その日渡された給与明細を見て籐子(深津絵里)、貫井(堤真一)、壮吾(坂口憲二)はあまりの少ない額に愕然となった。今の状態ではこの程度しか出せないし、これがずっと続くようなら会社そのものの存続に関わると言う吉武(西村雅彦)の表情はいつにも増して険しい。そんな重いムードに包まれた『貫井企画』に、突然香里(久我陽子)がやってきた。壮吾とは同郷で、姉のような存在という香里に興味を持つ吉武、そして、仕事に集中するふりをしながら、無関心を装いつつも香里の話に耳を傾ける貫井。そして壮吾から香里のことを聞いていた籐子は、気をきかしてなんとか二人きりにしてやろうとするのだった。
その様子を見た吉武と貫井は、ようやく二人のただならぬ関係に気付くのだった。だが、そうと知っても貫井には、「あの人は人妻なんだろ?だったら好きになっても仕方ないだろう」と壮吾の行動をどうしても理解することができなかった。
数日後、吉武が大手リゾート会社との年間契約話を持ってきた。うまく話がまとまれば、会社も少しは安定する。ぜひともまとめたい契約なのだ。さっそく吉武は貫井と、そして籐子を同行して新社長との食事の席に臨んだ。新社長は、貫井の名前は知っていたし、社のPRのためならばと、貫井企画と契約する方向で話を進めていってくれた。だが、そこに孫娘を起用することや、既成のポスターを持ち出し、これに似たものをなどの注文を出してきたのだ。「会社のためにクライアントの注文を黙ってきいて欲しい」という吉武の言い分を渋々受け入れ、不本意な妥協作を作る貫井。だが、その作