ある日の休日、舞(杏)は、テラー時代の客・静枝(茅島成美)に誘われてホテルのラウンジへ出かける。すると、なぜかそこには舞と同じぐらいの歳の秋本(桐山漣)という男がいて、二人はいつの間にかお見合いをさせられてしまう。秋本は京浜銀行の行員で、見るからに真面目そうな好青年。静枝は、いつも自分のことを気にかけてくれる秋本を、本当の孫のように思っているという。「二人ともお似合いだわ~」とニコニコ顔の静枝だったが、舞はあまりの急展開に戸惑うばかりだった。 数日後、京浜銀行の経営破たんが大きく報じられ、驚く舞のもとに、静枝から相談が来る。どうやら静枝は、京浜銀行に2,000万円の定期預金をしていたらしい。ノルマを達成できずに困っているという秋本のために、東京第一銀行の定期預金を預け替えたのだ。 静枝が2,000万円を預け替えたのは、京浜銀行破たんのわずか半月前だった。銀行が破たんすれば、預金は1,000万円までしか保護されない。舞は、秋本が破たんの危機を知りながら静枝に多額の預金をさせたのではないかと疑問を抱く。しかし、そんなことをして、営業成績を上げても秋本には何のメリットもない。納得のいかない舞は相馬(上川隆也)とともに秋本のことを調べ始める。すると、秋本の意外な素顔が明らかになり―――。