伊達とリカルドの記者会見が行われた翌日、一歩は、鷹村に誘われて早朝のロードワークに出た。そこで一歩らが見たのは、世界戦を2日後に控えた伊達の姿。鷹村は、自分なりに伊達を激励しようと、ロードワークの時間を合わせたのだ。一歩らを見つけた伊達は、その思いに気付き、一緒に走りながら素直に胸の内を明かしてくれた。 伊達のリカルドに対する思いは、単なるリベンジではなかった。伊達が負けて以来7年間も王座に君臨しているリカルド。伊達は、目標でいてくれたからこそボクサーを続けていられた、とリカルドに感謝した。そして、伊達は、伝説の王者ともいわれているリカルドを倒す攻略法はないとも明かした。世界戦には勝つための方法論や理屈はない、と言い出す鷹村。伊達は、その鷹村の意見を否定せず、やがて絶対の自信を口にして、朝もやの中に消えて行った。 世界戦当日、鷹村、青木らと一緒に会場の国技館に入った一歩は、ひとりで伊達の控え室に行ってみた。妻の愛子、息子の雄二に挨拶した一歩は、出て来た伊達を静かに見送る。そんな一歩を見つけた伊達は、“世界のてっぺんで待ってるぜ!”と告げ、ニヤリと笑ってみせた。一歩は、リングに伊達の後ろ姿を見送りながら、自分もその背中を追いかけよう、と心に誓った。 まもなく、リング上に伊達とリカルドが登場し、いよいよゴングが鳴った。伊達は、いきなり挨拶代わりの左で攻勢をかけて―。
Name | Type | Role | |
---|---|---|---|
Kazuyuki Fudeyasu | Writer | ||
Jun Shishido | Director | ||
Takahiro Natori | Director | Episode Director |