が影響して、一人で寝るのが怖くなったらしい。そこで瑞穂と一緒に寝たいというのだ。一緒のベッドで寝れば、男であることがバレてしまうかもしれないと思った瑞穂だが、由佳里は彼の横ですぐ寝付いてしまった。しかし、翌朝まりやにその光景を見られて大激怒される。幼なじみの少年と、後輩の少女が同じベッドで寝ているのだから無理もない。瑞穂はその後、昨晩の事情に加え、由佳里とは何もなかったということをまりやに散々説明しなければならなかった。 そんな2人のもとへ、奏が慌てた様子でやってきた。何でも、瑞穂の部屋は以前「開かずの部屋」と言われていたらしい。それは22年前のこと、瑞穂の部屋で生活していたエルダーがいた。そのエルダーを慕う、一人の少女が瑞穂の部屋で悲しい死を遂げたらしい。それ以来「開かずの部屋」になったというのだが、瑞穂はそんな部屋を自分に与えた祖父の考えがますますわからなくなる。すると突然、瑞穂の部屋の家具が激しく揺れはじめた。それは地震ではなく、ポルターガイスト