メンズ美容部員の間宮棗(なつめ)は、営業戦略のひとつとして後輩の佐橋斗真(とうま)と“ペア売り”をされている。仕事熱心な棗は、天才肌で実力もあるのにナメた態度を取る佐橋に手を焼いていたが、ある秘密を佐橋に知られ脅されてしまう。そんな中、ホリデーコレクションの先行販売イベントが決定し、派遣されるスタッフは棗が有力候補だと噂されるが…。
イベント以降、佐橋は仕事に対する姿勢をガラリと変え、売り上げも伸ばしている。さらに、棗と佐橋は人気メンズBAとして業界誌にも取り上げられ話題に。しかし棗は佐橋との“あの夜のキス”で頭がいっぱいな上、からかうような行動を繰り返す佐橋に苛立ちが募る。一方、東雲有楽町店には、棗を名指ししたクレームメールが届き…。
佐橋と付き合うことになったのかいまいちよく分からず悶々とする棗だったが、ブランドミューズの弓原リサと親しげに話す佐橋を見て心がザワつく。そんな中、全国の百貨店を巡るPRイベントに、リサのメイク担当として指名された佐橋。2カ月間、店を不在する佐橋に代わってメイクアップアーティストの南条敦がやってくるが、彼は棗と佐橋の関係を察知して…。
人事異動の季節となり、佐橋は新設の店舗へ異動、棗は東雲有楽町店の新チーフに就任。別々の店舗になることに不安を抱いていた棗は、佐橋から合鍵を渡され励まされる。新体制初日、チーフの仕事に慣れず慌ただしく過ごす中、田之内が新人営業の春川を連れてくる。自分以上にテンパっているフレッシュな春川を見て、緊張が取れた棗だったが…。
男の先輩にはめられてモデルの仕事を降ろされた過去があった佐橋。BAになって棗と出会い、自分と真剣に向き合ってくれる彼を信じて尊敬しているからこそ、棗からのある言葉に傷ついてしまう。仕事復帰した棗は、謝る暇もなくパリ研修に行ってしまった佐橋にメッセージを送るが、なかなか既読がつかなくて…。
佐橋の部屋で初めて一夜を過ごした棗は、この日から“斗真”と呼ぶことに。同棲をすることになった2人は家族の話になるが、斗真は適当にはぐらかす。その後、新作のPRイベントが始まり、期間限定で棗の店に斗真が戻ってきた。サンプルを持ってきた春川と棗の会話を盗み聞きした斗真は、春川を呼び止め「あの人、俺のだから」と牽制するが…。
棗を訪ねてきたのは斗真の兄・佐橋天真だった。天真は、父親がニューヨークで経営するアパレルブランドのコスメ部門に斗真を引き抜こうとしていた。斗真から既に断りを入れたと聞き驚く棗は、彼が秘密にしていた家族の問題に、恋人として踏み込んでいいものかと思い悩む。再び店にやってきた天真から事情を聞いた棗は…。
棗と斗真の同棲生活も半年以上が過ぎた。棗はチーフとしての仕事にも徐々に慣れ、斗真はメイクアップアーティストに昇格し、お互いに順風満帆な日々。そんな時、斗真はファッションショーのコラボステージにメイク担当として派遣される。ところが当日、ひょんなことから斗真がモデルとして出演することになってしまい…。