鬼童丸は奥義"剣戟(けんげき)無量"を繰り出し最後の抵抗を試みる。「千年の長さには遠く及ばないが、このひとときは全てを懸けても守る価値がある」。まさにこの時、羽衣狐、京妖怪たちの宿願である鵺(ぬえ)の出生が成し遂げられたのだ。全てを闇によって支配する"鵺"。その正体は平安の世に人の世界を表舞台より支配し、魑魅魍魎(ちみもうりょう)をも従えた伝説の陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)である。 絶望の空気が支配する弐條の城、だがリクオたちにはまだ時間が残されていた。いかに鵺と言えども、元は人の子。赤児であるうちはまだ討つ手がある。封印へと動き出す残された花開院の陰陽師たち。激闘を繰り広げる奴良組と京妖怪たちのなかで、リクオはついに羽衣狐と激突する。