いまやグループの売上高が3兆円規模となったサントリー、その創業は1899年(明治32年)。創業者・鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」精神を受け継ぎ、飲酒・飲料の新たな文化を創り続けてきた。そのサントリーは今年大きな節目を迎えている。ウイスキー事業の着手から100年、一度撤退したビール事業は再挑戦から60年。そしてワインの本場フランスでは、当時珍しかったM&Aによる老舗ワイナリーへの経営参画から40年が経つ。売上高の半分を海外事業が占める、グローバル企業へと変貌を遂げたサントリーが次の時代へ向けスタートする新たな取り組みとは。そのカギを握るのが、国内の酒類事業を束ねる事業会社の社長・鳥井信宏氏。鳥井信治郎氏の曾孫として"創業家のDNA"を受け継ぐ人物で、グループトップへの就任が有力視されている。サントリーはこれまで続いてきた創業の精神を次の世代にどう託そうとしているのか、鳥井信宏氏を始め「受け継ぐ者たち」それぞれの挑戦を追う。