その朝、『貫井企画』に籐子(深津絵里)は現れなかった。
貫井(堤真一)と進めていた楠木文具の仕事を終えた時点での退社は、すでに吉武(西村雅彦)には打ち明けていたのだった。
春菜(矢田亜希子)とのこと、そして貫井への気持ちに気付いた今となっては、これ以上ここには居られない・・・籐子なりの気持ちの整理のつけ方だった。
貫井の様子をうかがう壮吾(坂口憲二)。だが貫井は「あいつはどこにいても元気でやれるはず」といつもとかわらない様子で仕事に向かうのだった。
その頃籐子は、春菜と住んでいたマンションを出て真季(猫背椿)のもとに転がりこんでいた。再就職先を見つけるために、就職活動もやっていた。だが、受け入れてくれる所は簡単には見つからず・・・見兼ねた真季は、人材派遣会社に勤める姉の美帆(伊勢志摩)に助けを求めることに。
だが、籐子のわずかな期待とは裏腹に、美帆は年齢の問題もあるからと、籐子に見合いを進めてきた。そして籐子は、押し切られる形で数日後、その相手とデートをすることになった。
真季は「ここは勝負をかけるべき!」とばかりに、映画、レストラン、ホテルのバーとあれこれデートコースを練り上げてやるのだった。
一方、貫井は、楠木文具のために企画した商品“エンピツネズミ”の反響が思うようにいかないことに心を痛めていた。これ以上待って注文がこなければ、楠木文具はつぶれてしまうことになる。仕事のこと、そしてあれから連絡も取れない籐子のことなど気になることばかり。こんな状態の貫井だから、春菜との食事の時も会話はうわの空だっ