「君のドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ」 去年の春、無名の青年が歌うそのフレーズは2020年を代表するヒット曲となった。 高校の先輩と2人で作った動画はYouTubeで1億回再生を突破。芸能人らによるパロディも話題となり社会現象となった。 事務所にも所属せず、ハンバーガー屋でバイト生活をしていた瑛人の世界は一変。 TV番組、ミュージックビデオ撮影やライブと、初めてづくしの2020年を走り抜けている。 シンガーソングライターとはいいながら、実は人前でギターを弾くのが苦手。楽譜も読めないという彼の曲作りは"即興スタイル"だ。詞とメロディーを同時に感じるまま歌い、スマホに録音する。あのドルチェ&ガッバーナのフレーズも友達と遊んでいる時にふと生まれたと言う。試しに「情熱大陸」をテーマに一節お願いしてみると、ノンストップで4分半もの曲が生まれた。 「香水」は瑛人という存在を世に広めた。しかし一方で、簡単には越える事のできない壁にもなった。次の作品は注目される一方、批判の的にもなりかねない。しかし彼に気負いはなかった。「一発屋と言われることもビビってない」と笑顔で話す。 今回、番組では自身初のCDとなるアルバム制作現場を取材。なぜか今も在籍しているバイト姿や、紅白への出場決定を告げられる貴重な瞬間にも遭遇した。 取材を始めて間もない頃、彼はカメラの前でこう言った。 「情熱がこんなにない人の情熱大陸ってあるんですか?」 その言葉はイマドキの照れ隠しか、それとも...。