ハジメ(ユースケ・サンタマリア)は、もう一度、妻の陶子(石田ゆり子)と話し合おうと決意する。陶子が何故浮気をしたのか、そしてハジメ自身に落ち度は無かったのかをキチンと確かめたかったからだった。 ハジメが帰宅すると、陶子はテーブルの上に離婚届と結婚指輪を置いて待っていた。ハジメの母・房子(大森暁美)にすべてを打ち明けた陶子は、すでにハジメと離婚する決心をしていた。房子は自分の行為を許してくれたが、だからこそ自分が許せない、とハジメに告げる陶子。話し合うつもりでいたハジメは、戸惑いを隠せなかった。 ハジメは、息子の力(加藤翼)は自分が育てる、という陶子の言葉に逆上し、浮気をした陶子にそれを言う資格があるのか、と怒りをぶつける。すると陶子は、ハジメは浮気をしたことがないのか、と逆にハジメに問いかけた。ハジメは、それを否定したが、実はひどく動揺していた。ハジメは、それを陶子に悟られまいとして、お互い冷静になって明日もう一度話し合おう、と彼女に告げる。 そんな折、ベストセラー作家の水澤舞(山口紗弥加)が『現代公論』で連載小説を書き下ろすことが決定する。水澤は、マスコミに顔を出さないセレブ作家としても知られるが、今回の連載にあたって写真撮影ありのインタビュー取材も受けてくれることになったのだという。編集長の小町(江波杏子)は、ハジメにその担当を命じた。水澤自身がハジメを指名したのだ。実は水澤は、6年ほど前に見習いのライターとして『現代公論』に出入りしていたことがあった。当時は本名の田之上塔子という名前で活動していたため