東京第一銀行入行5年目の花咲舞(杏)は、明るい性格で、客からも同僚からも人気のテラー(窓口係)。 ある日舞は、本部の「臨店班」に異動を命じられる。臨店とは、問題を起こした支店へ行って、指導し解決を図る仕事。舞はそこで、出世コースから外れたベテラン行員の相馬健(上川隆也)とコンビを組むことになる。 舞と相馬は、事務ミスが見つかった茅場町支店へ向かうが、二人の来訪に、支店長の矢島(羽場裕一)は迷惑顔を浮かべる。矢島は、将来の頭取候補と噂される常務の真藤毅(生瀬勝久)から目をかけられているようで、自分の出世しか興味がなく部下を「無能」呼ばわりする矢島に、舞は憤りを感じる。 事務ミスはベテランのテラー・中島聡子(木村佳乃)が一人でやったことだと説明する。だが、聡子の優秀な仕事ぶりを見た舞は、どうしてもそれが信じられずにいた。 そんな中、営業終了後の集計作業で現金が100万円足りないという事件が発覚する。聡子が、客の請求より多く払い出してしまう「過払い」というミスを犯していたのだった……。
ある日、舞(杏)と相馬(上川隆也)は、蒲田支店へ事務応援に行くように命じられる。久々にテラーの仕事ができると張り切る舞。だが、支店長の須賀(神保悟志)は「無能な奴はこの支店には必要ない!」と部下たちが委縮するほど高圧的な発言をする男で、舞と相馬にもあからさまに敵意をむき出しにしてきた。 蒲田支店は開店と同時に大勢の客が押し寄せる忙しい支店で、テラーに絡んでくる面倒な客も多く、そのほとんどが舞の窓口にやってきた。一方、相馬はロビーでのお客様案内や雑用仕事を割り振られる。実は、これは舞と相馬を痛めつけるために須賀が仕組んだことだった。そのことを知った舞は、須賀の嫌がらせには負けないと決意する。 翌日、舞と相馬はまた大量の仕事を与えられる。とても一日では終わらないような量の伝票を押し付けられながらも、懸命に処理をする。しかし、閉店後、舞が処理した伝票に大きなミスが見つかって……。
舞(杏)と相馬(上川隆也)は、若手行員が失踪したという横浜西支店へ向かった。 失踪したのは、入行3年目の融資課員・光岡(吉村卓也)。光岡は勤務態度も普通で問題を起こしたこともなく、いなくなる理由がわからなかったが、支店長の中村(戸田恵子)は、「仕事を放り出して失踪するなんて銀行員失格だ」と評価していた。 そんな時、光岡の母・和代(秋本奈緒美)が、銀行に乗り込んでくる。和代は、常日頃から息子の待遇について銀行にいちいちクレームをつけてくる“モンスターペアレント”らしく、「息子がいなくなったのはすべて銀行のせいだ」と怒りをぶつける。光岡家は地元の資産家で東京第一銀行に5億円の預金をしている得意先のため、中村はそんな和代に強く出ることができない。 しかし、舞は和代に向かって「子供の職場に親が乗り込んでくるなんて非常識じゃないですか」と言い放ち、さらに和代を怒らせてしまう。 その日の夕方、舞と相馬に、女子行員・菜央(松浦雅)が声をかけてきた。菜央によると、光岡はある会社への融資の稟議書だけ何度も中村に突き返されていたという。 しかも、光岡が失踪する直前に手掛けていたこの会社の融資だけがなぜか中村の承認が降りておらず
東京第一銀行に近々金融庁検査が入るという情報が入り、銀行内はその準備に追われていた。そんな中、舞(杏)と相馬(上川隆也)はかつて働いていた中野支店へ行くことになる。舞は久々に懐かしい人たちに会えるとワクワクしていた。 二人が開店前の中野支店へ行くと、入り口の前にスーツ姿の見慣れない男たちの姿が。それは主任検査官・青田(高杉亘)を筆頭とする金融庁の検査官たちだった。なんと、中野支店に検査が入ったのだ。 強面の青田の「さあ、カギを開けていただきましょうか」の一声で、金融庁検査が始まった。舞は、初めて見る金融庁検査の重々しい雰囲気に押されながらも、横暴な態度の青田に嫌悪感を抱く。 厳しい検査がつづく中、舞と相馬は、支店長の牧野(小木茂光)から、金融庁に見られたくない資料を地下物品庫に隠してあると打ち明けられる。「いくらなんでもあんな所まで調べないでしょう」という相馬だったが、そこに、検査官たちが物品庫に向ったという知らせが入る。なぜ支店の行員しか知らない資料の隠し場所を青田が知っていたのか? 舞は、銀行に対して敵意をむき出しにする青田のやり方に怒りを覚え―――
ある朝、週刊誌に大手銀行の窓口で働く二十代の女子行員が、支店長にセクハラを受けたという告発記事が掲載された!その銀行は名指しこそされていなかったが、東京第一銀行であることは明らかで、舞(杏)と相馬(上川隆也)は人事部の大前次長(堀部圭亮)から告発した女子行員を見つけ出すよう命じられた。 しかし、支店をいくつか回るが、それらしき女子行員はなかなか見つからない。調査の状況を知った大前は、舞と相馬に「金目当ての女子行員が作り話をしているだけだ。ろくでもない女に決まっている」といら立ちをぶつける。そんな大前の態度に、舞は反感を抱く。 そんな中、頭取宛てに、セクハラを告発した女子行員は京橋支店の川島奈津子(前田亜季)だというメールが届く。奈津子は舞と同期の行員。奈津子からセクハラの話など聞いたことがなかった舞は、奈津子がこの件に関わっているとはどうしても思えなかった。 しかし、奈津子は告発記事を出したのは自分だと舞に告げる。さらにセクハラしてきた人物に意外な相手の名前を挙げた―――。
舞(杏)は、同期の友人・彩奈(瀬戸早妃)に「紹介したい人がいる」と言われ、食事に出かける。最初は「そんな、男の人なんて…」と、あまり乗り気ではない様子の舞だったが、紹介されたのはレストラン『東京ダラス』のオーナー・友田(姜暢雄)。絵に描いたような好青年の友田に、舞もすぐに気に入ってしまう。 そんな中、舞は友田の部下・大塚(夕輝壽太)から、友田が融資を受けるために、東京第一銀行の行員に200万円の賄賂を渡していると打ち明けられる。大塚は、友田に不正を止めさせ、店を救いたいと言う。 東京ダラスは、品川支店から5000万円の融資を受けていた。舞は相馬(上川隆也)とともに、賄賂を受け取った行員が誰なのかを調べるため、品川支店へ向かう。「まさか、友田さんのことを調べることになるなんて」と落ち込む舞。 舞と相馬は、その人物を突き止め、問い詰めた。しかし、友田からの金は賄賂ではなく、「個人的に借りたものだ」と言われてしまう。確かに、東京ダラスは経営状態も良好で融資先として問題がなく、友田が賄賂を渡す理由は見当たらない。調査は行き詰ってしまったかに思えたが、幸三(大杉漣)の一言をきっかけに、舞はあることに気づき―――。
ある日の休日、舞(杏)は、テラー時代の客・静枝(茅島成美)に誘われてホテルのラウンジへ出かける。すると、なぜかそこには舞と同じぐらいの歳の秋本(桐山漣)という男がいて、二人はいつの間にかお見合いをさせられてしまう。秋本は京浜銀行の行員で、見るからに真面目そうな好青年。静枝は、いつも自分のことを気にかけてくれる秋本を、本当の孫のように思っているという。「二人ともお似合いだわ~」とニコニコ顔の静枝だったが、舞はあまりの急展開に戸惑うばかりだった。 数日後、京浜銀行の経営破たんが大きく報じられ、驚く舞のもとに、静枝から相談が来る。どうやら静枝は、京浜銀行に2,000万円の定期預金をしていたらしい。ノルマを達成できずに困っているという秋本のために、東京第一銀行の定期預金を預け替えたのだ。 静枝が2,000万円を預け替えたのは、京浜銀行破たんのわずか半月前だった。銀行が破たんすれば、預金は1,000万円までしか保護されない。舞は、秋本が破たんの危機を知りながら静枝に多額の預金をさせたのではないかと疑問を抱く。しかし、そんなことをして、営業成績を上げても秋本には何のメリットもない。納得のいかない舞は相馬(上川隆也)とともに秋本のことを調べ始める。すると、秋本の意外な素顔が明らかになり―――。
舞(杏)は事務応援のために新宿支店に行き、テラーの仕事を任されていきいきと働いていた。だが営業終了後、勘定を終えたところに、融資課の伊丹清一郎(平岡祐太)が強引に伝票処理をさせようとしてきた。怒った舞は、伝票を突き返すが、清一郎は東京第一銀行の取引先、伊丹グループの御曹司のため、彼には誰も何も言えず、処理するしかなかった。それをわかって不遜な態度をとる清一郎に、舞の怒りは募るばかり。 舞が清一郎と衝突した話はすぐに本部にも伝わり、舞と離れて開放感を味わっていた相馬(上川隆也)も、翌日、監視のため新宿支店に行くよう命じられる。かつて新宿支店の融資課で働いていたことのある相馬は、そこで、当時担当していた客・幸田(梨本謙次郎)と再会する。幸田は会社経営者で、決済日が迫る中、清一郎に融資を渋られて困っていた。 そして決済日当日、幸田は清一郎から一方的に融資を断られる。幸田の会社は黒字経営で、融資を断られる理由がなかった。このままでは、倒産する必要のない会社が倒産してしまう。舞と相馬は幸田の会社を救うために奔走するが―――。
東京第一銀行始まって以来の不祥事が発生!伊丹グループの従業員1万人分の給与データが紛失してしまったのだ。 舞(杏)と相馬(上川隆也)は、事件解決のための調査委員に選ばれるが、真藤(生瀬勝久)が指揮を執る調査委員会には、主要部署の精鋭たちが集められていて、舞と相馬だけが完全に場違いの雰囲気だった。 『銀座再開発プロジェクト』を手掛ける伊丹グループとの関係が悪化すれば大きな取引を失ってしまうため、真藤は一刻も早いデータの発見と事態の収拾を命じる。だが、社内をくまなく探すものの、紛失したデータは一向に見つからない。事件解決の気配が見えないことに、伊丹グループ会長・伊丹清吾(船越英一郎)も、怒りを募らせる。 そんな中、舞と相馬は、データは紛失したのではなく悪意のある者に盗まれたのではないかと調べ始める。一方、真藤は目障りな臨店班の解体を画策していて―――。