秀吉(柄本明)率いる軍勢に新たな戦が迫っていた。かつては織田家中で功を競い合った滝川一益攻めである。一豊(上川隆也)をはじめとする山内家や堀尾(生瀬勝久)家、中村(田村淳)家でも「大名になれるかの正念場」と準備に余念がない。そうした中、吉兵衛(武田鉄矢)ひとり元気がない。たき(細川ふみえ)が里に帰ったからだが、これは千代(仲間由紀恵)の知恵によるもの。主・一豊への強すぎる思いから、ひそかに芽生えた恋慕を押し殺している吉兵衛の背中を押すためだった。意を決し、たきを訪れた吉兵衛は「戦から戻ったら迎えに来る」と、ようやく口にする。一益の伊勢攻めへついに出陣。一豊らは亀山城を囲んだ。手勢には久しぶりに老臣・新右衛門(前田吟)の姿もあった。しかし一豊の陣は不覚にも敵勢の突破を許し、秀吉の怒りを買う。たきのことで心に隙が生じた自分のせいだと吉兵衛。翌朝、山内家の旗を背に凄まじい気迫で城壁を登り、降り注ぐ矢や石弾をものともせず一番乗りを果たす。しかし、そこは敵陣の真っ只中だった…。