ブルーマーズ2点のリードで迎えた八回表。三原がバントのサインを出すのを見た出口は、逆に強振し、前進守備の内野を抜くヒットで出塁した。これを見た東亜は、次の手が分からない塁上の出口に、三原のサインに従うよう指示。打者バントのサインを見た出口は、2塁に疾走した。このバントがバスターとなり、出口が3塁まで進塁。この結果、走者は、ノーアウト1、2塁となった。 ここで東亜が三原に指示したサインは、なんと初球ホームスチールだった。3塁上の出口は、この場面でホームスチールは絶対無理だと判断。初球は、ホームスチールもマネだけして3塁に戻ろうと思った。ところが、出口が3塁を出た瞬間、1塁走者が盗塁。キャッチャーの送球をセカンドが後逸したため、出口は難なくホームイン。1塁走者も、3塁まで進塁した。 ベンチに戻った出口の質問に、東亜は、相手を混乱させるため3種類あるリカオンズのサインをずらすようナインに連絡していた、と告白。さらに、出口の常識的な判断を計算に入れて相手をかく乱したことを明かした。 東亜の“サインずらしの迷彩”がブルーマーズ選手の動揺を誘ったのか、その後、リカオンズは、連打で逆転し、2点のリード。最終回も、東亜がブルーマーズの主砲・ロドリゴを三振に仕留め、リカオンズは勝利をモノにしたのだった。 この試合で、二回からリリーフした東亜は、暫定年俸が43億円を超えていた。だが、余裕の表情の彩川は、明日の対ブルーマーズ3戦目で、そのプラスを一気に減らすと宣言。及川は、その秘策が、ワンナウト契約書にあるらしいと気付いた。
Name | Type | Role | |
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Hideo Takayashiki | Writer | ||
Yuzo Sato | Director |