スマートフォンさえあれば、いつでも無料で授業が受けられる。 "教育YouTuber" 葉一(はいち)は、2012年の初投稿から8年以上、自宅で撮影した授業動画をYouTubeに投稿し続けている。今までに投稿した動画は約3400本。登録者数112万人、総再生回数は3億回に上る(2020年11月現在)。対象は小学3年生から高校3年生まで。数学を専門としているが、中学は主要5教科に対応している。 新型コロナによる一斉休校で、授業が受けられない状況が続いていた今年、葉一の投稿する授業動画は世代を超えて話題となった。授業を受けたい10代のユーザー、授業を受けさせたい保護者、授業をしたい教員が、今それぞれ葉一の動画を参考にしている。 恩師から招かれた女子高では、アイドル顔負けの人気ぶり。サイン攻めにあう姿には私たちも驚いた。そこまで支持されるヒミツはどこにあるのか...番組では例題を参考に成績アップに結びつく、葉一の指導法も判りやすく紹介する。 「子どものなりたい職業」の上位に上がることが多いYouTuberだが、動画作りは極めて泥臭い。板書はホワイトボードに手書き、一文字を4センチ四方に収め、問題文の水平が2ミリでもズレると書き直す。授業のライブ感を重んじるため動画編集はせず、ミスをすると一から撮り直し。途中でカットも入れないため、終了後には酸欠状態になることもあるという。「ここに生徒がいるんです!」と、ハンディカメラに優しく触れながら話してくれた。 YouTubeは、学校・塾に続く新たな学習の「柱」になり得るのか? 教育の常識を覆そうと奮闘する、古参YouTuberの知られざる姿を追った!